ザ・アドテクノロジー 読了

■第三者配信のメリット 115
アトリビューションの概念の広がりとともに、第三者配信は業界のトレンドになってきた。
アトリビューション視点からの第三者配信のメリットは、下記3点。
1.インプレッションも含めてコンバージョンパスデータが取得できる
2.複数のメディアを横断したりリーチとフリークエンシーのデータが取得できる
3.コンバージョンの重複カウント問題が解決できる

ネット広告のアトリビューションという観点では、第三者配信がアクセス解析ツールや広告効果測定ツールよりも優れています。
しかし、サイトの解析をする場合は、アクセス解析ツールのほうが優れています。
用途によって、使い分けが必要。

また最近は、第三者配信とアクセス解析ツールなどを連携することによって、広告配信のインプレッションから広告のクリック、そして広告主サイトへのアクセス後のユーザーの動きを一気通貫でトラッキングできるようになってきています。

また、純広や検索連動型広告など、いわゆる第三者配信ができない広告メニューも、クリックトラッキングやインプレッショントラッキングを行うことで、ネット広告の配信についてはほぼ全て第三者配信でデータを集約することが可能になります。

■DMPによるセグメント別配信の実現
戦略的なメディアプランニングを実施するようになった広告主の中から、さらに高いレベルの要望が出てきました。それは、より細かくセグメントを切ってディスプレイ広告を配信したいというニーズでした。

2012年ごろから注目され始めたDMPは、このようなセグメント別の配信を可能にする技術です。

片方に「データパートナー」があります。ポータルサイト、検索サイト、SNSサイトなどと記載されていますが、これらのサイトでのユーザーの行動履歴データ、及びポイントカードなどでのリアル購買データを、個人を特定できない形で保持しているということです。
もう片方に「企業」とありますが、これは広告主サイトの閲覧、検索履歴やCRMなどの広告主企業側で取得できるデータを指します。
これらのデータを連携させることで、様々なセグメントを切り出すことができます。

また、DSPや第三者配信、メール配信ツール、コンテンツマネジメントシステムと連携させることによって、ユーザーごとの特性やニーズにマッチしたコミュニケーションを実施できるようになります。

このように、個々の広告主企業の自社データと連携したDMPを「プライベートDMP」と呼びます。プライベートDMPを構築することによって、セグメント別、シナリオ別にコミュニケーションを行うことができます。

■DMPと第三者配信の連携
第三者配信でリーチとフリークエンシーのデータ取得ができるようになる重要性について説明しました。
但し、第三者配信だけでは、既存顧客へのリーチなのか、まだ購入履歴のない潜在顧客へのリーチなのかわかりません。
そこで、DMPと第三者配信を連携することで、この区別ができるようになります。
例えば、過去1週間で第三者配信したディスプレイ広告のリーチが100人だったとして、そのうち既存顧客へのリーチが50人、購入履歴のない潜在顧客へのリーチが50人でした。すべての既存顧客がDMPのクッキーで識別できる状態になっていなければ100%わかりませんが、広告主サイトにDMPのタグを設置した後に購入履歴などがあるユーザーであれば識別できるようになります。
その意味では、DMPのタグだけでも早めに設置した方が良い。
既存顧客と潜在顧客の識別ができると、それに合わせたアプローチを実施すると効果があがります。

■広告投資効率の比較
投資回収曲線を加味することで、より精度が高く未来に対するシミュレーションを行うことができる。

横軸にコンバージョン数や売上をとり、横軸に各メディアの投下金額をとって、グラフにすると面白いことが見えてくる。
例えば、ネット上で商品購入などが完了するECサイトなどに多いのですが、投下金額が比較的少ないうちは、テレビCMよりも検索連動型広告のほうが高い投資効率になります。
しかし、ある一定金額を超えると、図のようにテレビCMのほうが高くなってきます。

検索連動型広告は、刈り取り型の広告です。
今そこにある顕在化したニーズを刈り取るには適しており、比較的少額でできます。
しかし、顕在化したニーズをほぼ刈り取ってしまうと、その後は金額を増やすにつれて刈り取り効率が下がってしまいます。
その時点か、さらに売上を伸ばしていく為には、認知が不足しているので、ブランド認知を高めていくことが必要です。
長期的な視点にたって、刈り取り型以外のテレビCMのマス広告やイベント、戦略PR、動画、SNSなどが効率がよい場合あり。
刈り取り効率だけを追求していると、一定の規模以上に売上が伸びないのは確か。



NHKは、2013年9月2日から、Hybridcastの放送を開始し、これはNHKが考えた、放送と通信の融合の形、あるいはスマートテレビの形だと言えます。
例として、料理番組があげられ、テレビやタブレットでレシピ見たりを、料理の材料をショッピングサイトからすぐに購入できたりと、料理番組の楽しみ方が変わります と説明されている。

また、米国ではグレースノート社がテレビCMでターゲティングできるシステムを開発しました。
このシステムは、視聴者が見ている番組を認識し、それに合わせて次に流れるテレビCMを差し替えることができるようです。
つまりターゲティングテレビCMシステムと言える。
米国では、一部のモニターに対して、2013年春からテスト開始し、2014年まで検証を行うとのことです。

遅かれ早かれ、放送と通信の融合が進み、テレビCMのありかたも変わってくると予測される。
おそらくテレビCMも、ターゲティングできるようになる。
その視聴履歴データもDMPに取り込まれていくのだと思われます。
つまり、スマートテレビ、PC、タブレット、スマホなどの視聴履歴や行動履歴のデータが、DMPに取り込まれ、それが様々な形で利用される可能性があります。
広告配信やターゲット分析、効果測定、商品開発などに活用されていくと思われる。