『下町の太陽』

【倍賞 千恵子】さんが、日本レコード大賞新人賞を受賞した同名曲を映画化した、いわゆる「歌謡映画」との事。

本作が二作目となる、若き【山田 洋次】監督がメガホンをとられた作品!

この出会い以降、二人は現在に至るまで、
長きに渡り、、コンビを組む事になります。

名監督【山田 洋次】氏と大女優【倍賞 千恵子】さん、

その、お二人の記念すべき作品です!!

◇ 1963年作品
監督 : 山田 洋次
主演 : 倍賞 千恵子、勝呂 誉、早川
保、待田 京介、藤原 釜足、東野 栄治郎、菅井 きん、左 卜全


〈簡単なあらすじ〉

東京は隅田の下町、
石鹸工場の女工をする町子(倍賞 千恵子)は、
母が他界して、父(藤原 釜足)と祖母と二人の弟と仲良く暮らしていた。

同じ工場で働く恋人の道男(早川 保)は、生真面目で社員登用試験を受ける為に毎日勉強に余念が無い。

ある日、
町子を通勤電車で見ていた、鉄工所で働く若者グループの一人・北 良介(勝呂 誉)が町子に一目惚れしてしまい、、プロポーズしたが、ことごとく断られてしまった。
町子は、この不良の様なグループを毛嫌いしていたが。。

そんな矢先、
健二が友達と万引きをしてしまい警察に補導された事で、恋人の道男に健二と会って話を聞いてあげてくれないか?と頼むが、、
道男は、登用試験の勉強で忙しいと、迷惑そうに断った。

偶然にも、良介は健二と仲が良く、いつも兄弟の様に遊んでいた為、町子は良介に相談すると、健二の事を親身になって話す良介、、

その後、
道男の登用試験の結果から、スレ違い始める二人…
そして、急接近する良介…

恋の行方は…?

………………………
(☀ネタバレしますm(__)m)



舞台は、京成押上線荒川(現・八広)~曳舟辺り、、なので⬆は荒川土手です!
ちょつぴり切なくも希望に溢れた歌声!
倍賞さん、ホントにキレイなハイトーンですね☝

石鹸工場に勤める寺島町子さん


女の幸せとは?
寿退社した友達の新居を訪ねた町子が見た現実…
愛する夫の為に、化粧をして、いつ帰るか分からない夫をひたすら待つ、、そんな事が女の幸せか?と疑問を持ち、悩む町子……

社員登用試験ばかりに集中する真面目な道男は、早くこの暗く汚ない下町から抜け出して郊外の団地に住みたいという野望を持っている。
(※ その下町とは墨田区・葛飾の煙モクモクの工場地帯のことらしい。。)

愛する人のためなら、生活の苦労も厭わないと思っている町子だが、道男のその見下した態度と価値観の違いから次第に心が離れて行く。。
(※「お坊っちゃま」くんなので致し方ないとは思いますが…)


そして、何よりも一途に町子の事だけを愛する純朴な良介に少しずつ傾いて行く。。


弟・健二の事を、暗い子と言う道男と明るい子と言う良介……この台詞に二人の人間性を暗に感じる事が出来ます。。

………………………

町子はとても自立心が高いしっかりした女性。

母が他界して、幼い二人の弟を面倒見てきた為、自然としっかりするのは当たり前だが、、

本作を通じて、、町子さんは何故か?
終始、苦悩に満ちた表情に見える。。
下町と郊外…どちらの生活が幸せなのか?
ジレンマが町子を苦悩させているが。。

彼女は現状維持を選んだ。。


「…下町は煙だらけ、家の中は昼でも暗い、空は霞んでる、でも太陽はその上に照ってるわ!」

町子さんは、下町ならではの、、心の通い合いを大切に生きたかったのですね、、

そして、町子 =『下町の太陽』としてココに残り、光を絶やさない様にと、自分に言い聞かせたのでしょう。。★★

………………………………

山田監督流の景色や建物の写し方等のカメラワークはこの時から既に垣間見れますね👍
町子さんが土手を歩くシーンや、駅から良介に追われるシーンや、警察署に行くシーン等で顕著に見れますが、、なんか情緒があって個人的に好きです。。

そして、
長屋やチンチン電車等の下町風情と沢山の公害を撒き散らしてきた工場が立ち並ぶ町…
ノスタルジーに浸るには宜しい映画です👍

しかし何故か、音楽が仰々しくて、各シーンに対して、明らかに違和感を覚える、、
急にサスペンスな展開にでもなるのかと不安になりました……(苦笑)


⬆【勝呂 誉】さん、迫力のある濃い系のお顔ですね。子供の頃、良くテレビで拝見していましたm(__)m


⬆道男のライバル役【待田 京介】さん、「ヤクザ映画」のイメージが強いですが、、いけすかない・いや~な役、、巧いですね。


⬆でも、も~っと悪い顔【早川 保】さん。。


⬆【東野 栄治郎】さん、、可哀想なお爺ちゃんでした……

いつもの余談⬇

卵が、、輸入の自由化で価格が大暴落していた時代の様で、、子供でも容易に手に入る程、安かったみたいですが、、
健二が父の誕生日に、沢山の卵をプレゼントする所に時代を感じました。。
父親も感激して涙を流す。。
(これは、普段仲の悪い父子というくだりがあっての涙ですが(笑))
それ以上にビックリが、、生卵をチューチュー吸って晩酌するという父。。流石に町子は呆れていたので、、これは父が只の大好物なだけか?
💡💡
卵で思い出すのが『男はつらいよ』の後期の作品で満男(吉岡 秀隆さん)が、朝食の目玉焼きの黄身だけを、、
勢い良く吸い込んで食べているシーンを何度も目にした。。?
あれも不思議な光景だった。。(惑)

最後にも一つ余談⬇
『洲崎パラダイス赤信号』のブログで「鳩の街」の事を書きましたが、、本作で舞台となった「曳舟」は、、「鳩の街」の最寄り駅で、、
劇中で映っている踏切り等は、私が通勤で毎日通っていた場所です。。
その頃は、まだ東武線の駅前側に「資生堂THE GINZA」の倉庫?がありましたが、それも、名残りだったんですね。。。懐かしい。


⬆ ☀現代の『下町の太陽』…?