「次世代リーダー」といえば、どのような人物を連想するであろうか。

 その問いに答えられるだけの普遍性のある解答は存在しないかもしれない。しかし、皆様が漠然と思い浮かべる優秀なリーダーの要件には共通性がある。

実行力、統率力、決断力、問題解決力、説明能力、責任感、尊敬すべき実績、・・・そういった能力要件をある期待レベル以上に兼ね備えた方であれば、誰もがリーダーにふさわしいと認めるのではないだろうか。

 ここで重要なことは、これらの要件のバランスがその組織の置かれた環境や成熟度によって一義ではない点である。同じ組織内でも、創業期と安定期では異なるし、事業形態や規模によっても違う。



【企業のライフステージ】

創業期

成長期:価値創造型リーダー

安定期:問題提起型リーダー

ターンアラウンド:課題解決型リーダー

再成長:ファシリテーター型リーダー



 「これからの企業に求められるリーダー像とはどういうものだろう?」
ある重電機器メーカーの役員からこの質問を受けたときに、私はこうお応えした
「数々の企業をみてきた経験から、次の5つの資質が必要です」と。


資質その1  組織を活性化するファシリテーション力

 リーダー1人で孤軍奮闘するのではなく、様々な能力をもつメンバーの「ツボ」を押さえて適所で活躍させるスキルをもっていることが一つめの資質である。


資質その2  問題解決の「型」を身に付ける

 リーダーは山積する問題にたびたび直面する。限られた時間、資源だけでこの状態を打破しなくてはならない。自らの経験だけでは到底まかなえない分、ある基本の「型」を覚えた上で、チームを率い、まとめて、解決していくことが求められる。これが2つ目の資質である。


資質その3 組織のもつ「強み」を広める伝道師

 リーダーが理解し、次の世代に引き継がなければならないものには、その組織を成長させる「強み」がある。それらはその組織の「らしさ」であり、言い換えれば遺伝子そのものだ。

 例えば、企業の強みには、創業精神や価値観、事業運営の仕組み、人材教育体制、マネジメントの行動原則などが挙げられる。その伝道師たるリーダーは、今現在の組織を維持、成長させるとともに、この強みを失わせない努力を求められる。


資質その4 常に向上することを目指す「大志」

 リーダーを支持する仲間たちは、その「大志」に惹かれる。リーダーがもつ一途な想いが組織に伝わることで、絆としての暗黙の了解ができあがるだろう。組織のミッションやバリューとして表現できるほどなら、共有することがとてもたやすくなる。


資質その5 倫理観の要である「克己心」

 そしてリーダー自身のもつべき最も大切な資質は、自らを律する「克己心」ではなかろうか。


 この5つの資質について、皆様はどうお感じになるであろうか?

 生まれついての“ナチュラルリーダー”もいらっしゃるかもしれないが、多くは、幼少時代から社会人経験に至る後天的な条件や環境によって獲得されるものだ。

 これから紹介する企業事例においては、新世代のリーダー像を考え、その「強み」についても検討していきたい。ぜひ皆様の積極的なご参加とご意見を頂戴できれば幸いである。


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