『流れる』
名女優の豪華競演❗
廃業寸前の芸者置屋、、
男に翻弄され続けた女将とその置屋で生活する女性達の儚くも潔い群像劇。。
何より【成瀬 巳喜男】監督の撮る女優の美しさを堪能出来ます👍
◇ 1956年作品(東宝)
監督 : 成瀬 巳喜男
原作 : 幸田 文
脚本 : 田中 澄江、井手 俊郎
音楽 : 斎藤 一郎
出演 : 山田 五十鈴、田中 絹代、高峰 秀子、杉村 春子、岡田 茉莉子、中北 千枝子、宮口 精二、中谷 昇、賀原 夏子、栗原 すみ子
〈(いつもより)ちょっと詳しいあらすじ〉
隅田川のほとりに位置する、柳橋花街の芸者置屋「つたの家」、、
男に貢ぎ借金まで背負ってしまった女将・つた奴(山田 五十鈴)は、借金返済の為の金策に追われていた。
そこで働く芸者・なみ江が、給与の不払い等で、つた奴の娘・勝代(高峰 秀子)と口論となり、そのまま姿を消してしまった。
間もなく、職業安定所から女中として斡旋されて来た梨花(田中 絹代)が、この「つたの家」で住み込みで働く事になった。
年増の三味線芸者・染香(杉村 春子)は、最近御座敷の指名も激減して、売れっ子の若手芸者・なな子(岡田 茉莉子)に頼る毎日、、
夫と離婚して居候する、つた奴の実妹・米子(中北 千枝子)には幼い娘・不二子が居るが、米子は働く気力もなく、いつもダラダラしている所も、つた奴の悩みの種だった。
父違いで五歳年上の姉・おとよ(賀原 夏子)には、多額の借金をしており、月末近くになると、毎度返済を迫って来るが、、支払いは滞る一方であった。
そんな時、、「つたの家」に、失踪していた、なみ江の伯父(宮口 精二)が怒鳴り込んでは、給与の不払いや売春強要等と因縁をつけて来た。
つた奴が不在だった為、その場は事なきを得たが、、
その後も、三十万円を請求して来る等、執拗に「つたの家」を訪れ脅迫する様になった。。
堪り兼ねた、つた奴は、懇意にする警察官に仲裁に入って貰うと同時に、、
昔馴染みの芸者仲間で今は料亭を経営する、お浜(栗原 すみ子)に相談して、つた奴の元夫であった花山の秘書をするお浜の甥・佐伯(中谷 昇)の伝を頼り、取り急ぎ花山から、現金十万円を工面して貰った。。
果たして、存続の危機に置かれている「つたの家」はどうなってしまうのか………?
‥………………………(★ネタバレしますm(__)m)
『家政婦は見た!』みたいな、家族の秘密を暴かれる訳ではありませんが(笑)、
女中・梨花の視点で、芸者置屋の生活を観察している様な作品。。
元夫の花山から、10万円の援助をして貰い、復縁も望んでいた、つた奴だったが、、
その金は、手切れ金という事が分かり、すっかりアテが無くなり意思消沈………
そして「つたの家」を、お浜に買い取って貰う決意をする。つた奴としては借金を返済して、此処を貸家として、お浜に家賃を払い、心機一転、置屋を続ける気でいたのだが…‥
お浜は、小料理屋に改築する事を考えていて、女中として、兼ねてから丁寧な仕事ぶりを認めていた梨花を女将にしようと企んでいた。
ラスボスお浜さん、恐るべし…
しかし、梨花はつた奴への恩を重んじて、誘いを断り律儀に故郷に帰る決意をする。
梨花が「つたの家」に戻ると、三味線と踊りの稽古が賑やかに始まっていた。
無言で稽古を見つめる梨花。。別れる寂しさを堪えているのか?
隅田川のキラリとした水面の様に、
三味線の軽妙な響きが「つたの家」から、
ゆらゆらと、
流れる。
………………
「事なかれ主義」と言うのか?
形勢が不利となるや、おもてなしでやんわりと丸め込み、解決しようとする様は、この時代のこの世界では当たり前の風潮だったのでしょうか?
そんな振る舞いが、、何処と無く粋にも見えてしまいますが。。(笑)
この作品、
哀切や健気さ等は、女中の梨花のみに背負わせて(笑)、、その他の芸者&家族は何故か?フンワリとした空気感があります、、
つた奴役の【山田 五十鈴】さんが、どこか浮世離れした、全体の空気を作り出している様で面白い。。
旦那と死別した、女中・梨花に「男がいないなんて信じられない!」と、あっけらかんといい放つデリカシーの無さや、自ら、男で失敗している事を反省していないイマドキ娘(?)の様な性格だが、何処か憎めず、放って置けず、逆に愛着が湧いてしまう。。そんな天然系の恵まれた女性だ。。
一方、その娘・勝代の方は………
佐伯と満更でもない様子だが、結局は付き合うやら結婚などの決着には至らず、こちらまで気をモンでしまう。。(笑)
【高峰 秀子】さんは、、誰にも屈しない鼻っ柱の強さを見せ、おっとり・お人好しの母を守ろうとするその姿勢は評価しますが、、もう少し、女性らしさを発揮して貰いたかった……ちょっと損な役回りでしたね。。
そして、、
いつもの「つたの家」と変わらぬまま、幕が引かれるが……その先の其々の人生は前途多難、、劇的に変わりそうな予感がしますね。。
きらびやかに見える花柳界だが、、
普段の質素な生活ぶり等、現実の厳しさを感じつつも、明るく逞しく生きている。
人生なんて、なんとかなるさ❗みたいな、、
気概をほんのり感じさせられる小粋な作品でした。
★★★☆
………………………………………
〈特筆✒〉
⬆【田中 絹代】さんが、注射を嫌がる米子の娘・不二子をあやして慣れた手付きで注射をさせるシーンは、子供なら誰もがその優しさに包まれてみたいと思うだろう。。(笑)
⬆【杉村 春子】さんが、朝っぱらから泥酔状態で女将に絡むシーン。嫌みタラタラ、そこまで言うかなの名演!最後は勝代とのバトルへ移行して泥沼化…‥
⬆【中北 千枝子】さんは、別れた夫に娘の親権を奪われかねないダメっぷり、、
終始ぼけ~っとしていて、だらしない所作はホントにお見事でした👍(笑)
………………………
最後に、
この作品の舞台となった、柳橋付近は、東京の二大花街として隆盛の時代を経て、1960年以降衰退して行ったとの事で、現在は、ほぼ跡形なく遺構も僅かに点在する程度の町となり、ビルやマンションが建ち並んで居ます。。
現在の駅で言うとJRと都営浅草線の「浅草橋駅」が最寄りになると思いますが、、
浅草橋と言えば、人形と玩具や雑貨問屋の町と言うイメージしかなく、花街が存在して居たとは知りませんでした m(__)m
台東・墨田界隈は、やはりディープだなぁ👍
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