アイデアの接着剤 水野学著

・客観と主観の自由な行き来が、可能性を広げる。
自分というものですら、横から眺めているような感覚もある。
一旦クライアントの主観でとことん考えたら、ひょいと視点を変える。
すなわち、今度は徹底した客観性をもった思考で、プロジェクトを眺めてみます。

クライアントが主観的に求めているもの=正解とは限りません。
そこにプラスαしなければ、デザインという仕事が不要になるので、客観性の思考でプラスαを考える。

・実践的な客観性を身につけるテクニック
パソコンに向かう仕事を、1日3時間に限定すること。
「考える時間」「作業の時間」「だらだらやっている時間」を、全てパソコンの前で過ごしている為、効率が悪い。

パソコンを使って作業する仕事、企画書作成、レポート作成、資料まとめなどの業務は、3時間で終わらせる。
そして、残りの5時間は3つの作業を行います。
1)パソコンでかたちにする前に、考える時間
 パソコンに向かうときは、頭の中で既にできていることを、形にするだけ。
 その前に、内容・大切な要素などを考えぬいておく。
2)できたものを検証する時間
 主観的に作業した後、客観的に判断する時間。
3)切り替える時間
 客観性と主観性をザッピングして、自在に行き来する。
 これは時として、とても難しいこと。
 だから、「切り替える時間」は必要であり、尊重していいこと。
 散歩に行ったり、寝たりなど。

自分のルールを持つことも重要。

・何かを提案する時のステップ
1)目的を理解すること
2)「目的地にいる人」を意識すること
 目的を理解すれば、そこにいる人 ターゲットも見えてくるので、そのターゲットの心に訴えるものを意識する。
3)「目的地にいる人」を、さらに具体化すること
 ターゲットをより具体化して、正確に内容把握する必要がある。

目的地をきちんと定め、そこから逆算してたどり着くためのわかりやすい地図を描くこと。それがコンセプト。
コンセプトとは、関係者全員が迷わず目的地にたどり着くための地図。
単純でわかりやすい地図がベスト。
コンセプトがはっきりしていれば、どんなアイデアのかけらとかけらを拾い集めて接着すればいいか、その答えも自ずと絞られてくる。
逆に言うと、どんなに締切が迫っていても、ゴールも地図もないまま歩きだすのでは、迷子になってあたり前。

・仕事には「目的」と「大義」がある
様々な仕事で出会う優秀な人、尊敬してやまないすごい人たちは、目的を明確にしています。
すごい人は、どうやらもっと上のレベルで仕事をしているようです。
それは、大義をもって仕事をしているということ。
「この仕事を通じて、世の中に対して何ができるか?」を、じっくり考えてから、仕事をスタートしている。

アップル:Think different
目的は、今までにない商品を作り、それを求めている人に届ける
しかし、アップルにはそれだけではない、「世の中のありとあらゆるクリエイティブなものを底上げする」という大義があるように感じる。

もちろん、目的なしに大義だけ掲げていたのでは成立しません。
ビジネスである以上、お金を含めた目的をもつことは大切です。
しかし、不況になった時、ものがあふれた時、最後まで残る企業はきっと、大義をもっているはず。
また、会社が迷ってしまった時、大義があれば進むべき道がやがてわかってくるはずです。
大義は、言葉を変えれば志です。
だから、目的と大義を意識して仕事がしたい。
目的と大義がイメージとして伝わるような仕事を世に届けたい。
そのことで、世の中をよくする一助となりたい。

・プレゼンする場合、なぜそのデザインがいいのかを、必ず言葉で説明できるように用意しています。
もちろん、「言葉にできないけれど、いい」という感覚は誰にでもあります。
しかし、現在のビジネスでは、多くの人がかかわり、コミュニケートして成り立っています。
関係者全員に理解してもらう必要があります。
論理的に言葉を使って、アイデアのかけらを集めていれば、それが形になり、いつでも誰にでもきちんと説明ができます。
なぜ、この色か、なぜ、この形状か、言語化すればプレゼンも通りやすくなります。
「理解してもらうための工夫」は、世の中に出る前から必要だということ。