■PART 4 FIRED FROM APPLE
やがてアップルをクビになったことは自分の人生最良の出来事だったのだ、
ということが分かってきました。成功者であることの重み、それがビギナーであることの
軽さに代わった。
そして、あらゆる物事に対して前ほど自信も持てなくなった代わりに、自由になれたことで
私はまた一つ、自分の人生で最もクリエイティブな時代の絶頂期に足を踏み出すことが
できたんですね。
それに続く5年のうちに私はNeXTという会社を始め、ピクサーという会社を作り、
素晴らしい女性と恋に落ち、彼女は私の妻になりました。
ピクサーはやがてコンピュータ・アニメーションによる世界初の映画「トイ・ストーリー」を
創り、今では世界で最も成功しているアニメーション・スタジオです。
思いがけない方向に物事が運び、NeXTはアップルが買収し、私はアップルに復帰。
NeXTで開発した技術は現在アップルが進める企業再生努力の中心にあります。
ロレーヌと私は一緒に素晴らしい家庭を築いてきました。
アップルをクビになっていなかったらこうした事は何ひとつ起こらなかった、私にはそう断言
できます。
そりゃひどい味の薬でしたよ。でも患者にはそれが必要なんだろうね。人生には時として
レンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り
投げちゃいけない。
私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その
気持ちがあったからです。
皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。
それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを
占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、
自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。
そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にする
ことなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。
落ち着いてしまっちゃ駄目です。心の問題と一緒でそういうのは見つかるとすぐピンとくる
ものだし、素晴らしい恋愛と同じで年を重ねるごとにどんどんどんどん良くなっていく。
だから探し続けること。落ち着いてしまってはいけない。
■PART 7 STAY HUNGRY, STAY FOOLISH
私が若い頃、"The Whole Earth Catalogue(全地球カタログ)"というとんでもない
出版物があって、同世代の間ではバイブルの一つになっていました。
それはスチュアート・ブランドという男がここからそう遠くないメンローパークで製作した
もので、彼の詩的なタッチが誌面を実に生き生きしたものに仕上げていました。
時代は60年代後半。パソコンやデスクトップ印刷がまだ普及する前の話ですから、媒体は
全てタイプライターとはさみ、ポラロイドカメラで作っていた。
だけど、それはまるでグーグルが出る35年前の時代に遡って出されたグーグルの
ペーパーバック版とも言うべきもので、理想に輝き、使えるツールと偉大な概念が
それこそページの端から溢れ返っている、そんな印刷物でした。
スチュアートと彼のチームはこの”The Whole Earth Catalogue”の発行を何度か
重ね、コースを一通り走り切ってしまうと最終号を出した。それが70年代半ば。
私はちょうど今の君たちと同じ年頃でした。
最終号の背表紙には、まだ朝早い田舎道の写真が1枚ありました。君が冒険の好きな
タイプならヒッチハイクの途上で一度は出会う、そんな田舎道の写真です。写真の下には
こんな言葉が書かれていました。
「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」。
それが断筆する彼らが最後に残した、お別れのメッセージでした。
「Stay hungry, stay foolish.」 それからというもの私は常に自分自身そうありたいと
願い続けてきた。
そして今、卒業して新たな人生に踏み出す君たちに、それを願って止みません。
Stay hungry, stay foolish.
やがてアップルをクビになったことは自分の人生最良の出来事だったのだ、
ということが分かってきました。成功者であることの重み、それがビギナーであることの
軽さに代わった。
そして、あらゆる物事に対して前ほど自信も持てなくなった代わりに、自由になれたことで
私はまた一つ、自分の人生で最もクリエイティブな時代の絶頂期に足を踏み出すことが
できたんですね。
それに続く5年のうちに私はNeXTという会社を始め、ピクサーという会社を作り、
素晴らしい女性と恋に落ち、彼女は私の妻になりました。
ピクサーはやがてコンピュータ・アニメーションによる世界初の映画「トイ・ストーリー」を
創り、今では世界で最も成功しているアニメーション・スタジオです。
思いがけない方向に物事が運び、NeXTはアップルが買収し、私はアップルに復帰。
NeXTで開発した技術は現在アップルが進める企業再生努力の中心にあります。
ロレーヌと私は一緒に素晴らしい家庭を築いてきました。
アップルをクビになっていなかったらこうした事は何ひとつ起こらなかった、私にはそう断言
できます。
そりゃひどい味の薬でしたよ。でも患者にはそれが必要なんだろうね。人生には時として
レンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り
投げちゃいけない。
私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その
気持ちがあったからです。
皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。
それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを
占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、
自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。
そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にする
ことなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。
落ち着いてしまっちゃ駄目です。心の問題と一緒でそういうのは見つかるとすぐピンとくる
ものだし、素晴らしい恋愛と同じで年を重ねるごとにどんどんどんどん良くなっていく。
だから探し続けること。落ち着いてしまってはいけない。
■PART 7 STAY HUNGRY, STAY FOOLISH
私が若い頃、"The Whole Earth Catalogue(全地球カタログ)"というとんでもない
出版物があって、同世代の間ではバイブルの一つになっていました。
それはスチュアート・ブランドという男がここからそう遠くないメンローパークで製作した
もので、彼の詩的なタッチが誌面を実に生き生きしたものに仕上げていました。
時代は60年代後半。パソコンやデスクトップ印刷がまだ普及する前の話ですから、媒体は
全てタイプライターとはさみ、ポラロイドカメラで作っていた。
だけど、それはまるでグーグルが出る35年前の時代に遡って出されたグーグルの
ペーパーバック版とも言うべきもので、理想に輝き、使えるツールと偉大な概念が
それこそページの端から溢れ返っている、そんな印刷物でした。
スチュアートと彼のチームはこの”The Whole Earth Catalogue”の発行を何度か
重ね、コースを一通り走り切ってしまうと最終号を出した。それが70年代半ば。
私はちょうど今の君たちと同じ年頃でした。
最終号の背表紙には、まだ朝早い田舎道の写真が1枚ありました。君が冒険の好きな
タイプならヒッチハイクの途上で一度は出会う、そんな田舎道の写真です。写真の下には
こんな言葉が書かれていました。
「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」。
それが断筆する彼らが最後に残した、お別れのメッセージでした。
「Stay hungry, stay foolish.」 それからというもの私は常に自分自身そうありたいと
願い続けてきた。
そして今、卒業して新たな人生に踏み出す君たちに、それを願って止みません。
Stay hungry, stay foolish.