王道のフレンチ。これがこの店に相応しい言い方であろう。8席のカウンターとオープンキッチン。こんな本当のオープンキッチンで料理するフレンチが他にあるであろうか? 自信がなければ出来ない。あの「かわむら」も大井町の中華、「萬来園」もそうであるが堂々と料理が出来る人はオープンキッチンで勝負する。

 この日は、ロデレール・クリスタルの1993でスタート。これほど美味しいシャンパンを飲んでしまうと最後までシャンパンでよい。シャンパンだけでゆっくりと味わい、料理を待つ。その後は、友人が用意してくれた、ムートン・ロートシルト95、そしてサンテミリオンの雄、セギュールの75と続いた。セギュールの75が状態といい、香りといい、味といいパーフェクトであった。ムートンは完全に霞んでいた。

 中澤さんのガルグイユーは、ミッシャルブラスのそれと少し違う。写真のように盛り付けられていてスープ状で頂く。これが本当に旨い!!!。こんな旨い野菜ならば野菜だけでいただけると言うもんだ。

 「野菜はもぎ取った瞬間から腐っていく。」牛、河豚、マグロなどはつぶした瞬間に食べてもなんにも美味しくない。寝かして最高の状態で食べるのである。よく「とれたて新鮮マグロ」なんて言ってるがあれは大きな間違いである。しかし野菜は違う。「野菜はもぎとった瞬間からアクを持ち出す。そのアクを取る様に、とミッシェル・ブラスから教わった。海の水程の塩分の濃度で野菜を茹でてアクを出す。この作業がブラス流です。中華も油で野菜を通す。あれはアクを油で抜いているんでしょうね。」と中澤氏は教えてくれた。

 この日のメイン料理は、初めて食べる「雷鳥」である。低温でレアーに焼き上げられた雷鳥とバルサミコなどをベースにした濃いソースが絶品である。野生の味を残しながら臭みを感じさせない。これがフレンチである。フレンチの王道である。付け合わせは至って繊細、そして料理は王道でかつ洗練されている。銀座のフレンチNO.1である。素晴らしい。最後のデザートのファンダン・ショコラも当然間違いがなく、美味しかった。

 うーーん今年はフレンチの当たり年だなあ。「ガニュエール」「カンテサンス」「ル・ジャルダン・デ・ザブール」と知り合えた。味わえた。しかし美味しいなあ。
 
 気の合う友人と、ビンテージシャンパン、ボルドーの赤、最高の料理。これ以上の至福の時があるであろうか? 男5人で、王道のフレンチを頂く。最高の誕生プレゼントです。皆さん、本当にありがとうございました。

中澤氏はこうも言った。「味を作れるのは、おいしい味を知っている人。それを知らなければ実現できない。フレンチなんてマニュアルを見れば作れる。しかし同じものを作っても評価なんてされない。それにそれを超えるものもできない。」

彼のガルグイユーは、ミッシェル・ブラスを超えた。

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