ローザンヌ国際バレエコンクールで熊川哲也さんのバリエーションを見たときの衝撃は忘れられない。


私が最初に習いたいと親にお願いしたのものはバレエだった。

体を動かしたり踊ったりするのが好きだったし、当時、買ってもらっていた『小学一年生』という雑誌にはバレエを習う主人公の漫画が載っていて、とても楽しみにして、憧れていた。


様々な理由からバレエを習うことは叶わず、ピアノを習うことになったのだが、バレエを見るのは好きだった。


それはリアルタイムだったのか録画の放送だったのか?

冒頭で述べた『ローザンヌコンクールでの熊川さんのドン・キホーテ』を見て驚愕する。


これは今でも語り草になっているらしい。





日本人でこんな見事な跳躍、回転ができる人がいるなんて!

いや、ただ上手なだけではないのだ。

コンクールにも関わらず、会場を制圧する圧倒的な存在感。

素人の私が見ても、只者ではないということが分かった。

『オーラがある』とはこのことをいうのだろう。


あまりの凄さに、コンクールにも関わらず、客席からは自然と拍手が起こったほどだ。


それぞれの世界に神様がいるとしたら、熊川哲也さんは間違いなく、バレエの神様から、バレエへの愛と技術、そしてバレエの未来への責任を託されたのだと思う。


その後、彼の踊りを生で見ておかなければ後悔する、と舞台を観に行ったことがある。

何を踊ったのか忘れてしまったが、幕ものではなく、ガラコンサートでのパドゥドゥだったと思う。

この時は、いわゆる彼の『テクニック』を見に行ったのだ。


ほどなく彼は第一線から退く。

しかし、そこからの活躍がさらにめざましい。バレエへの愛は冷めることなどなく、むしろ加速を増したか?

自らのバレエ団を立ち上げ、バレエスクールも開設。脚本、振付、舞台監督として、毎年作品を作り出す。


若いときはその自信あふれる態度や発言から、『やんちゃ』『生意気』とみる人もいたかもしれないが、男っぷりが匂い立つ年齢となり、経験からくる貫禄が、程よく落ちついた雰囲気を醸し出すようになった。

しかし、インタビューなど見ると、やはりバレエに関しては『熱い男』である。


そんな熊川さんが創り上げるバレエの世界はどんなものなのだろう?

彼の、バレエへの情熱、愛が、幕もののバレエ作品にどう投影されるのか?

彼の想いを感じるべく、期待に胸を膨らませて会場に足を運んだ。


バレエなどの舞踊ものを見るときの楽しみの一つに、来場されているお客様の観察がある😁

舞踊の観客は、ピアノなどの音楽を愛する人たちと、また客層が違い、見ていて飽きない。


習っているのかダンサーなのか、スタイルの良い方も多いし、綺麗なお嬢さんもたくさん😊

個人的に昔は見ることがなかった、少年、青年の姿も多く、このことから言っても、熊川さんの日本バレエへの功績は大きいと思った。


また、服装が個性的な方も多くて、素敵な柄のワンピースだったり、デザインもアシンメトリー率高し!


そして生オケでの演目。

これはとても贅沢で、豪華です。

オーケストラピットから聞こえるチューニングの響きを聞くだけで、ワクワクしてきました。


肝心の作品の感想。

長くなったので、続きは後日😊