. -249ページ目

一番大切なのは空気だ!

「ブルベ記」第25話

----------------



ニュースを見聞きしていて、いろいろ言いたいことはあるが、


官房長官や東電の会見、あるいは国営放送の解説委員の、パニック誘発を恐れるかのような、妙に抑え気味の解説を真に受けてしまい、

「なーんだ、東京はなーんにも心配いらないんだね」

と納得してしまった人もいるのかもしれない。


原発事故の話です。




確かに、現時点では大丈夫、ともいえるかもしれない。

だが、まだ安全宣言が出た訳ではないし、

日本政府と米国で避難勧告の対象範囲が異なったりするなどしており、

政府の発表内容には疑心暗鬼になったりもする。

一方、「ほら、みたことか」と私の怒りは頂点に達している。


まず、


都内における大気浮遊塵中の核反応生成物の測定結果について」を淡々と発表している

東京都産業労働局には大いに感謝したい。さすが地元自治体だ。


http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/whats-new/measurement.html

え?「ヨウ素131」とか「セシウム134」って?


「3月13日や3月14日は上記の核反応生成物は検出されませんでした」とのこと。

それが15日、16日になって都内でも一斉に検出された。


ふつうは自然の大気には一切存在しない、つまり人工的かつ危険な物質だ。例えばヨウ素131は、体内に蓄積されると甲状腺がんを引き起こすとされている。


で、この「核反応生成物」ってどこからきたの?


「地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター駒沢支所では、今般の東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、自然界に通常存在しない放射性物質の測定を行っています」


つまり、あの福島原発から飛んできた可能性が高い、というわけです。




それはそうと、


この測定を行っている「東京都立産業技術研究センター駒沢支所」はうちの近く、世田谷区・駒沢公園のすぐ隣にある。


そこは、ブルベライダー初心者の私がいつも、はあはあ息をはずませながらトレーニングしているホームコース、周回サイクリングコースがある場所です!私だけではない。昼も夜も、熱心なランニング族たちのメッカなのです。


ブルベ記

「現時点においては、健康に影響を与える数値ではありませんので、ご安心ください」とのこと。


だが、


正直、そんな危ない物質をたとえ少量であっても、ずっーと吸い込み続けながら走りたくはない! !


※「現時点においては」という但し書きをつけたのはその通りだろうが、それはそれで、ますます不安な気持ちにさせる表現だ。


現状では国の安全基準を下回っているので安全、ということのようだが、ふだんは存在しないものが、存在してしまっているのです。


前回の「自転車通勤」では排気ガスのことを書いたが、もちろん排気ガスも有害ですが、局所的であり、まだ避けようがある。だが、上記のような放射性物質は、おそらく空気中に広く浮遊しており、たぶん色はなく、においもせず、何十年という長い単位で放射線を発しながら存在しつづけ、あるいは体内にも取り込まれてしまう可能性がある物質なのでしょう。




まったく困ったものです。


振り返ると、東電をはじめとする電気事業各社はこれまでも、その企業体質がいろいろ世間では批判されてきたが、それはそれとして、問題の原発を稼働させるに至ったまでの、国の原子力政策自体には本当に疑問を感じます。


まして最近は、「地球温暖化対策で原発ルネッサンス」、あるいは「日本には資源がないから」なんて言い方で原発を見直そうとする動きが顕著だった。だが、なんて後ろ向きな、時代遅れなエネルギー政策だろうか。そうひそかに思ってきた。


戦後ずっと原発行政にばかりしがみついてきた官庁や自治体、関係企業、族議員、学界(あるいは一部マスコミまでも)が、いまだに護送船団のようにこの原発という既得権益に群れているのが実情です。だから、「原発ルネッサンス」なんて的外れなキャッチフレーズがおばけのように闊歩してしまったのです。


反原発運動には参加していないが、今、周辺で避難されている住民の方々や、現場で生命を賭けて壊れかけた原発と格闘している人たちのことを思うにつけ、ほんとうに胸が痛む。こんなに人にやさしくない、多大な犠牲を伴う「非人間的な装置」にいつまでもしがみつくのはいい加減にやめるべきだ、とつくづく思う。これほど人類に激しく牙をむくものは、「文明」とはいえないと思います。




もっと柔軟に構えるべきでしょう。


総量抑制=省エネをさらに進める一方で、日本人の勇気と英知と技術力を結集し、国内電気エネルギーの3割を占めている原発の代替エネルギー普及をもっと進めるべきなのではないだろうか。そう思います。


ブルベのためにも脱原発!!


(追記=民主、自民各党は18日までに相次いで「今後の原子力政策の推進は困難」との見解を明らかにした。まあ、当然のこと)

ま、いろいろ述べましたが、

とにかく、スポーツするにも、自然界の安全な安心できる空気 が不可欠なわけです。



★読まれた方は「ブルベ」→をクリックしてってね!!→ にほんブログ村 自転車ブログ ブルベへ
にほんブログ村