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英語教育あれこれ:「どれ?」「それ!」

phonicsや文字指導を中心に
英語教育について
書いています。
入門期のシラバス
(文法事項の導入順序)
にも興味があります。

 

英語学習者にとっての永遠の課題(?)である関係詞の制限用法と非制限用法。

 

「他にも子供がいるか、いないか?」

  とか

「夫や妻は(一夫多妻制/一妻多夫制でない限り)1人に決まっているだろう!」

ーーなどという解説(?)が定番かと思います。

 

ともすると、

「コンマがなければ、後ろから先行詞を修飾するように訳す。

 コンマがあったら、そこで訳をいったん切ってから、その後の部分を訳す」

という説明(?)で終わりがちなこの2つの用法。

 

個人的には、もっと音声面についての指導がされるべきだと思っています

(というのも、言語はそもそも音声が先であって、音声上の違いをコンマで表記することにしたわけですから)

 

が、それはここでは措いておいてーー

 

生徒が理解できない理由は、そもそも日本語において、表現上、その区別がないからだということが大きいのではないか、と思っています。

(表現上の区別がない、ということであって、その区別を表せないという意味では、もちろんありません。)

 

そこで、昨年度末、中3でこの用法の扱った際、2用法の差異について、日本語と対比してみる

ことにしました。

 

そのときに用いたハンドアウトを下に載せます(なお、元のハンドアウトでは、事実に即した教員名・部活動名としましたが、ここでは改変してあります。また、現物は白黒印刷でした):

 

  【訂正】1-1) 芸術家 → 芸術科

 

 

いかがでしょうか?

 

 

冒頭に書いたように「修飾」という「文法用語」も御多分に洩れず、モンダイのある用語だと

思っています(関係詞の説明の場合に限らず、それ以外の場合でも、です)。

外見からすれば「修飾」ですが、機能からすれば「制限」あるいは「限定」だからです。

かといって、「制限」「限定」なら生徒にわかりやすいか? というとーー

 

個人的には、ハンドアウトの標題に書いたように、「(範囲の)絞り込み」のほうが、まだまし

かな、と思っています。

 

 

これについては、はるか以前に論じたことがあります。

(ここでは「絞り込み」ではなく「限定」を提案していますが…)

よろしければ、こちらもご覧ください。