KILLING FIELD

当ブログでは オリジナル小説 「KILLING FIELD」 を公開しております。

この小説は私がまだ専門学生だった頃の2003年~2006年に書いた物です。

卒業制作の作品として作ってきましたが、当方の体調不良により卒業制作作品として未完の状態で今まで放置していた物になります。


未完で終わらせていた作品を今年再び加筆して長い年月を経た今、公開する運びとなりました。







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西暦2284年、地球。
人類の長きに渡る争いの末、地球の地上の大部分は汚染され、生き残った僅かな人類は汚染された地を離れ僅かに残された土地で生きながらえていた。
人々はこの荒廃した無法地帯を「KILLING FIELD」と呼んだ。


俺はルーの好意で廃屋を用意され、一時的な住まいとしていた。
天井の隙間から零れる日の光で目が覚め、おもむろに腕時計に目をやる。


G「・・・今日で3日目か・・・そろそろ救助隊が戻ってきてもいいはずなのだが・・・・」


武器を購入しなければ、救出へ向かえるだけの物資は調達出来たのだが、この世界で武器を持たないでフィールドへ出ることは自殺行為だ。


救助へ向かえない思いに焦燥感を募らせていたその時、小屋の戸を強く叩く音が聞こえた。


ルー「ストライダー!いる!?救助隊から連絡があったわ!」


俺は地面から飛び上がり小屋の戸を開けた。


G「状況は!?」


ルー「・・・仲間は3名救出されたわ、でも・・・・・こちらへ移動中に2名が衰弱による死亡、残りの一人は辛うじて助かってるらしいけど、危険な状態らしいわ。」


G「ああ・・・・・ちくしょう!!なんてこった・・・」


ルー「2人の命を救えなくてとても残念だわ・・・・・」


G「・・・・・・」


ルー「救助隊は本日の正午に到着らしいわ・・・・亡くなった仲間のご冥福をお祈りします・・・じゃあ、失礼するわ。」


そう言うと彼女は静かに戸を閉め退出した。
静まり返った小屋の中で俺は一人、自責の念を抱いていた。
あの時、俺が助けを呼びに行かず生存者の治療に専念していれば助けられたのだろうか?
物資をもっと残してやれていたらあいつらは助かったのだろうか・・・・。

もやもやと考え事をし、暫く気力が沸いてこなかったが、後悔してても進まない・・先へ進もうと決心し小屋を出る。


生存者の安否を確認しに、救助隊が来るシティーの医療センターへ向かった。
その日の正午過ぎ、救助隊がセンターへ到着した。
俺は駆け寄り生存者の状態を確認し、声を掛ける。


G「到着したか!!もう大丈夫だぞ!」


生存者「・・・・・すまん・・感謝する・・・」


彼は重症状態でそのまま医療部屋へ搬送されていった。
助かってほしい、俺一人残して逝ってしまわれてはどうしようも無くなってしまう。

その後、救助隊のメンバーの一人と会話をした所、2名は到着まで処置を続けたが持ちこたえられなかったとの事だった。


俺達がキャンプしていた地点は非武装地帯だが、敵勢力の拠点が近隣に存在する為、侵攻してきたと思われ空爆をされたのではないかという事だった。
あそこにキャンプするのは自殺行為だった・・・もっと進んでから安全な場所にキャンプするんだった・・・・。
それから暫くし、治療を終えた仲間が戻ってきた。


ベクター「おいG!・・・マジで今度ばかりはダメかと思ったぜ!! 救助隊の皆さんに感謝だな!!」


奴は嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねながら体を上下にシェイクしている。


G「よかった・・・助かって!仲間2名の死は残念だったけど、お前だけでも助かってよかった・・・救助を呼びに行くのに俺も死にそうになったんだぞ。」


俺が命がけで助けを呼びに行くのは賭けだった。


下手すれば俺のアカウントがお亡くなりになってたかもしれない。
奇跡的に助けられなければ今頃ここに居ないという事を彼に忠告しておく。


G「奇跡が起こったお陰で、俺とお前は生きながらえているんだから、助けて貰ったプレイヤーさんにお礼しとけよ!俺はまだまだ初心者だからお前から教えて貰う事は山のようにある!まあ何とか助かった事だし、今日はこの位で上がる!乙!」


ベクター「勿論お礼はさせてもらうさ!しっかしまじで助かった!うっかりしてたわーwwシビアに考えてキャンプ地点選んだんだけど・・読みが外れた;まーとにかく!初めてのお遣い真に乙でした! んじゃあ俺も落ちるわ!乙カレー!!ノシ」


晴人「・・・・ふう。」


俺はログアウトして思いっきり背伸びをした後、机においてある炭酸の抜けたドリンクを飲み干す。

晴人「うぇまずっ!! 冷蔵庫からもう一本失敬するか!」


仲間と自分の無事を祝う祝杯に相応しくない炭酸の抜けたジュースは・・・・くそマズい。


パソコンを離れて2階の自室から1階のリビングへ駆け下り、冷蔵庫からマッハで炭酸飲料「炭素少年」を取って自室に戻る。


我が霧山家の冷蔵庫の半分はこの炭素少年で占領されており、一家の命の水になっている。

晴人「一本頂きます!」


冷蔵庫に貼ってあるチェックリストの自分の名前欄に、飲んだ事を証明するチェックを入れて自室に戻ろうとした時、ちょうど風呂場から姉が出てきてリビングに入って来た。


澪「ふぅ!さっぱりしたー!・・・あっ晴ちゃーん ちょっとテレビ点けてくれるー?」


下着姿のままリビングに入ってきた姉・・・・家ではいつもだらしのない格好なので目のやり場に非常に困る。
もう少し恥じらいという物を持って貰いたい・・お客さん来たらどうするんだよ。
俺はテレビのスイッチを入れ、自室に戻ろうとしたら姉さんが俺の前に立ちはだかった。


澪「晴人ー! 最近インターネットが開通してから や た ら 自室に篭ってないー?!インターネットは便利だけど、のめり込みすぎるとうつつに戻ってこれなくなるぞー!」


晴人「うん、大丈夫だよ・・・ちゃんとメリハリつけてやってるから・・・・・・・あの、澪ねえ・・・目のやり場に困るんだけど(汗」


澪「なーに恥ずかしがってんのよー!毎日見てるから平気でしょ!!それに小さい頃は一緒にお風呂入ってたんだから、気にならないでしょ!・・・・あ、まさか晴ちゃんネットでエロサイト見・・・」


晴人「いや(汗 見てないよそんなの!! 俺がやってるのはネットゲーム!・・!!お願いだから服を着てよー(汗」


澪「あら、そう^^ それならいいのよ それなら! 服?どうせ女の裸なんていつかは見るんだから 恥ずかしがってちゃダメよ!この姿はとても機能的なの!」


澪ねえは図太い・・・外では女性らしさを出してるけど、家の中ではまるで別人。
澪ねえは冷蔵庫の中から炭素少年を取り出し、テレビの前のソファーにこれまた だらしのない 格好で座ってバラエティー番組を見始めた。


澪「あはは・・・! あ、晴ちゃーん 次お風呂入るー?」


晴人「いや、俺一番最後でいいよー 可憐が先でいい。」


澪「あぁーそうー じゃあ可憐ちゃんに言っておきなよー。」


晴人「分かったー。」


そう言って俺は2階へ上がり、妹の部屋をノックした。


晴人「可憐ー 先に風呂入れよ。」


可憐「はーい あと30分位したら入るねー。」


用件を伝え、俺は自室に戻り改めて炭酸飲料を飲んだ。


晴人「うーん! 旨い!!一仕事終えた後の一杯はタマラン!!」


・・・炭酸飲料を考えた人は天才だと思う。
これはお酒に並んで人類を代表する飲み物だと思う、英知の集結が生み出した素晴らしい飲み物だ!!


・・・・俺が今の生活に至る経緯、それはちょうど3ヶ月前の事だった。
今年2月、我が家にインターネット回線が開通した。
パソコンは以前より家に有ったが、インターネットは開通していなかったので、パソコンを利用する時間は殆ど無かったのだ。


インターネットは非常に便利で調べたい物が即座に出てくる。
高校受験が終わって一安心した俺は瞬く間にパソコンを使う時間が増えた。
そんな中友人の昇が俺の家のネット開通を知って、あるオンラインゲームを勧めてきた。

それが今プレイしているMMOFPS「KILLING FIELD」だ。


今年で運営5周年を迎える国産の基本料金無料のゲームで、世界中のプレイヤーがサーバーに集う。

このゲームには現実世界と同じ概念が存在する。
12時間で朝と夜が訪れ、朝~夕が10時間、夜が2時間ほど有る。
食事の概念や怪我の概念も存在し、食事を摂取しなければ餓死するし、怪我をすれば治療も必要だ。

課金形態はアカウント課金制となっていて、ゲーム内で死亡するとプレイヤーアカウント・アイテム・フレンドリストは消失し、ゲームをプレイするのに新しいアカウントを購入しなければならない。


ゲーム開始時、プレイヤーは3つの勢力の中から一つを選ぶ。

「DUTY」「OLDNY」「FREEDOM」の3勢力の他、この勢力から脱退し、一匹狼の「ロナー」や蛮族「バンディット」としてPKを生業とする者もいる。


俺と昇はOLDNYという勢力に入っており、階級は一般クラス。

ゲームの目的はフィールド上に存在する限られた土地・限られた資源・食料を確保し、各々が所属する国を繁栄させるのが目的だがプレイスタイルはプレイヤーそれぞれ自由だ。
現実世界と同スケールの超広大なフィールドを舞台に様々なプレイスタイルが存在している。

2月からゲームを遊んできて俺が知っているのはここまで。


ベクターこと昇はこのゲームをオープンβの頃からずっと遊んでいる古参で、ゲーム内の事に色々詳しい。
俺がゲームを始めた時、自分の持っている古い装備品を俺に譲ってくれた。
まあ、今回の騒動で武器を奪われてしまったが・・・・思えば武器屋から武器を購入したのは今回が初めてだった。


晴人「・・・・・・・・明日は学校だし、可憐出てきたら風呂に入って寝るか。」


明日の授業の科目を確認し、道具を揃え終わった時、ちょうど可憐が風呂から出てきて部屋のドアをノックもせずに開けた。


可憐「あんちゃーん! 風呂でたよー!」


晴人「ああ、分かった・・・ぁぁ!? ってお前、服着ろよ!」


可憐はやりたい事が有るとたまーーに全裸で風呂から上がる時が有る、澪ねえといい・・・・なぜまともに服を着ないんだ。


晴人「いつも言ってるが、ノックと服は忘れるなよ・・・」


可憐「あ・・・うん わかった。」


挨拶はいいけど、毎回やらないじゃないか・・・・・。
俺はその後風呂で簡単にシャワーを浴びた。

さて明日は学校! 早く寝よう!


2020年5月24日(日) 霧山 晴人

・・・・TO BE CONTINUED