中学受験 横田増生著
・中学受験に200万円のお金を使う
中学受験のときに習う鶴亀算や旅人算などより、生きた英語を身につけたほうが
よっぽど就職には有利。
200万円を大学まで子供のために貯蓄しておけば、1~2年の留学もできます。
中学受験に関わる家庭は、中学受験というスタートダッシュにこだわるあまり、
大学までを通した全体的な資金計画が抜けおちている場合が少なくない
・人生をマラソンにたとえるなら、中学受験はスタート地点から
10キロも走っていない地点にすぎない。
10キロまで全力疾走すれば、確かにトップに立てるかもしれないが、
その後息切れするリスクは十分にある。
勧めるのは、7割の力で合格できる学校。
小学6年から受験勉強を始めて、合格できるような学校なら、
その後子供が伸びる余地もあるでしょう。
・私立学校と公立学校のいじめに対する対応の一番の違いは、
公立の場合、教育委員会には学校で起こったことを調査する権限がある。
その教育委員会を管轄するのは、文科省である。
しかし、私立の場合、各都道府県がそれぞれに所管している。
東京都の場合、知事部局の下の東京都生活文化局私学部となる。
構造の違いから、私立でいじめが起こった場合は、公立より解決のための
対応が難しい。
公立の場合、悪質ならば教育委員会が学校に入って調査する権限がある。
私学の場合、教育委員会には私学を調査する権限はない。
事実上校長や理事長に権限と責任が集中している為、いじめをもみ消すことも
出来る。
・首都圏の公立中高一貫校の利点として、
高校受験がないこと
教員数にゆとりがあること
受験して高校に進む場合、中学3年の1月から授業はなくなり、
高校にはいっても4~5月はオリエンテーションなど、慣れることに時間がとられる。
ほぼ半年学校の授業が機能しなくなる。
中高一貫校だと、時間のロスはなく、中学3年の時に高校1年につながる
授業の導入部分を行うことができる。
教員数は、通常の学校に比較して、10~20人多い。
主要科目で、1クラス2人先生をつけることも可能。
教育委員会のレベルアップの方策は2つ(2011年から開始)
大手予備校と提携して授業の見直し
教育委員会版の赤本作り
これまで学校で教える場合、全ての項目を均等に教えようとする傾向が強かったが、
予備校の場合、内容に強弱をつけて教えるというのが一番の違い。
受験に出るのはどこか、これまでの出題パターンは、どのように考えると
正解を導きだせるか という点をはっきり教えている。
・勉強や部活などで中心的な役割を果たす出来る子たちは、私立中高一貫校か
都立中高一貫校のいずれかに進むようになった。
今までは、私立に行くお金の余裕がない層の子どもは、地元の区立中学に
来ていたのですが、余裕はないけど勉強ができる生徒たちは、
公立の中高一貫校に行くようになった。
結果ここ数年で、区立中学校は二番手の子どもたちが、
不器用ながらも学校を支えている という感じに変わった。
以前なら学年に2~3人は勉強ができ、素晴らしいリーダーシップを発揮する子どもがいたが、
そのような子どもが都立中高一貫校に行ってしまったので、
優秀な子どもがいなくなった。
学校行事の時も、教員が細かく指示を出す必要がでてきた。
・2006年に開校した区立九段中学では、2006年と2007年に160人が入学したが、
卒業時には140人台と、130人台に減っていて、途中で1割以上が落第した。
進学進路の食い違いから、学校立上げ当初の段階では外部の学校に
進む生徒がいた。
しかし、現在では教職員の熱心な指導の成果や、各種行事、体験学習、
加えて複数担任制などによるきめ細かな生徒指導により、
2008年以降に入ってきた生徒の卒業生数は150人台で落ちつくとみている。
理由には、同校が区立中学であるという特殊事情も絡んでいる。
160人の入学者枠の内、80人を千代田区枠とし、残りを全都枠に分けている。
倍率が異なり、千代田区枠で入った生徒と、全都枠で入った生徒の間の
学力差が大きい。
このまま高校に進学してついていけるのかと不安になった千代田区枠の生徒や
九段の教育では物足りないと感じていた全都枠の生徒の中には、
日比谷高校や西高校などを受験して転向していった生徒もいた。
それも、平成24年に中高一貫校としての最初の大学合格実績がでて以降は、
保護者や生徒の九段中学への評価が固まってきているので、
途中での転校は大幅に減っている。
●トヨタ自動車の豊田理事長(海陽中学)
日本の重要な課題は教育と考えている。
これまでの教育では、受験の為の教育が主体になっている。
物まねや記憶ではなく、自分で考えて自分でつくるという独創性のある人物を
育てていきたい。