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マーケター・たにくんのブログ

マーケティング小言。

世界的な広告代理店、オグルヴィのホームレス救済広告が話題を呼んでいるようです。

動画はこちら → http://youtu.be/PWJQoHl_LwE

話題になっているのは、

「本当の目的はホームレスのサポートではなく、路上生活者を利用したオグルヴィの企業公告ではないかという
批判の声が多く挙がっている」ことによる。

広告代理店のイメージのために、ホームレスを採用したような印象をうける、のだとか。

私はこの広告や批判の経緯を詳しく知りませんので、軽はずみな事は言えませんが、

広告にホームレスを起用すること自体、批判されるべき行為ではないと思います。

もちろん、ホームレスの方を見下す、卑下するような表現は許されません。

ただ、批判のポイントになっている、「自らのイメージのためにホームレスを起用した」というのは、

むしろ普通の企業活動ではないでしょうか。


広告ってイメージアップとか、認知アップとか、本来そういうものでは無かったでしたっけ。

ホームレスとは違いますが、例えばJT(日本たばこ産業)は、

被災地で前向きに生きる人たちを取り上げた企業広告を展開しています。


JTの広告展開

このJTの広告も批判されるのでしょうか。

もし、「ホームレスを起用」ということに対して批判が生じているなら、

それこそホームレスへの偏見・差別だと思うのですが・・・


この議論はさておき、このオグルヴィのCMでは、

ホームレスがそれぞれの夢をダンボールに掲げ、共感した道行く人が募金をする、

という内容なのですが、こういったホームレス救済のやり方は、

タイトルに書いた、「魚をあげる」タイプの行為だと思います。


何の話か分かりませんね(笑)

これは、貧困国や被災地の支援、といったテーマで用いられる例えですが、

例えば、食べるものが無くて生活に困っている村に対して、

魚を提供する、といういわゆる食糧支援があります。


これは一時的には、食糧難を逃れる重要な支援になります。

ところが、その魚を消費し尽くしてしまうと、また食糧難に陥るのです。


その一方で、魚自体を提供するのではなく、

魚の釣り方を教える、という支援の仕方があります。

魚の釣り方を教えれば、次から魚を自分たちで採れるようになり、

食糧難の解決につながります。


ホームレスの救済、というテーマの場合、

ビッグイシュー基金が有名です。


ビッグイシューは、ホームレスの自立支援を目的として設立されたものです。

http://www.bigissue.jp/ 

ビッグイシューは、登録されたホームレスの販売者が、

「ビッグイシュー」という雑誌を売ることで収入を得ることが出来るものです。

ちなみに日本では、一冊300円で販売し、そのうち160円が販売者の収入になります。

bigissue

(ビッグイシューを販売する人)


私も時間があるときは、販売者の人からビッグイシューを購入し、販売者の方と立ち話をしたりします。

話してみるとなかなか気さくで面白い人も多いものです。

皆さんも見かけたらぜひ。



近年注目を浴びている「プロボノ」もこういった「釣り方を教える」に近い活動だと思います。

プロボノについては、またじっくり書こうと思います。



ビッグイシューの挑戦

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就職活動のやり方が、どんどん変わってきているな~と思います。

ソフトバンク・ヒューマンキャピタルが運営する「就活ライブチャンネル」は、

Ustreamを使って、オンラインで会社説明会に参加することが出来るサービス。

就活


これは就活生、特に地方に居住する就活生にとっては、非常に便利です。

地方の大学に通う学生が東京で就職活動を行うためには、時間、交通費、宿泊費など、

馬鹿にならない費用がかかります。

東京に乗り出したところで、そこに仲間もいないわけですから、

緊張とプレッシャー、エントリーシートの締め切りにも追われ、心が荒むことでしょう。

京都大学など、一部の大学では東京にオフィスを持ち、東京で就職活動を行う学生を

サポートする体制を敷いていますが、やはりごく一部の大学に限られます。


オンラインで会社説明会に参加できれば、東京へ乗り出す回数を減らすことが出来るので、

こうした問題の解決に大きく役立つことでしょう。


もしかすると数年のうちに、このオンライン会社説明会は当たり前のものになるのではないでしょうか。

合同会社説明会は、将来全てオンラインになるかも知れません。


もう一つ、取り上げたいサービスとして、「就活ハウス」があります。

就活2

これは、就職活動の時期だけ、地方の学生が使用できる、一種のシェアハウスです。

単なる安宿ではなく、就活生が集うことで仲間もでき、

就活を円滑に行うためのサポート体制も充実しているようです。


上に挙げた2つのサービスは、就職活動における事例ですが、

これは、私たちビジネスマンの働き方でも同様のことが言えると思います。


一つ目のオンラインの話で言えば、

ビジネスマンの仕事の中には、わざわざ会社でなくとも出来る仕事が、一定あるはずです。

メール、電話や簡単な打ち合わせなら自宅やカフェに居ながらでも可能です。

こういったノマド的な働き方は、本人にとっても時間の有効活用が出来ますし、

こういった働き方が増えれば、必要がないのに電車移動することが減るわけですから、

満員電車の改善にもつながるかも知れません。



二つ目のシェアの話で言えば、シェアするオフィスの形態も増えてきています。

もちろん、オフィスの家賃が安く済むというのもありますし、

違った業種の人間とオフィスをともにすることで、情報交換や、

ビジネス上の新たな出会い、ヒントを得られる可能性もあります。


もちろん、今の就職活動や働き方の全てが変わるわけではありません。

就職活動においても、仕事の仕方についても、一番大事なのは、

直接の対話・コミュニケーションであることは間違いないでしょう。


それでも直接の対話の必要性が薄い仕事については、

やり方が変化していくことは間違いの無い流れだと思います。


青い仏像が印象的なJR東海のCM「いま、ふたたびの奈良へ」シリーズ。

青

正直、何度も見ていると奈良にいきたくなります。

何気なくCMを見ていたのですが、使われている印象的な音楽に「あれ?」と感じました。





CM自体はまさに「和」であり、「日本の伝統」といった雰囲気であるにも関わらず、

日本の音楽じゃないんですね。歌詞も日本語ではありません。

興味を持って調べてみましたが、この曲は、

ロシア人作曲家 ボロディン 作曲のオペラ『 イーゴリ公 』中の『 ダッタン人の踊り 』という曲のようです。

(「ダッタン人の踊り」Youtubeより)


アレンジはされているものの、

ここまで日本文化が題材のCMにマッチするというのは、驚きですね。



CMにおける音楽って、非常に重要です。

何度も何度も耳に入っていると、

音楽を聞いただけでそのCMの商品が思い浮かぶ経験、ありませんか?

商品によっては、やたら文字や言葉で説明するよりも、

インパクトのある音楽のほうが効果が強いのかも知れません。


さて、まったく余談ですが、

この間、テレビをつけたらニュースをやっていました。

見た瞬間に、(文字やニュースの内容を見ることなく)、NHKのニュースだと分かりました。

何で分かったんだろう、と最初は自分でも分からなかったのですが、

あとで「音楽」だと気づきました。

NHKのニュースには、BGMが使われていないのです。

他の放送局のニュースには、必ず音楽が使われています。

NHKのニュースにBGMが使われていない理由。誰か知っている方がいたら教えてください。