働き方の教科書 出口治明著
無敵の50代になるための仕事と人生の基本
・優れた人の伝記を読むと、凡人と偉人の違いは、常に原理原則にのっとって自分の頭で考え、
行動できるか否かにある。
一般に、自分の価値観、思考軸がしっかりしている人ほど、偉大な仕事をしている。
・シャネルの言葉
「私のような学校も出ていない、年取った無知な人でも、まだ道端に咲いている花の名前を
一つぐらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。
その分だけ、人生と世界は単純になっていく。
だからこそ、人生は楽しく、生きることは素晴らしい」
学び、知り、考えることの本質が凝縮された素晴らしい言葉。
一つ学べば一つ賢くなる、だからこそ学ぶことは楽しく、生きることは素晴らしいと言える
人生に対するスタンス。これこそが教養。
学び、知り、考えることは、人間に生きる力を与えます。生きる力を強くします。
学び、知り、考え、原理原則に立ち返ることで、人生はより豊かに、より有意義になる。
・人生は、99%失敗する。
チャレンジすることは尊く、失敗は珍しいものではない。
むしろ成功することのほうが稀なので、めげる必要などまったくない。
子供にはそういうファクトを教えたほうがいい。
日本でもアメリカのように、失敗することが次の飛躍のための経験になるという考え方を教えるべき。
チャレンジするのが怖くなくなるはず。
・教育の本来の目的は、生きるための武器を与えること。
歴史の年号や方程式の解法を記憶することも重要ですが、学校でまず教えるべきは、
人間と人間がつくる社会に対するリアリズムの感覚。
・決断をスムーズに行うには、
-トレードオフを正しく理解し、
-どちらかを選ぶための情報をできるだけ多く集め、
-どちらを選ぶかという決め方を決めておく
ことが大切。
・ライフネット生命の経営理念であるマニュフェストも経営計画も、二人で議論を尽くして作り上げている。
日々の業務は、この経営理念や経営計画を実現するために、
「数字・ファクト・ロジック」を駆使して互いにつめていき、
どちらの考えがより合理的で実効的かを判断するだけのプロセスです。
・部下はみんな変な人間であり、まともで立派でもない、なまけもの。
それでも、彼らを働かせるのが上司の役割。
その為に必要なのは、上司としての考え方をはっきり伝えること。
その上で、何を期待しているか、何をしてほしいのかということを、的確に伝えなければならない。
理想を言えば、伝えたことに共感してもらいたい。
人間は、表面上はわかったふりをしていても、心の中では納得していないかもしれないから。
心の底から共感してもらうには、こちらも腹蔵なく伝えるべき。
まずは、上司である自分と部下の役割を明らかにする。
その上で、一つ一つの仕事を与えるときは、目的と期限を明確に提示する癖をつけるべき。
最初は、事細かく指示を与えるべき。
・愚かな管理者ほど、有限の感覚に乏しい。
時間も無限にあり、部下の能力も鍛えれば無限に伸びると思っています。
40代になったら、有限の感覚を持つべき。
与えられた一定時間の中で、どの幹を押さえ、どの枝を見ないようにするかという訓練を
しなければならない。
それまでの延長線上で仕事をすることは避ける。
今まで自分が得意だと思っていたことでも、褒められてきたことでも、全て忘れるぐらいの
姿勢で仕事をしなければならないのが40代。
組織を任される立場に立ったのだから、知らないという不安を捨てなければよき管理者には
なれない。
個別具体的なことがわからないステージに移ったので、わかろうとする必要がないと思えば
楽になる。
・50代になって心掛けるべきことは、次の世界を担う若い世代に何をバトンタッチするのか
ということを真剣に考えること。
企業を少しでもよくしていく為に、若い世代にどういう仕事をしてもらいたいか、
そのことをよく考えて、伝えていただきたい。
そういう意味では、50代は「遺書」を書く時期になったのだ。
・50代ほど起業に向いた年齢はない。50代は天下無敵。
50代はリスクがほとんどコストに転化されていて、(これくらいのお金を稼げば、ご飯食べれる)
幅広い交友関係があり、
お金の借り方もわかっていて、
それなりに目利きの力もあるから。
起業に大切なのは、「目利き」と「お金」
一方、社会から起業を期待されている20~30代は、まだ何も見えていない年代。
・起業に必要なのは、「強い思い」と「算数」
強い思いとは、一生懸命になれる「自分のやりたいこと」
算数とは、事業計画のこと
事業計画といえば、損益計算書や貸借対照表のことを思い浮かべがちですが、
本当に大切なのはキャッシュフロー表。
ただ、2~3年先のキャッシュフローを固めておけば、当面十分。
厳格である必要はない。細かいところまで詰めてしまうと、計画に縛られてしまうという
弊害が生じる。
考えた通りに進むはずがないので、やりながら考えるという姿勢が大事。
・現在の世界では、どれほどニッチな分野で新しい事業を始めても、既に世の中にあるモノや
サービスの亜流の域を出ないと思います。
そうであれば、真の意味で差別化が図れる要素は、大義や理念のようなものになっていくはず。
真っ当なことをやり、その理念に共感してもらうことが、ビジネスの成功確率を高める。
真っ当なことは、少なくとも今の時代に多くの人から「共感」されることであると言える。
真っ当という言葉は、「大義」と言い換えれる。
時代によって変わってくるが、いつの時代にも共通して言えることは、モノやサービスを
提供する企業が心から納得して、一点の曇りもないほどにそのことを固く信じていることが大事。
・これからの成長分野は、医療・介護、農業、IT、教育、或いはベンチャー企業やNPOで
あることは広く共有されている。
・労働力の配分が大きく歪んでいるのであれば、労働の流動化しかない。
大企業から中小企業へ、
既得権を持っている企業から新興企業へ 労働力を移す。
それには、解雇規制や諸制度を緩和し、労働者が自由に移動できるようにする必要がある。
その際には、仕事のことを何も知らない若者ではなく、経験を積んだ年長者を移すほうがいい。
中高年が新しい分野に移ってチャレンジし、若い人は既存の大企業でビジネスに関する
最小限の教育を受けて社会人としての基礎を養う。
そのほうが社会全体として、人がうまく回る。
・50代が起業する時のヒントは、あちこちに転がっている。
日本の課題から考えを深めることでも、日本が手付かずで放置している方策を
つめることでもアプローチできるはず。
農業が最高の起業の種の一つだと思っている。
農業にとっての最低条件は、豊富な水があること。日本では水に困らない。
減反という愚かな政策が続いたおかげで、農地も余っている。
世界第二位の農業輸出国は、ネーデルランドで、輸出額は9兆円です(日本は5000億円)
日本の国土の10%程度の小さな国で、アメリカに次いで農業で稼いでいる。
日本もやり方次第では、農業で世界二位ぐらいの稼ぎが期待できるはず。
・世界の大きな趨勢と、日本の課題。
これからの日本が目指すべき大きな絵を、自分なりに描いてみる。
どんなビジネスに将来性があるか?
そのビジネスと50代の自分が今までやってきたことをつなぎ合わせれば、
自分独自のユニークな絵が描けるはず。