〔読了〕ランチェスター戦略の授業/福永雅文

・ランチェスター戦略は、マーケットシェアのNo,1を目指すための理論と実務体系。
 目的は、マーケットシェアのNo,1。
・ランチェスター戦略では、No,1のことを「2位以下を圧倒するダントツの1位」と定義している。
 ダントツの基準は、
  2社間競争の場合:No,1>2位×3(3倍差)
  それ以外の場合:No,1>2位×√3(1.7倍差)

・弱者の戦略
 ■基本戦略
  差別化戦略:質的優位性を築く為に、他社と違った製品・サービスを他社と違った方法で提供すること。

 ■5大戦法
 1)一点集中主義
  量的優位性を築く為に自社の経営資源を重点配分すること。
  事業、製品、地域、販売チャネル、顧客層などを細分化し重点を定め集中する。
  選択した領域に他社よりも多くの資源を集中投入し、自社の経営資源を重点配分する。
  そして、総合的な戦いは避け、部分的な戦いに集中する。

 2)局地戦
  地域、事業領域など営業範囲を限定すること。

 3)接近戦
  顧客に近づく営業方法。直接販売。
  関節販売であっても、ユーザーや小売店を訪問する川下作戦を行う。
  弱者は、自ら売り切る力を持つことが必要。
  強者はセルイン活動(メーカーが卸・小売に納入すること)が中心でよいが、
  弱者はセルアウト活動(卸・小売から消費者やユーザーに販売すること)が中心でなければいけない。

 4)一騎討ち戦
  競合数の少ない場面を重視する。一社独占の市場や顧客を狙い撃つ。

 5)陽動戦
  ゲリラ。奇襲戦法。ライバルの手の内を探り、自社の手の内を悟られないようにする。
  ライバルがやれない、やりたくないことをやる。

・強者の戦略
 ■基本戦略
  ミート戦略:弱者の差別化を封じ込める同質化戦略。
        後発が原則だが、弱者の差別化を察知し、あらかじめ同質化することもある。

 ■5大戦法
 1)総合主義
  企業の総合力で戦う。事業部門間の相乗効果を狙う。物量戦。
  最大店を地域一番立地につくる。

 2)広域戦
  地域、事業領域などを限定にしないこと。グローバル戦略。全国展開。

 3)遠隔戦
  間接販売。広報・広告で消費者やエンドユーザーの知名度・好感度を高め指名買いを促進させる。
  プル戦略。消費者・エンドユーザーの知名度を高め、好感度を高めること。
  知名度のことを「マインド・シェア」、好感度のことを「ハート・シェア」と呼ぶ。
  「マインド・シェア」「ハート・シェア」は、市場シェアと相関する。

 4)確率戦
  競合数の多い場面を重視する。製品のフルライン化、販売チャネルの重複化。
  多少の共食いは覚悟して弱者の付け入る隙をなくす。

 5)誘導戦
  先手必勝作戦。おびき出し作戦。

・7つのシンボル目標値
 -上限目標値:73.9%
  最終目標は、上限目標値の73.9%。
 -安定目標値:41.7% 首位独走の条件
  シェア競争において、過半数の51%はあまり意味がない。
  3社以上の競争となると、40%を超えた時点でNo,1になることができる。
 -下限目標値:26.1% 強者の下限

 -上位目標値:19.3% 上位(2・3位)の条件。弱者の当面の目標。
 -影響目標値:10.9% 赤字・黒字の分岐点。新製品発売時の当面の目標値「10%足がかり」。
            本格的な競争に入る境目。
 -存在目標値:6.8% 市場に存在が認められる条件。撤退の判断基準。
 -拠点目標値:2.8% 市場参入の条件。これを下回ると参入に失敗したということ。

・プロダクト・ライフサイクル(曲線) PLC
 市場の販売数量をもとに、ライフサイクルがどの段階にあるのかを見極め、戦略をたてることが重要。

 1)導入期
  実績のない異分野では、シェアゼロからのスタートなので、弱者の戦略が基本となる。
  市場を細分化して集中する「一点集中主義」と、「差別化戦略」をとることが重要。
 2)成長期
 3)成熟期
 4)飽和期
 5)減衰期

・消費者の階層区分 イノベーター理論
 1)イノベーター
  冒険心にあふれ、新しい製品・サービスを進んで受け入れる人のこと。
  市場全体の2.5%にあたる。
 2)アーリーアダプター
  流行に敏感で、情報収集を自ら行って判断し、新製品・サービスを比較的早い時期に受け入れる人のこと。
  市場全体の13.5%にあたる。
  「オピニオンリーダー」とも呼ばれる。
 3)アーリーマジョリティ
  比較的慎重な人で、平均的な人よりも早めに新製品・サービスを受け入れる人のこと。
  市場全体の34.0%にあたる。
  「ブリッジピープル」とも呼ばれる。
 4)レイトマジョリティ
  比較的懐疑的な人で、周囲の大多数が新製品・サービスを受け入れている場面を見てから、
  同じ選択をする人。
  市場全体の34.0%にあたる。
  「フォロワーズ」とも呼ばれる。
 5)ラガード
  5階層のうち最も保守的で、流行や世の中の動きに関心が薄い人で、新製品・サービスが
  世の中に広く普及してから購入するか、購入しない。
  市場全体の16.0%にあたる。

 普及率がイノベーターとアーリーアダプターを合わせた16%に達すれば、製品はボリュームゾーンに
 いる追随者に広がっていく。
 すなわち、アーリーアダプターが、新製品・サービスの普及のカギを握る。(普及率16%の理論)

 アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には、容易に越えられない溝(キャズム)が存在する。
 アーリーマジョリティが、普及のカギを握る。(キャズム理論)

・成長期の後発参入
 成長期は参入が相次ぐ。
 この時期は各製品の差がほとんどないので、販売力に勝る業界の強者が「後発強者」になり、
 先発が弱者になるパターンも起こりうる。
 後発強者になるには、物量戦を展開する必要がある。
  先発の後に間髪いれず市場参入できる開発力
  
・成熟期にとる戦略
 伸びが鈍化する成熟期には、「選択と集中」に戦略転換が重要。
 伸びが鈍化してきたら、製品ライン、販売チャネルを見直して、不採算部門はカットする。
 大口需要先、自社がメイン供給元であるAaが、売上・シェアの決めてとなる。
 シェア10%黒字を事業存続の目安にすべき。

・ランチェスター式ABC分析
 需要全体に対する構成比が
 A:構成比累計が70%まで
 B:構成比累計が70~95%まで
 C:構成比累計が95~100%まで

 自社と同業者の顧客内シェアが
 a:自社がNo,1
 b:どこもNo,1でない
 c:他社がNo,1
 d:未取引先

 自社にとって最も重要な顧客は、Aa。
 2番目に重要な顧客は、Ab。Aa候補となるAbも重要。

 重要なAクラス:Aa/Ab/Ba
 普通のBクラス:Ac/Bb/Ca
 重要でないCクラス:Bc/Cb/Cc
 区分して活動量をウェイトづけすべき。
 営業活動は、格に応じた攻略の方針をもち、活動量のウェイトづけをする。

・営業プロセスを標準化して、見える化し、改善点を見つける
 営業プロセスの見える化
 -各プロセスの目的、目標の明確化
 -各プロセスのランクアップ基準の明確化
 -各プロセスのトーク・ツールの標準化
 -件数、回数、間隔を記録
 -受注率、歩留まり率を計測
 -業績だけでなく適正な活動を評価

 標準化した上で、各営業パーソンの個性を発揮させればいい。
 標準化した活動を管理すれば、商談進捗率や受注率なども分析できる。
 「何をすれば、どれぐらい受注できるのか」がわかるし、活動の改善点も見えてくる。
 標準化しないと、営業活動はブラックボックスの中にあるままで、効果的な対策が打ちにくい。
 標準化した営業活動を管理することで、商談進捗率や受注率、活動の改善点がみえてくる。