ソーシャルメディアマーケティング(SMM)
オガワカズヒロ

・マーケティングは企業間の戦争である。
 マーケティングの戦場は、消費者の頭の中にある。あるいは、心の中にある。
 心の中の市場シェア、マインドシェアを争って企業は日々ライバルと戦っている。

・マーケティングを実行する上で決めておくべき重要事項。
 1)戦略の採択
 2)指揮官の任用
 3)予算の決定

 マーケティングにはブレない戦略が必要だ。
 しかし、どんなにすばらしい戦略でも、徹底して実行に移していくには強い意志と信念を
 持つ指揮官と、彼に権力(予算)を集中することが必要。
 欧米ではCMOといって、これらの指揮系統を統括して、予算の割当を一任される
 執行役を設けるのが普通だ。
 SMMは広告よりもむしろ広報/PRに近いが、統括的なマーケティングを行っていくには
 CMO的な人事設定が今後不可欠。

・何事でも新しい分野に手をだすことは怖いものだし、実績がまだ少なく、
 効果が実証されつくしていない新たな戦法を採用することを回避しがちなのは当然。
 しかし、実際の戦争において勝敗はほとんど、数に勝るか革新的な武器や戦術を
 採用した側が圧勝している。
 マーケティングが企業間の戦争である以上、率先してSMMを
 採用しなければ、物量面で拮抗する競合他社に先んじられた場合のリスクが、あまりにも大きい。

・企業が観察してもしなくても、把握してもしなくても、
 ソーシャルメディア上で情報は常に消費者の中で往来している。
 それにより、消費者のマインドシェアは揺れ動き変動するかもしれない。
 結果的に競合他社へ消費者のマインドシェアを奪い取られることもあり得る。
 だからこそ、ソーシャルメディアの中で流れる情報を企業がよく観察し、
 それを把握しておくことが、SMMにおけるリスクマネジメントの基本となる。

・SMMを行う目標とは、
 1)ソーシャルメディアへ情報を効率的に流通させること=口コミを生むこと
 2)ソーシャルメディアから自社サイト(店舗)への誘導を最大限に引き出すこと

・SMMの活用モデルは以下の5つ。
 ・販売促進用
 ・イベント/キャンペーン用
 ・CRM用
 ・広報/PR用
 ・マスメディア補完用

 即効性のあるのは、販売促進とCRM。
 イベント/キャンペーンモデルは、ある程度フォロー数を稼いでから実施。
 その上で、広報/PRを考える。 137

・マーケティングゲリラとは、基本的に特定の地域での成長を目指す中小企業や店舗を想定。
 資本力に乏しく、特定の地域に活動が制限される企業にとっての
 SMMは、武器になる。
 メディア活用は縁遠い。 137

・SMMの最大の弱点は、アテンション(注目)を得ること。
 ソーシャルメディアは、ストリームの影響を強くうけている。
 情報はタイムラインを滑り落ちるように流れ、発信された情報の価値は
 発信直後が一番大きく、次の瞬間には陳腐化する。
 その情報にマーケティング的な価値を与えるには、できるだけ多くのユーザーに
 引用してもらうことで大きな口コミへとつなげなくてはならない。

・革命戦では、勝つことが目的。
 (ゲリラ戦の目的は生き残ることで、負けないことであるので、そこが違う。)
 前提条件としては、資金を得たらマスマーケティングをも取り入れることを念頭におく。
 ベンチャー企業や大企業における新規事業部門を指す。
 広告出稿をできるとしても小規模なので、広報戦略を最重要視することが必要。
 お金を使わずにマスメディアを通して消費者から強いアテンションを得る。
 そして得たアテンションを効率的にソーシャルメディアによって伝播する。 142

・革命戦における広報とは、
 広報にあって広告にないものは、信頼性と公正さだ。
 SMMを行うことで、多くのブロガーやSNSユーザーが、受け取ったニュースを自分のメディアに
 書き込み、広げていく。
 革命戦において有効な広報とは、ブロガーやSNSユーザーに取り上げてもらえるような
 情報を提供することだ。口コミの力をいかす。 151

・革命戦においてアテンションを集めるには、ひたすら広報活動に力をいれるしかない。
 広報活動の基本的な戦術としては、下記4つ
 ・本を書く
 ・SNSや自社ブログ以外のマスメディアで記事を書く
 ・セミナーを開く、あるいは出席して講演する
 ・プレスリリースを継続的に出す 154

・ROIについて
 マーケティングが、競合他社と消費者の心のシェアを奪い合う為の争いだとすれば、
 その争いに勝つと同時にROIを最大化することは企業にとって欠かせない命題。
 勝つこと自体が重要な使命だとしても、勝ち方にもこだわらなければならない。
 その勝ち方にあたるのがROI。

・革命戦とROI
 革命戦のSMMは、これから大きな市場に打って出る、成長するための攻撃。
 マス広告の活用もあり得るが、まずはSMMによる即効性の高い販売促進と
 CRMを優先的に使うのが基本。
 イベント・キャンペーンはある程度ソーシャルメディア上でファン・フォロワー数を
 獲得してから積極的に行い、ソーシャルメディア上でアナウンスしたイベントへの
 反応を測定する。
 また、メディア露出やセミナーなどの様々な奇襲戦も考えられる。
 革命戦でのSMMでは、マス広告などのアテンション効果を生むような施策を
 どこかのタイミングで打てることがある。
 その際にはチャンスを逃さないように、アテンション効果が生み出された
 タイミングでSMMによりしっかりとティッピングポイントを作れるようにする。
 
・SMMに役立つ効果測定指標として、
 ・投稿記事数インプレッション数に応じた口コミ発生量
 ・期間中の口コミ推移
 ・競合他社の口コミ
 ・各チャネル(フォーラム、SNS、ブログ、Twitterなど)の口コミ
 ・購買ファネルの中にいる消費者の口コミ
 ・マスメディアの言及状況
 ・ファン数、フォロワー数、フレンド数、そしてそれぞれの増加率
 ・2次的波及効果(フォロワーのフォロワー、ファンのファン)
 ・DL数、アップロード数
 ・リンク数、お気に入り数
 ・コメント数
 ・ソーシャルブックマーク数
 ・PV
 ・ソーシャルメディア経由で獲得した被リンクによる検索エンジンランクの変化
 ・検索数の変化
 ・口コミを含むリンク率
 ・動画、画像、音声を含んだ口コミ率
 ・ソーシャルメディアに参加しているターゲットの人口分布
 ・ソーシャルメディアを通じて獲得した閲覧者の人口分布
 ・参加している消費者の地域分布
 ・投稿数に対する閲覧者の感情の変化
 ・インプレッション数に対する閲覧者の感情の変化
 ・SMM期間中の閲覧者の感情の変化
 ・配布したコンテンツの閲覧時間
 ・ソーシャルメディアを通して訪れた閲覧者がサイトで費やした時間
 ・コンテンツの発見方法
 ・クリック数
 ・ソーシャルメディアから流入したトラフィック数
 ・ビデオ閲覧率
 ・投票率
 ・ソーシャルメディアによって節約できたカスタマーサポート費用
 ・顧客満足度
 ・ソーシャルメディアから得られたフィードバックにより節約できたリサーチ費用
 ・オンライン売上への影響度
 ・マーケットシェアの変化
 ・広告から得られたソーシャルメディアへの影響
 ・ソーシャルメディア上でアナウンスしたイベントへの反応


今扱っているビジネス自体でSNSを活用してプロモーション。
今扱っているビジネスでは、革命戦が必要。