BRM329東京400kmぐるっと富士山 【DNF】 ブルベの本質を再認識する
「ブルベ戦記」 第253話
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BRM329東京400kmぐるっと富士山
200km過ぎたところで途中棄権(DNF)しました。
【総括】
今回はブログの書き甲斐があります。DNFを契機に、ブルベの「本質」の一端に触れた気がしたからです。「ブルベとは過酷であり、しかし、それでも這ってでも、走り続けなくてはならない」―自分の中でそのことを再認識しました。
特に400km以上のロングブルベでは、ブルベ特有の過酷さに直面しがちです。
こうした距離では「楽に完走できる」ことは稀です。
200kmや300kmのブルベでは、好条件が重なると「楽に走り通すこと」がたまにはあるかもしれません。
事実、私の場合も、豪雨の300kmブルベを12時間台で完走したことがありましたが、豪雨という悪条件以外、すべてはプラスに作用し、体調面でもまったく疲労と無縁でいられたりもしました。
しかし、特に400km以上になると、そういうラッキーカードに恵まれる確率はぐっと下がります。
それは眠気であったり、過労であったり、気象状況への不適応であったり、メカトラであったり、様々な負の要因が距離に比例して持ち上がってきます。
そして、そういう悪条件の中でも、走り続けなくてはならない、ということです。
前置きが長くなりましたが、
今年初めての400km、半分の距離を過ぎた富士川沿いの途中で、柳沢峠から続いた体調不良で、もう先には進まないほうが賢明、と判断し、リタイヤしました。
ただ、不調は確かに深刻だったのですが、終わってしばらくして、後からじわじわと、
(倒れるまで、あるいはタイムアウトするまで、もっと走り続けるべきだったのではないか。それを精神的に越えたところに完走があったはずだ)
との後悔めいた思いにとらわれました。
「大人の判断」を基準にすれば、普通に考えれば「倒れるまで」などはありえない状況なのですが、ブルベと「大人の判断」は本来、相反するもののような気がします。ブルベのように、制限時間内に自転車で何100km、あるいは1000km以上も走るなんて、それは「過酷な冒険」、「非日常の世界」、「エクストリーム」、「変態の域」、「狂気の沙汰」(もっとほかにもいろいろ表現はあるかもしれませんが)です。
ですが、冷静な判断力とは別に、時には蛮勇、何事も顧みない行動力、という掛け合わせ、そこに潜む危険性と隣り合わせながらも、それを回避し、これらすべての絶妙なバランスの上に立たなければ、常人の想像力を超えるような長距離ブルベを実際には走破はできないのです。
そのブルベがもつ「本質」に本能的に魅かれ、自分もブルベの世界に入ったはずです。
と、抽象論を述べてみましたが、
実際のところは今回のブルベでは、時間的にはまだ余裕があったにもかかわらず、体調不良による過労を引きずったまま走り続けた挙句、残り半分の距離を走破するのに必要な気力をすっかり消耗させ、コース沿いにあった無人駅についに駆け込んだ自分がおりました。
しかし、しかし敢えていえば、
それでも自分は、倒れるまでもっと走り続けるべきだったし、もっと身体的につらいブルベでも走り続けて完走につなげたことは過去にはあったわけで、その先の展開を信じて忍耐力をもっと発揮すべきだったのかもしれません。確かに厳しいコース設定でしたが、同様に厳しいコースをこれまでも走破したことがあったはずです。そうした点で、DNFに悔いは残らないといえば嘘になります。
DNF後しばらくして、そう思える余地がまだ自分の中にどこか残されていることを知り、ひそかな喜びのような気持ちも感じました。
複雑なようですが、そう思わせるブルベはやはり、奥深いスポーツともいえます。
そういうブルベだったのですが、以下、スタート前夜から記録してゆきます。
3/28 21:01 前夜、自宅にて
3/29 5:25 川崎・等々力緑地・市民ミュージアム前
7:37 日野市・お隣のヴェロランドヌールクラブ青葉による私設?応援ステーション
PC1(63.8km セブンイレブン奥多摩古里店 9:12着)
14:20 山梨県・富士川上流・笛吹川沿い
PC2(160.2km 富士川増穂インター店 15:18着)
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「ブルベはフランス語で『認定』を意味します。ブルベには様々なものがありますが、オダックス・ジャパン(AJ)が統括する日本でのブルベはBRMといいます。BRMは規定の距離を規定の条件で完走すると認定される長距離サイクリングです」
「同じ年に200km、300km、400km、600kmを認定された人はシューペル・ランドヌール (SR。英語ではスーパーランドナー)として讃えられます」
「BRMの最高峰として位置づけられているのが4年に1度、ACP(オダックス・クラブ・パリジャン) が開催するパリ~ブレスト~パリ ランドヌール(PBP)=1200km」
いずれもAudaxJapan(オダックスジャパン)HPより