ブルベと放射能汚染について語ってみる
「ブルベ戦記」第112話
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いやはや、
一昨晩からうち(世田谷)の近所は大騒ぎでした。
そういう自分も、ベランダの洗浄どうしようかな~、とずっと様子見でいたケルヒャーを、
このニュースの第一報に接した瞬間、ついamazonでぽちっと買いしてしまったのですが^^;
結局、「な~んだ」という結果に落ち着きそうです。
「原発と無関係」断定 世田谷の放射性物質で文科省(asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1014/TKY201110140116.html
しかし、です。
「やっぱり、関東地方は福島原発の影響はそんなにたいしたものではなかった」
と錯覚しそうですが、そうではないようです。
横浜のマンション屋上で、あのNHKに出たりしていた御用学者どもが「遠くには飛ばないので大丈夫」と言っていたストロンチウムが検出されたり、柏などでのホットスポット問題も依然、続いています。
そればかりか、
先日までの文部科学省の「航空機モニタリング結果」で、
いまさらのように、東日本の広範囲な汚染被害が明らかになってきています。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_MEXT_DOE_airborne_monitoring/
東日本大震災直後の3月16日の時点で、
自分は以下のようなブログを記しました。
この時は多少、(自分だけが心配しすぎなんだろうか)と自問したりもしましたが、
今にして思えば全然、そんなことはなかったようです。
以下、
「ブルベ記」 第25話 一番大切なのは空気だ!(3/16)
http://ameblo.jp/markun-jp/entry-10832794708.html より、、、、
↓
ニュースを見聞きしていて、いろいろ言いたいことはあるが、
官房長官や東電の会見、あるいは国営放送の解説委員の、パニック誘発を恐れるかのような、妙に抑え気味の解説を真に受けてしまい、
「なーんだ、東京はなーんにも心配いらないんだね」
と納得してしまった人もいるのかもしれない。
原発事故の話だ。
確かに、現時点では大丈夫、ともいえるかもしれない。
だが、まだ安全宣言が出た訳ではないし、
日本政府と米国で避難勧告の対象範囲が異なったりするなどしており、
政府の発表内容には疑心暗鬼になったりもする。
(中略)
「現時点においては、健康に影響を与える数値ではありませんので、ご安心ください」とのことだ。
が、
正直、そんな危ない物質をたとえ少量であっても、ずっーと吸い込み続けながら走りたくはない! !
※「現時点においては」という但し書きをつけたのはその通りだろうが、それはそれで、ますます不安な気持ちにさせる表現だ。
現状では国の安全基準を下回っているので安全、ということのようだが、ふだんは存在しないものが、存在してしまっているのだ。
(中略)
まったく困ったものだ。
振り返ると、東電をはじめとする電気事業各社はこれまでも、その企業体質がいろいろ世間では批判されてきたが、それはそれとして、問題の原発を稼働させるに至ったまでの、国の原子力政策自体には本当に疑問を感じる。
まして最近は、「地球温暖化対策で原発ルネッサンス」、あるいは「日本には資源がないから」なんて言い方で原発を見直そうとする動きが顕著だった。だが、なんて後ろ向きな、時代遅れなエネルギー政策だろうか。そうひそかに思ってきた。
戦後ずっと原発行政にばかりしがみついてきた官庁や自治体、関係企業、族議員、学界(あるいは一部マスコミまでも)が、いまだに護送船団のようにこの原発という既得権益に群れているのが実情だ。だから、「原発ルネッサンス」なんて的外れなキャッチフレーズがおばけのように闊歩してしまったのだ。
反原発運動には参加していないが、今、周辺で避難されている住民の方々や、現場で生命を賭けて壊れかけた原発と格闘している人たちのことを思うにつけ、ほんとうに胸が痛む。こんなに人にやさしくない、多大な犠牲を伴う「非人間的な装置」にいつまでもしがみつくのはいい加減にやめるべきだ、とつくづく思う。これほど人類に激しく牙をむくものは、「文明」とはいえないのだ。
(後略)
ブルベのためにも脱原発!!
ま、いろいろ述べましたが、
とにかく、スポーツするにも、自然界の安全な安心できる空気 が不可欠なわけです。
、、と、
3月16日時点のブログですでにこんな風に感じていました。
ここで、
残念ながら、
東日本で開催された(あるいは来年も開催されるであろう)ブルベのコース上に、
ことごく、これらの汚染地域が被さっていることが分かります。
しかし、こういう現実(=ブルベコースと放射能汚染)はこれまで何故か、
あまりブルベの世界では周知されてきませんでした。
ブルベが一応、「自己責任」のスポーツだから、なのかどうか?
こういうことは自分で調べてみないと、なかなか分からないことになっています。
では、
この汚染図をみて我々はどう対処すればいいのでしょう。
ブルベの主催者側はもう来年のコース設定にとりかかっているでしょうから、
コース変更は易々とは出来ないのでしょうが、
残念ながら、
参加者の立場としては、汚染の深刻な地域での走行は自主的に避けざるを得ないでしょう。
それは大げさなことなのでしょうか?
例えば先日、
ネットでニュース(asahi.com)をみていたら、
福島のコメ農家が「放射能の味がするわけでない。30年後を考える必要はないし、自分たちは食べる。かえって長生きできるかも」なんて発言が紹介されていました。
しかし、それは生産者心理、コメ農家の美学としては確かにそうかもしれませんが、
消費者心理としてはそれはちょっと、、、、と、
そんな農家の姿勢に違和感を覚えました。
(多少の汚染でも、ブルベで数時間通過するぐらいなら、健康には影響はないだろう)
との思いも確かによぎりますが、
それはあくまで「推測」であって、客観的根拠はどこにもありません。
特に、放射能被ばく量と健康被害の関連については、
科学的な裏付けをとるのは極めて困難なのが現状なのです。
強いていえば、
健康への影響がまだよく分からないことだから、
予防的に避ける、という選択肢があり得る訳で、
そうであればやはり、
むやみに汚染地域を走行することを避けることになってしまうはずです。
(そんなことはあまり気にしてない、俺は走るよ、という人もやはりいるのかもしれませんが)。
さらにいえば、です。
「釈迦に説法」かもしれませんが、
震災後、ブルベライダーの皆さんのブログをいろいろ拝読していても、
自らに引きつけてこの放射能汚染について触れているケースがあまりに少ないので、
かえって心配になってしまいました。
決して明るい話ではありませんし、
言っててもどうにもならないから無駄だ、という気持ちも皆無ではないでしょう。
しかし、語らないまま「暗黙知」になっていても、
何の新しい連携も知識も対策も生まれないと思います。
そして、
これは「風評」でもなんでもありません。
風評とは、科学的に確認できる確かな一線があって、
その範囲からはみ出した、客観的事実と不一致な言動を指すのであって、
今回のような、確かな一線がどこにあるのかも分からない
(=例えば、遠隔地の横浜でもストロンチウムが検出されているような現状)場合、
常識的な範囲での予防的な言動というのは風評でもなんでもありません。
このへんをきちんと区別できずに、
「風評被害」「風評被害」と誤解している例が一時散見された
(=特にマスコミにおいて)のが、これまた残念です。
いろいろと語ってきましたが、
今回の放射能汚染をめぐっては、
まだまだ解決の道は遠いと言わざるを得ません。
大自然の中を駆け抜けるブルベというスポーツに関わる我々も、
臆せず、前向きに、思うこと、感じることを日ごろからもっと情報発信して、
予防や対策、そして復興に寄与すべきだと自分は考えます。
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↓
- 2011年(ブルベ初年)戦績表 -
BRM416西東京200km山中湖 【完走】 http://ameblo.jp/markun-jp/entry-10864668917.html
BRM423青葉400km御坂みち 【完走】 http://ameblo.jp/markun-jp/entry-10871409631.html
BRM514青葉600km鳥坂峠 【DNF】 http://ameblo.jp/markun-jp/entry-10891449219.html
BRM528西東京300km富士 【DNF】 http://ameblo.jp/markun-jp/entry-10907110233.html
BRM604(→611)千葉600km茂木 【DNS】 http://ameblo.jp/markun-jp/entry-10915798846.html
PBP2011 【参加せず】 http://ameblo.jp/markun-jp/entry-10989510872.html
BRM1009埼玉400kmアタック三保 【完走】 http://ameblo.jp/markun-jp/entry-11043792454.html