デング熱とインドのホメオパシー 2 | まーりんのまりんエッセンス

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ついこの間までの猛暑から打って変わって、涼しい週末になりましたね。
ちょっとホッとします・・・



きょうからインドの首相が来日しているらしいですが(関係ないか)

前回の記事で、
「インドでは、デング熱に対処するホメオパシー治療がすでに存在していた」
ことを紹介しました。


その治療プロトコルを開発・考案したのは、インドで有名なホメオパス、プラサンタ・バナジー(Prasanta Banerji)氏です。
バナジー氏は、四代続くホメオパスの三代目(息子もホメオパス)で、彼のコルカタの病院では、バナジー父子とアシスタントドクターが、毎日1,000人以上の患者を診察しているとのこと。

このサイト・・・プラサンタ・バナジー・ホメオパシー研究財団のホームページのスライドより。
向かって左のおじいちゃんが、プラサンタ・バナジー先生です。右端はご子息のプラティップ・バナジー先生




彼らは、その膨大なホメオパシーによる診療データを基にした統計的手法と、自らの何十年にも及ぶ治療経験・実績をたよりに、各種の病気にあったプロトコルを確立しました。


デング熱のプロトコルも、その一つです。



バナジー氏のデング熱に関するコメントには、こうあります。

デング熱
デング熱は、蚊に咬まれることによって媒介されるウイルス感染症である。都市部でも農村部でも感染の危険があり、時に流行することもある。診断後、治療はできるだけ早く開始されねばならないが、レメディには副作用がないので診断以前に治療を開始して構わない。



ちょっと注釈を入れますと

そう・・・
ホメオパシーのレメディには副作用がないのです。

ホメオパシーでは、基本的に、原物質をアルコールに漬けたり、すりつぶしたりしたものを、物理的作用が消失している濃度まで薄めた(希釈された)ものをレメディとして用います。
したがって、通常の薬剤に期待するように、
何か特定の作用機序で働く物質が入っていて、それが作用するわけではありません。それは同時に、薬剤でみられるような、含まれる成分によって生じる副作用がおきることは原理的にありえない、ということを示しています。



では続けましょう


第1選択レメディー
Eupatorium Perfoliatum (Eup-per.) φ と
Rhus Toxicodendron (Rhus-t.) 30C
これらを交互に、3時間毎に1回投与

高熱時に:
Belladonna (Bell.) 3C、液体フォーム
15分毎に1回投与

第2選択レメディー
出血状態の場合に:
Hamamelis Virginica (Ham.) 200C+Arnica Montana (Arn.) 3C
第1選択レメディーと共に、毎日4回投与
バナジー・プロトコル/ホメオパシー出版



ここでいう第一選択レメディとは、いわゆる「ファーストライン」
数ある治療薬のうち、まず最初に投与するべき治療薬に当たります。


一般的な薬剤におけるファーストラインは、
安全性を考慮して
有効性がある程度高く、それでいて副作用が少ない治療薬が選ばれるそうです。

それでも治療がうまく行かない場合に、「セカンドライン」が試みられる。
一般的な薬剤では、ファーストラインでも効果がなかったわけだから
セカンドラインは、多少副作用があっても、より高い効果が期待されるものが選ばれる。



これに対し、
バナジー・プロトコルにおける「ファーストライン」「セカンドライン」「サードライン」は、次のように規定されています。

1. まず、“第1選択レメディ” を投与または服用。これにより、患者の80%において治癒、もしくは症状の緩和が見込まれる。

2. 残りの20%の患者に、“第2選択レメディ” を投与。

3. 第1および第2の選択レメディーが、妥当な期間内に適切な反応を引き出すことができなかった場合、“第3選択レメディ” を投与。


繰り返しますが、ホメオパシーのレメディには副作用はありませんので、治療にあたって副作用を考慮・心配する必要がありません。いきなり、全力投球で治せばよいのです。

この規定はまた、第1選択レメディを使ったら「統計上、およそ8割の患者で症状の治癒・改善がみられた」ということを意味しており、このプロトコルは非常によい治療結果を出しているといえそうです。



ところで、このプロトコルをみたホメオパスのみなさんは
「なーんだ デング熱っていっても、特別なことはしなくていいんだ。普通に筋肉痛とか、高熱とか、出血とか症状に合わせてレメディだせばいいんじゃん」
そう思いませんでしたか?

わたしも 万が一このよくわからない病気が流行り出したらどうしようと思いましたが、どうやら

「これでいいのだ!」 


インドで実績があるというのも、安心材料ですしね



第1選択レメディに指定されているユーパトリューム(Eup-per.) のチンクチャーについて
『ハーブ・マザーチンクチャー』(由井寅子著)には、こう記載されています。

「2013年1月、インド政府のホメオパシー医科大学とホメオパシー病院で(※)、デング熱の流行を防ぐために、20万人以上の人にレメディーが無償で配られたことが話題となりました。そのレメディーとは、ユーパトリュームでした。」

「これはアメリカの先住民族たちが伝統的にデング熱の治療に使っていた薬草です。デング熱は骨折熱とも呼ばれるように、筋肉や関節の激しい痛みを伴います。その痛みを素早く緩和させるところから、ユーパトリュームには「骨つぎ」の意である「ボーンセット(boneset)」」という名前がつけられています。」

わたしは由井寅子先生にホメオパシーを習ったので、ボーンセットとか聞くと、先生の授業がなつかしいなあと思います。

※インドでは、現代医学だけでなく、アーユルヴェーダ、ホメオパシーも国の第一医学とされています。


「ユーパトリュームは免疫を刺激し、解熱、発汗を促進する力を持っています。ですから、マラリアやインフルエンザに関連した発熱と痛みに使います。主な特徴は、骨が折れそうなズキズキする痛み、ヒリヒリする感じです。」


デング熱じゃなくても、インフルエンザにも合いそうですね。
ご参考になさってください。

なお、ユーパトリュームのチンクチャーは、ホメオパシージャパンでも購入できます。