ウェブとはすなわち現実世界の未来図である /小林弘人著


■おもしろいサービスの紹介
・「ゴーブル・コム」www.gobble.com
 手作りの料理をシェアするサービスを提供。
 近所の料理愛好家に料理を発注し、玄関先まで届けてもらったり、自身で受け取りに行く。

・「マイシェフ」
 プロの料理人をチャーターするサービス。

・コ・ワーキング
 オフィスなどをシェアし、それぞれが別の仕事を行う共働形のワークスタイル。

・「タスクラビット」アメリカの便利屋サイト
 ちょっとしたお手伝いのマッチングサービス。
 ユーザーが「イケアに買い物に行くけど、重い荷物の積み下ろしを手伝って欲しい」と投稿すると、
 「その時間帯だったら、僕なら時給800円で手伝いますよ」という入札する。
 もちろん相手や自分の過去の評価が一覧できるので、信用できそうな相手を選べる。

・「キャンプファイヤー」
 「キックスターター」アメリカ
 何かの目的で寄付や事業資金を集めるクラウドファンディングのサービス提供。

・「ネイバーグッズ」
 自分の近所に住んでいる人たちに「物品の貸し借り」情報を提供。
 電気ドリルが必要になった時に、近所の友達がもっていたら必要な時だけ借りたい。
 そうした時にネイバーグッズで検索すれば、「貸してあげる」という近隣の人を見つけることができる。

・自宅の駐車場のシェアや、通勤時にマイカーの座席をシェアして同乗者を募るもの。

・「あしたのコミュニティーラボ」富士通
 富士通社内から出てきたアイデアを社外とつなげるプラットフォーム。
 「学び」「健康」「地域活性化」など様々なテーマを選び、そのテーマに沿って何ができるかを
 識者らや一般ユーザーが集うイベントを開催しながら検討していく。
 そして、同社で共創パートナーを募り、ゆくゆくはプロジェクト化していく。

●「シー・クリック・フィックス」アメリカの行政
 「自宅の前に不法投棄のゴミがあります」といった身近な問題を地図つきで投稿できる。
 投稿はリスト表示されるので、この問題が全てウェブ上で可視化・共有されていく。
 それを見た住民が、「この公園のベンチが壊れているのは自分達で直そう」と名乗りをあげ解決する。

・国単位のレベルでも、既に欧州ではFacebookページを設け、国民の意見を聞こうとしている
 「オープン・ガバメント」の潮流がある。
 国民の利便を図り、行政サービスを改善すべく各省庁間の連携を電子化によって強めていく。

■キャンプファイヤーなどに対して、金融機関からの融資を受ける方法はこれからも存在する。
 人気があるのは、そのプロジェクトへの「共感」があるから。
 共感者らがパトロンとなった小さなコミュニティ形成と捉えることもできるだろう。
 リアルではニッチすぎて売上が少なすぎるかもしれないが、ウェブを用いたときには、
 そうしたニッチの集積によって、費用対効果としてそれなりに折り合う場所が発見できるかもしれない。

■ピーター・ドラッカーの言うように、「企業の命題は、市場の創出である」としている。
 素晴らしい社員やテクノロジーなどの資源をもっていても、革新的なヒットを生み出すためには、
 「イノベーションのジレンマ」を脱しなくてはならなら。
 「上司説得型マーケティング」をやめて、上司や社長がリスクをとらない限り、
 新しい魅力は自分たちの手元からどこか遠い場所にするりと逃げてしまう。

■ウェブの文化は、「オープン」と「シェア」

■これからの時代に必要とされるのは、アナログなリアル社会とハイテクとのマッシュアップ。
 その為にはネットの中だけではなく、リアル社会でも実際に人と出会うことが重要。
 さらには、様々な人や情報が交差するその中心点にいるということが、何より大切。

■若い学生たちと話をすると、既に今の社会では様々なことが成し遂げられ、ネットにも全て載っていて
 イノベーションの希望がないという声を聞くことがある。
 全く間違っている。
 重要なのは、不完全さを見抜くこと。ネットをハックするのではなく、リアルをハックし、
 その不完全さを埋めることが次代のチャンスになる。
 その為には、リアル社会の課題を解決するために、テクノロジーとネットワークを駆使すべき。
 リアルを活かす。
 それが、人間中心主義における新しいデジタル活用法。

■ガートナー社は、2020年のIoT機器は260億台にのぼり、その市場規模は6000億ドル~1兆3000億ドルに
 なるだろうと予測している。