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BRM614青葉400km諏訪 【完走】 寒暖差34度(!)を駆け抜ける

「ブルベ戦記」 第257
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BRM614青葉400km諏訪
完走しました(26時間06分)。

【総括】
今年は前半ですでに2本もDNF(いずれも400kmブルベ、200km付近で途中棄権)していて、当初目標にしていた早期のSR達成を逸していたので、さすがに3本目は形にしないとまずい、と思っていましたが、それがちょっとプレッシャーにもなっていました。

制限時間から仮眠時間がとりにくい400kmに苦手意識をもつべきではないのですが、さすがにブルベ歴を徐々に積んできて、だんだん経験値も上がってきていると、(この距離なら身体はこうなる)=例えば、200km過ぎて夜になれば眠くなる=といった見通しも把握できるようになっていて、そうなると、これから起きるであろうそれらの困難さに事前から向き合う精神力も必要となる訳です。


天気は幸い、梅雨が中休みで、雨には祟られなかったものの、日中は青空に入道雲が立ち上り、むしろ強い日射しに。結果的に
前回ほどではありませんでしたが、今回も暑さに見舞われました。水をかぶりながら、小刻みに休憩しながらの、制限時間をフルに使ったパターンに。
(6月中旬~夏のあいだは原則、200km以上のブルベは走らない)。
熱中症予防にために、改めてそんな誓い?を立てたほどでした。

逆に、夜明けには予想外の10℃以下の季節外れの寒さにも悩まされました。
この梅雨の時期に雨が一滴も降らなかったのは幸いだったのですが。


では、スタートの朝から振り返ります。


6/14 4:31 自宅(世田谷)を出発。
それまで1週間以上雨続きだったのが、前日から晴れるようになり、感謝。


5:41 ブリーフィング@稲城・大丸公園
関東一周600kmでも途中から一緒だったIさんも参加していて、同走することに。
「あす午前10時のW杯日本戦中継までには家に帰れているようにしましょう」と目標設定。

ところで、バッグ類を装着していない、ブルベとは思えないほど軽装のライダー達もいましたが、彼らはこの後、未明にはゴール=18時間台で完走していたらしいです。
もちろん走力あってのことで、装備の軽量化だけがスピードアップの主因ではないでしょうが、ブルベ装備とは何なのか、フル装備を常としてきた私としては、改めて考えさせられました。


5:54 車検を終えてスタートしてゆきます。


5:56 最初は連光寺坂で脚慣らし。
それにしても、朝から快晴です。


6:20 高幡不動前


7:10 八王子近郊 高尾山方面へ


7:32 まだ序盤、国道20号・大垂水峠をあっさり越えます。


8:28 甲州街道・上野原~談合坂
そういえばこれまでのブルベは相模湖の日連大橋から道志みち方面に入ったり、松姫峠から大月経由で新雛鶴へ抜けたりしていて、ブルベでここの区間(上野原あたり)を走ったことがありませんでした。
とはいえ、いずれにしても、国道20号はブルベコースでは基幹線のひとつですね。


9:00 大月


PC1(68.5km、セブンイレブン大月インター店、9:08着)
貯金は1時間半。


9:36 初狩~笹子
 


10:18 国道20号・笹子トンネル
全長3kmで道幅狭し、と事前情報がありましたが、トンネル内は思ったより照明が明るく、途中からは下りで、交通量も少なく、あっさり抜けられました。


11:02 甲府盆地に気持ちよく下り、甲府市街が望めます。

あ、ところで、ここに写っているガーミンのetrex30 オーバーナイトは初めてでしたが、もちろんフリーズもせず、完璧に機能していました。一晩中、バックライト点灯で過ごせるありがたさといったら。


11:13 国道20号・両ノ木神社北の交差点から広域農道へ左折し、ブドウ畑、梨畑を抜けていきます。そのまま国道140号の笛吹ラインへ。
(Iさんがずっと先導なので、交代しましょうか、と声掛けしますが、大丈夫、とのこと。恐縮です。その代わりというわけではないのですが、後方から撮影係を担当しています)



PC2(114.4km、ファミリーマート田富東花輪店、11:33着)
山梨県中央市のあたり。強い日差しで、そろそろ日陰が恋しくなる時間帯です。
貯金は2時間。しかし、暑さでバテ気味で30分ぐらい休憩しているので、実質そこから-30分です。


12:11 遠くに南アルプスの稜線を望みながら、再び国道20号方面へ北上します。
まことに平和な、望ましいブルベ風景です。


12:57 国道20号を渡り(船山橋北詰交差点)、韮崎の市街地へ。


13:08 韮崎から県道17号(七里岩ライン)へ入ります。ここから諏訪の手前まで40km、登り基調になります。


13:28 七里岩ライン、景色はいいのですが、馬の背のような坂が繰り返されます。このあたり、Iさんが調子が出ないようで、自販機休憩をはさんだりします。


14:01 PC2から次のPC3までの間は約60kmありますが、この暑さなので、30km走った途中の長坂のコンビニ(ローソン)にも立ち寄ることにしていました。


14:05 参加者が次々と立ち寄って「隠れPC」になっていた、この長坂のローソン。八ヶ岳がくっきりと見えます。日陰で気持ちよさそうに仮眠している参加者の姿もありました。


15:35 つづいて八ヶ岳エコーラインへ。丘陵地帯を登り続け、いつの間にか標高1000mに達しています。


今回のブルベはタイトルが「諏訪」ですが、パノラマ的にはここがハイライトでしょう。
(気持ちよさそうですが、実際は登りですw)



PC3(175.3km、セブンイレブン信州原村店、15:58)
貯金は1時間50分。
しかし、PC2から約60km、たっぷり4時間かかりました。

登り+日中の暑さ(サイコンデータ上では路上気温の最高は七里岩ラインの序盤、133.54km地点で、41℃を記録していました)から、途中で何度か休憩をはさんでいました。

それでも、休憩しながら周囲の景色が見られましたし、それが(ここにまた来てみたいな)という+アルファをもたらしてくれていました。

ここでもかなりの時間、寝転がったり、ぼんやり過ごしていました。
そして、PC3からは諏訪湖に向けて下りです。


16:53
久々に下界(市街地)へおりてきました。交通量の多い国道20号に再び入ります。
夕方ですが、まだまだ日が高いままです。


17:13 諏訪の市街地に入りましたが、お城が。


諏訪高島城ですね。


17:29
今回のブルベの折り返しにあたる諏訪湖。
西日を受けながら、湖を反時計回りに周回します。


PC4(198.5km、ファミリーマート岡谷田中町店、17:39着)

(ここから甲府まではしばらく長い下り)、そう思うとつい気が緩んできます。
いいんだか、よくないんだか。


18:30 さらに諏訪湖を周回。


19:04 まだまだ日が暮れません。
諏訪湖から富士見峠まで上がってきて、ここから20km以上の下りです。


19:32 19時半を過ぎて、ようやく日が暮れてきました。
国道20号を甲府方面へ時速40~50km/h台でひたすら下ってゆきます。
なので、往路に七里岩ライン経由で時間を費やしたこの区間、復路はあっという間に戻ってきました。

そして国道20号・円野郵便局前交差点から、真っ暗な県道12号(韮崎南アルプス中央線)に右折。


20:34 県道12号を富士川沿いへ。
 


PC5(273.5km、ローソン富士川増穂インター店、9:08着)

そして、夜になって今度は私が不調に。
PC5に着いてから、急に眠気に襲われてきました。
座って目をつぶります。
正直、もう少しじっとしていたかったですが、無理に重い腰を上げて、また走り出します。
600kmブルベなら、もう少し我慢して走って、うまくいけば日付が替わる前には2~3時間の仮眠に入る、というパターンですが、
400kmではそうはいかず、通常のペースではほぼ走り続けないと間に合いません。
このあたりがきついところです。

PC5を出てから、精進湖を目指してまた登りが始まりましたが、
眠くて眠くて、つい蛇行してしまいがちです。


脚自体はまあまあの調子だったのですが、夜間の登坂では、心拍数がすぐ上がってしまう、という、いままで経験したことのない状態になりました。
すぐ息が上がってしまうのです。
この日は、自律神経を整える系の漢方胃腸薬を飲んでいたのですが、それが何かわるさをしたでしょうか。

富士五湖へ向かう真っ暗な県道36号では、青色吐息でした。
国道358号(精進ブルーライン)に合流するところまできて、
小休憩を申し出て、道路沿いに思わず寝ころびました。
さらにそこから精進湖トンネルまでの上りでは、まったく呼吸が整わず。
眠いのに無理して身体を動かしている、そういった感じでした。


Iさんが先に行き、時折、坂の途中で待っていてくれて、そこで小休憩。そしてまた登る、ということを繰り返し、ようやく精進湖トンネルが見えてきました。

6/15 0:30 精進湖トンネル

赤池の交差点に零時までには着く、という目標より30分以上の遅れ。
まだ体調がよくないので、ここでも小休止。
自販機があったので、ペットボトルの水を買って一気に飲みましたが、胃腸が動いていないのか、すぐにそのまま吐き出してしまいました。

もちろん、まだ時間的猶予はありましたが、できるだけ貯金を保持して、山中湖のセブンイレブンの横の休憩所で少しでも仮眠をとりたいところです。 


ところが。

未明の富士五湖周辺ではさらに、とんでもない気象状況になっていました。
寒いのです。

西湖近くの、キャンプでよく通る馴染みの富岳洞穴前まで来たら、
ちょうどいいベンチがあって、先に来た参加者がひとり仮眠している姿も見えましたが、
我々もベンチに横たわったものの、あまりの寒さにとても寝ていられません。
「こんな寒いところに寝ていたら大変なことになる」。そう言って飛び起きました。

渋々といった感じでPC6に向けて再び走り出します。
心拍が上がる状態や眠気はだいぶおさまってきました。
しかし、とにかく寒い!

ゆるい下り基調なのですが、冷気が身体にあたるとつらいので、ちっともありがたみが感じられません。


国道右手に、「道の駅なるさわ」などの大型レジャー施設が見えてきましたが、600kmブルベの調子で寄って入浴したり仮眠したりしたら、間違いなくタイムアウトしそうなので、恨めしい気持ちで通り過ぎます。


1:57 富士吉田の市街地

寒さで身体がとてもこわばります。
あとでサイコンデータをみたら、山中湖畔で7℃しかありませんでした。
そこを素肌を出して走っていたのですから、、、。
昼間との寒暖差がなんと34℃(41℃~7℃)もありました。



PC6(329.1km、セブンイレブン山中湖旭ヶ丘店、3:04着)

コンビニとなりの休憩所も暖房が入っているわけではないので、寒かったです。
1時間ほど室内のベンチに横になれましたが、あまりの寒さに、すぐ目が覚めてしまう始末(そのまま寝ているほうが危ないのかもしれませんが)。
モンベルの雨具を着込みましたが、私はズボンのほうは今回、持ってきていませんでした。
レーサーパンツのみの下半身の寒さには閉口しました。
隣のコンビニに戻り、ホッカイロを両太ももに張り付けましたが、
走り出すと寒風にさらされ、まったく効果は感じられないままでした。


4:03 山中湖畔
夜が明けてきた4時にはPC6から出発しました。
後ろを振り向けば、富士山の朝焼けシルエットが見えたのかもしれませんが、あまりの寒さに、そんな心のゆとりはありませんでした。


4:36 道志みち・山伏トンネル
ここから先、注意すべきは道志みち下りの居眠り運転です。
しかし、実際のところは何回か、うとっ、としてしまいました。



5:48 そして、夜が明けました。
あれだけの寒さも、道志みちを下ってきて標高が下がるにつれ、どこかへ消えてしまいました。

そして不思議なもので(もないですが)、朝になると、眠気はどこかへ消え、体調が戻ってくるのです。コースは、道志みちの終点(青山交差点)まで降りる前の交差点で右折し、最後のプチ峠、茨菰山を越えますが、もうすっかり体調は元通りで、がんがんこげます。
夜半の不調はいったい、なんだったのでしょうか、、、、。


7:14 相模原・橋本
そしてゴールが近づいてきました。日常に戻ってきた感が。


7:34 いつものホームコース、尾根幹線が出迎えてくれます。
が、さすがに400km近く走ってきて、いつものようなスピードは出ません。


7:47 早朝から軽装のローディーたちの姿が目立ちます。
私たちが400kmを駆けぬけてきて、ここにいることを知ったら、驚くでしょうか。


8:02 尾根幹を下り、稲城五中を左折したら、もうゴールがそこです。
往路の七里岩ラインあたりからずっと抜きつ抜かれつだったスタッフ走の一団と一緒になだれ込みます。


8:06 稲城・大丸公園に戻ってきました。
無事完走、ゴールです。


冷たいコーラをいただいたりして休憩。
Iさんともねぎらいの言葉を掛け合います。


9:00 多摩川沿い・調布市

さあ、自宅に帰るまでがブルベです。
こんなに素敵な自走コース、気持ちよく家路をゆきます。
最終目標だったW杯日本戦にも余裕で間に合いました。


3年連続のSRもなんとか達成できたし、これで今年のブルベ前半戦は無事終了です。

<markun 走行記録集>


  
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「ブルベはフランス語で『認定』を意味します。ブルベには様々なものがありますが、オダックス・ジャパン(AJ)が統括する日本でのブルベはBRMといいます。BRMは規定の距離を規定の条件で完走すると認定される長距離サイクリングです」

「同じ年に200km、300km、400km、600kmを認定された人はシューペル・ランドヌール (SR。英語ではスーパーランドナー)として讃えられます」

「BRMの最高峰として位置づけられているのが4年に1度、ACP(オダックス・クラブ・パリジャン) が開催するパリ~ブレスト~パリ ランドヌール(PBP)=1200km」

いずれもAudaxJapan(オダックスジャパン)HPより