12月半ばから行き出した、K鍼灸院には色々な本が置かれていました。様々な東洋医学、鍼灸に関する本があり、その中に「一本鍼」の権威、藤本連風先生の本が何冊か置かれていました。貸し出しもできるということで、2冊ほど借りて読みました。

 

   細かな内容は覚えていないのですが、肩こり、腰痛はもちろんのこと、頭痛などの身体的疾患のみならず、うつなどの精神的疾患、さらには鍼では治せないだろうと一見思われる癌やその他の様々な病気を鍼で治している、ということが書かれていました。まさにゴッドハンド。本や雑誌で掲載されている「ゴッドハンドの鍼灸院・整体院」みたいなものはお金を出して載せてもらってるところもあるとかないとか話を聞きますが、こちらはほんまもんのようです。

   唯一「自分が本当は治りたくない」と思っている人は治せないよ、とありました。うーん、自分のことだろうか?少し考えました。

 

   通っていたK鍼灸院はこの一本鍼の「北辰会」の系譜のようです。ネット検索すると、あちこちに一本鍼の鍼灸院がありました。そしてなんと、藤本連風先生は今もなお現役で治療をされているそうです。奈良方面のようです。少しでも早く治るなら奈良まで通おうか。本気で少し考えました。お金も時間もかかりますが、今の体のしんどさ、つらさから逃れられるのであればある程度お金をつぎ込んでもいい。そう思っていました。

 

   そんな中、年始のある日、Facebookを見ていると、中学の同級生のMさんの投稿で、「今、この本を読んでます」というので載っていたのがなんと、僕がその時読んでいた藤本連風先生の本でした。

 

   Mさんとは5,6年前の同窓会で会い、話をし、Facebookで友達にはなったのですが、その後は特に連絡などは取っていませんでした。さらに言えば、中学生の時には僕は彼女を知りませんでした。僕が生徒会長をやっていたこともあり、彼女の方は僕のことを知ってくれていたようですが。そういう意味では、同窓会でほぼ初対面の状態でした。

 

   心理学者河合隼雄のいう、いわゆる「共時性」なのかどうかよく分かりませんが、ともかくも連風先生の本を通してMさんとあらためて「出逢い」ました。

 

   Mさんは鍼灸師の専門学校に通っていました。東洋医学や鍼灸を勉強していて、しかも一本鍼の本を読んでいる。東洋医学、鍼灸の治療を受けたいと思っている自分にとっては格好の相談相手に思えました。普段連絡も取っていないのに、こんな自分勝手な理由で突然に馴れ馴れしく連絡を取っていいものか少し迷いましたが、やはり「少しでも早く治りたい」という強い思いの方が勝りました。

 

   FacebookのMessengerでMさんに連絡を取り、相談に乗ってくれるという了承を得た上で、今の状況、症状を書いて送りました。その後そのまま、電話で小一時間ほどか、話して相談しました。以前に書いたように、今通っているK鍼灸院に不満を持っていた僕は、どこかいい治療院がないか聞きました。後日、地元にある、Mさんも一時期通っていたK整体院を紹介してもらいました。頭痛解消を専門とする整体院でした。ホームページを見てみると、様々な頭痛を数回の治療で治します、とありました。整体といっても、自律神経を整えるような治療をする整体院のようでした。

 

   藁にもすがりたい僕は、当然のごとくその整体院に行ってみることにしました。

 

   つづく。

久し振りの更新になります。

 

   気力を取り戻した僕は年末年始、元気に過ごしました。年末には、お世話になっている会社の上司の年賀状に「だいぶ元気になってきました。もう少しすれば復職できそうです。」と書きました。実際、あともう少しで会社に行けそうな気がしていました。

 

   年末年始は実家に帰り、旧友達と呑みに行きました。久々の友達、仕事での苦しさ、つらさを相談した友達、休職を伝えている友達、何も伝えていない友達。しかし、辛い時とは違い、おそらくかなりなハイテンションの状態で友人達としゃべり、呑みました。特に何も言われることはありませんでしたが、自分でもはっきり自覚できるほどテンションが高かったと思います。ので、他人からみればなおさらでしょう。ただ、今から思えば、それは昔の、子供や学生だった頃の、まだ社会のしんどさを知らない時に自分に戻ったに過ぎないのだと思うのですが。

 

   このまま元気になっていって、もう少しすると会社にも復職できそうだ、という感覚が当初はあったのですが、元気になっていくにつれ、頭痛が少しずつ強くなっていきました。元気と頭痛が反比例していきます。

 

   最初の頃は、友人達との呑みで少し酒を飲み過ぎ、そのせいかな、なんて思っていましたが、呑まない日を続けても頭痛の強さは弱まらず、むしろ日に日に少しずつ強くなってきているようにすら感じられます。

   

   なぜだか不思議で仕方ありませんでした。「こんなに元気になってきているのに。もう少しなのに」と。頭ではそう考えていても、体の方がうまく反応してくれません。「何故だろう」という思いが日に日に強くなりましたが、原因が分かりません。

 

   頭痛が治らない不安を払拭したい一心で一本鍼のK鍼灸院にせっせと通いました。しかし、最初の2,3回は治療後すぐに効果を実感できていたのですが、その後の治療ではあまり効果を実感することなく日々が過ぎていきました。

 

   K鍼灸院の先生は、お忙しいのもあるのですが、体の状態等に関する説明はほとんどありませんでした。治療前に少し体の状態を確認される程度で、それ以外はほとんど会話をするタイミングがありませんでした。

 

   他の方は分かりませんが、僕自身はしっかり説明を聞きたい、確認をしたい性格です。しつこくて嫌がられるかもしれません。しかし自分の体のことです。今どのような状態で、治療によりどのような反応があってどこまで改善しているのか、今後の見通しは?、あとどのくらいの期間で治りそうか、等々。確認したいことはいっぱいです。

 

   しかし、先生と会話するタイミングがありません。次々に別の患者さんの治療を進められるからです(良心的な料金に据え置くことが出来ている理由です)。その合間になんとか説明してもらう時間を取ってもらいましたが、忙しさがにじみ出ていて、「はい、ささっと聞いて。何が確認したいことあるの」というオーラが雰囲気からにじみ出ていました。

 

   あれこれしつこく質問しましたが、言外には「私の治療についてくればいい」という感じが、また言内には「そういう細かく気にしすぎる性格が、今の頭痛の症状にもつながっています」と言われる始末。自分の体がどんな状態かを確認したいと思うのは普通のことなのではないのでしょうか。。。

 

   そんなことがあり、先生への心証をあまり悪くしても今後治療してもらいづらい、との思いから、説明してもらえないことに対してかなりの不満を持ちつつも、その後先生には状態を尋ねることはやめ、静かに粛々と通い続けました。1月下旬までは。

 

   つづく。

   12月の上旬くらいから、朝は少し早く、7:00頃に起きれるようになってきていました。

   

   12/20の朝、その前の晩は布団に入ってもなかなか眠ることができず、いっそ6:00頃に起き出し、新聞を読んだりしていました。朝、目が覚めても起きる気力もなく、布団の中でマイナスな思考が浮かぶままに目を閉じてウンウンうなって過ごしていた3,4ヶ月前とは雲泥の差です。

 

   そして翌朝。「覚醒」しました。

 

   深くは眠れましたが、3:30頃に目が覚めて、そこから眠れず。しかし頭の中では、今後やってみたいと思うことが次々と浮かんできたのです。5:00頃に起き出して手帳、メモを取り出し、やりたいことを書き出していきました。こころに気力がみなぎっています。うまく説明できないのですが、なんだか遠い昔にあったような、とても懐かしい感覚です。しかしそれは、本来、あって当たり前のもののように思います。

 

   やりたいことがあって、それをする。

 

   自分の中で一体何が起こったのか?ここ1ヶ月を振り返り、要因を探します。

   即座に「これ」というものが思い浮かぶほど、思い当たる節はありません。一応思い当たるのは、前週に元後輩のT君と電話で話をしたこと、そしてもう一つは、一本鍼の鍼灸に行き出したこと、これくらいです。しかし、気力が出て来たこととこの2つの要因の因果関係もあまり感じません。

 

   ただただ、「気力が満ちた」という事実がそこにあるだけです。

 

   そんなわけで、この日は司法書士の勉強も久々に3時間くらいですがやってみましたし、ウォーキングや書棚の片付けなどもやっていました。

 

   夕方にK鍼灸院にも行って治療を受けました。治療後、首を前後に倒してみると、治療前と比べて明らかに首が動きやすくなっているのです。鍼の効果、恐るべし。

 

   夜にはT君から電話がありました。相変わらず苦しく、つらそうな状況が感じられました。心身とも体調が悪く、夜も眠れない状況の中、ロースクールに通い続けています。できるものなら1週間だけでもサポートしに彼の元に行ってやりたい気持ち満々でしたが、気力は満つも、ぎっくり腰後2ヶ月経過のその時の状況では、とても新幹線で2時間以上も座り続けられる状態でなく、とてももどかしい気持ちになりました。

   彼がその週末に鍼灸治療を受けるというので、それが効果があることを祈るばかりでした。

 

   2日後には久々に1日中、外に出歩くということをしました。メガネに付けるタイプのサングラスを探しにあちこちのメガネ屋を回りましたが、なかなかいいものがなく。

   リュックには極力物を入れず、軽くして背負っていたのですが、それでも長時間背負っていたので、午後、夕方となるにつれ、首や肩がだんだんと痛くなり、頭痛の締付け感も強くなってきました。

 

   翌日目覚めると、頭、首、方の症状は悪くなっていました。症状はいつも、目が覚めたときに一番強く感じます。やはり気力が出たからといって、急に無理はいけません。

 

   クリスマスイブも、鍼灸院に通い、年賀状を書くという、ごく平凡な形で過ぎていきました。

 

   つづく。

   12月中旬のある夜、一本の電話がかかってきました。

 

   それは会社の元後輩、T君からでした。

   T君は僕より10歳以上年下で、ほんの1年しか同じ職場で一緒には働きませんでしたが、出身大学が同じということもあり、忙しい中でも楽しく一緒に仕事したことを記憶しています。

 

   数年前に会社を辞め、弁護士を目指してロースクールに入り、頑張っていたようです。

   彼が会社を辞めるタイミングで、会社を辞める旨の電話をもらい、「人生一回きりやから、やりたいことをやるのはええと思う。頑張ってな」と伝えたのを覚えています。

 

   その約3年後に突然電話がかかってきました。

 

   突然どうしたのかと思いましたが、話を聞いてみると、ロースクールには通っているものの、精神的にも身体的にも相当にボロボロのようでした。極限まで来てそうな勢いです。相談の電話でした。

 

   僕自身も精神的に患った経験があるので、そのしんどさは多少理解できます。

 

   とにかく体が一番大事だから、ゆっくり休んで体調を回復させることを強く勧めましたが、あともう少し頑張ればいい成績で卒業ができるし、またいい成績で卒業しないと卒業後にいい法律事務所に入れないし、半年後の5月には司法試験があるから、と、なんとか頑張り続ける様子です。

 

   また、体調が悪い中、一人暮らしをしているようで、実家に戻って実家から通うことを勧めましたが、事情がありそれも難しいとのこと。

 

   身内であれば強引にでも止めたかも知れませんが、いわば他人の人生のことなので、止めるにしてもその責任を負えるわけでもなく。。。

   結局は、ロースクールはとにかく必要最低限のことだけをやって、とにかく体を休めて体調を回復させることを最優先にするように伝え、電話を切りました。

 

   僕は休職中なので、彼の家に行ってあげて1週間だけでもサポートしてあげたいという思いはあったのですが、僕は関西、彼は関東の遠距離なので、ぎっくり腰の後遺症を抱えている状態では、2時間半の新幹線に座り続けることもままなりません。自分の体調を悪化させてしまいかねません。仕方なく、それはあきらめます。

   その当時、僕にできることは電話で会話をしてあげるくらいでした。

 

   それにしても、数ある知り合いがいるであろう中から、1年ほどしか一緒に仕事をしていない仲の僕なんかにヘルプの電話をしてきてくれたことは、なんだかうれしかったです。

   と同時に、なんとか彼を助けてあげたい気持ちを強く持ちました。助けてあげるというのは傲慢ですが、自分のこれまでの知識や経験を活かして、アドバイスとかしてあげれればなあと思っていました。

 

   しかし一方で、電話代をとても気にしている自分がいました。「1時間話したら1200円くらいだしなあ。こっちから電話かけたら結構かかるなあ」なんて思って。ほんとに、せこいですね。器が小さすぎます。

 

   というわけで、彼の様子を気にしながら、メールしたり電話したりしようと思いました。

 

   しかし、この時はまだ、次の展開を予想もしていませんでした。

 

   つづく。

   12月に入り、通院している鍼灸院はおじさんのところ一つとなりました。

   頭痛の方は少しずつ良くなってきているものの、完治はまだまだ先にあるように思えました。

   また、おじさんの鍼灸院は少し遠いところにあり、また1回1万円ということもあって、家から近いところでどこか良い鍼灸院は無いだろうかと思い、4つ目の鍼灸院を探してみました。

 

   おじさんからの助言としては、「鍼灸院に行くなら、脈を診てくれるところがええで」とのこと。

   僕自身も、「漫画ハリ入門」を読んで東洋医学についてほんの少しだけ知識を得ていたので、東洋医学に則って治療をしてくれる鍼灸院がいいな、と思っていました。

 

   その思いで探してみると、東洋医学に基づいた鍼灸院というのは非常に少ないように感じました。

   よくある「鍼灸整骨院」という名前のところは、どうもおまけで名前だけ「鍼灸」がついているか、シールでペタッと貼る置き鍼をする程度のもののように思われ、脈診や舌診を行う、東洋医学がっつりの鍼灸院は、家から気軽に通える範囲では本当に限られました。

   どこかのサイトでは、東洋医学に基づく鍼灸治療を行っているのは鍼灸院全体の3%程度に過ぎないというようなものを目にしたことがあります。

 

   かなりの数を検索しましたが、その中で東洋医学に基づいた鍼灸院を2つ見つけ、あとはホームページの内容や雰囲気、料金、通いやすさを考慮して、K鍼灸院に行ってみようと思いました。

 

   K鍼灸院での治療は、1本鍼、つまり1回の治療で基本的に1ヶ所にのみ鍼を刺す、というもの(検討したもうひとつの鍼灸院も1本鍼でしたが)。

   それまでの鍼灸治療のイメージは体の患部に何本も鍼を刺す、というものでした。

   1本で本当に効くのか、不思議に思うところもありましたが、まあそういう治療もあるんだろうなあということで、早速予約し、もう翌日午前中に行ってきました。

 

   ホームページにも書かれていましたが、問診票の記入が相当な量でした。1時間くらいかけて書きました。いわゆる、現在現れている症状について、から始まり、睡眠や食事の時間、内容など日常生活に関わることから、性格的なことや、尿や便の状態、果ては男性においては精液の状態や射精の頻度など、多岐にわたりました。

 

   東洋医学について多少読んだりしていたので、体の部分ではなく全体を総合的に考える東洋医学系の鍼灸治療においては、そうした問診が必要になることは何となく理解しており、鍼灸の面談をして頂いた女性の若手先生の方から「こんなにたくさん伺うことになるのですが、治療には必要なんです」と恐縮されながらご説明頂きましたが、僕自身はその問診の多さは特には気にならず、むしろそれだけ詳細な問診をして治療をしてもらえることを、むしろありがたいと思いました。

   まあ、問診票記入後の問診で、その女性先生の方から尿や便などについて聞かれ、答える時は、少し恥ずかしくもありましたが。。。

 

   そんなこんなで、問診票の記入と問診を終えた後、少しして、先生が出て来られました。問診票の内容と、問診で女性の先生が確認した内容を聞いて、治療方針を検討されたのだと思います。

   その後、ベッドの上に横になり、脈診や舌診、触診を受けました。

 

   その上で、僕の現在の体の状態について説明頂きました。ただ、どのような説明だったのかはすっかり忘れてしまったのですが。。。

   それでも、現在の僕の症状、頭痛、ぎっくり腰、足の冷え、さらには精神的なうつの症状についても、すぐにとはいかないが少し時間をかければ治すことが出来る、とおっしゃいました。

 

   「鍼灸でうつが治るのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

   しかし、東洋医学では、身体的な状態に加え、精神的というか、気持ちや心の状態(喜怒哀楽等)も含めて体全体を見ることをしている、ということを何となく読みかじっていました。

   ですので、頭痛と腰痛が治ればそれでよく、メンタル的なものが治ることは特段期待していなかったのですが、うつの症状まで治るのであればありがたいなあ、と思いました。

 

   その日は治療は行わず、問診と診察のみで終了しました。トータルで2時間かかりましたが、2日後の実際の治療を楽しみにして帰路につきました。

 

   つづく。