5月16日、米グーグルは検索結果で表示する画面とリストの刷新を行った。
これは、ウェブサイトや画像、ニュース、地図、動画、書籍情報といった多数存在する情報
カテゴリーを区別することなく、1つの検索結果画面の中にまとめて表示するというものだ。

以前は、画像なら画像検索、ニュースならニュース検索といったように、探す情報に合わせて
検索機能を使い分けねばならなかった。
例えば、下図は2006年9月頃の米グーグルトップページだが、画像を検索する場合には
検索枠上部の「Images(日本語版では『画像』となっている)」を押して、通常のウェブ
検索から画像専用の検索機能に切り替える必要があった。

しかし今回の変更により、ユーザーはこのような操作を行うことなく、検索キーワードに関連
した様々な形式の情報を1回の検索で得ることができる。


今回の刷新を、グーグルは「ユニバーサルサーチ」へ向けた第一歩と位置づけている。
このユニバーサルサーチとは、これまで同社が検索できるように収集・整理してきた
コンテンツの種別間の垣根を取っ払い、リアルタイムに序列付けをして、ユーザーの情報
検索性を高める構想だという。
今後もグーグルは、ユーザーの使い勝手を高めるため、このユニバーサルサーチに
突き進むようだ。

少し前まで、検索エンジン関連業界で「バーティカル(垂直型)検索」という言葉がしきりに
使われたことがある。例えば商品検索なら商品検索専門の検索エンジン、ブログを探すなら
ブログ専門の検索エンジンといったように、あらかじめジャンルを特定した検索エンジンを
用意するという考え方だ。

しかしバーティカル検索の流れを推し進めることは、ほしい情報を見つけやすくするという
検索エンジン本来の役割とは相容れなくなる可能性がある。

例えば少々極論だが、グーグルがネジ情報にやたら特化して、「Google 小ネジ」
「Google いもネジ」「Google タッピングネジ」などといったネジの種類に合わせた検索
機能を用意したとしても、とても便利とは思えない。
「『すりわり付き止めねじ』が欲しいのだけど、これは『Google いもネジ』『Google小ネジ』、
どっちで検索すればいいのだろう」。こうした事態が起こることは明白である。
すると、「Google 小ネジ」「Google いもネジ」「Google タッピングネジ」を統合した検索
サイト「Google ネジ」を用意する方が良いとなるのが自然だ。
それでも、「Google ネジ」の存在を知らない人間にとっては、まず「Google ネジ」に
辿りつくまでがひと苦労であろう。
そして行き着く先は、「検索エンジンの検索エンジンが必要だ」という議論になってしまう。
乱暴な言い方だが、要するに優秀な検索エンジンが1つあれば十分なのである。

その意味で、今回の刷新で明らかになったグーグルの「ユニバーサルサーチ」の構想は、
基本的に検索エンジンが採るべき戦略的方向性として正しいものだと思う。

そもそもグーグル創始者の一人ラリー・ペイジ氏は、理想の検索エンジンを「ユーザーが
抱く真の意図を正確に理解し、正確に答えを返すことができる存在」と形容している。

ウェブサイト、動画、あるいはニュースといった形式に関係なく、入力されるキーワードを
手がかりに、ユーザーの情報ニーズに最も合致したリストが表示されれば、その
「理想の検索エンジン」に近づくものと言えるのかもしれない。
またその際入力されるキーワードが漠然としたものであっても、通用するならなお良いだろう。

http://it.nikkei.co.jp/internet/column/aun_seo.aspx?n=MMIT0j000012062007