月の始めにピンチパンチ | Wind Walker

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ネイティブアメリカンフルート奏者、Mark Akixaの日常と非日常

「ピンチこそチャンス」というフレーズを、特にコロナ以降によく聞くようになりました。

 

日本語ではチャンスを「好機」という意味で捉えていますけど、英語の「chance」は「機会」や「可能性」のことであり、良い時にも悪い時にも使う言葉です。

 

そこで「ピンチ」という言葉も英語で本当に「危機」という意味なのかが気になってきました。だってアメリカにいた頃、一度も会話の中で聞いたことがないですし。

 

日本では危機の際には「大変だ!」と言いますが、大変とは「大きな変事」のことであり、つまり日本人はいつもと違うことが起きることを危機と感じているのではないかと思うのですよ。英語圏の人々はどのような状況を危機と捉えているのかも気になるところ。

 

 

辞書で「pinch」を調べると、なんと「危機」という意味よりも先に「つまむ、つねる、挟む」という意味が出てきました。

 

つままれたり、挟まれたり・・・つまり「逃げ場のない状況に追い詰められること」を彼らは危機と捉えているということなのでしょう。

 

日本語のペンチも「pinch」が由来だそうです。

 

 

ところでイギリスでは月の初めに「pinch, punch, for the first of the month」(月の始めにピンチパンチ)と言いながら軽く相手をつねって軽くパンチする風習があるのだそうです。

 

これは由来を調べてもよくわからず、魔女の弱点である塩をひとつまみして魔女を弱らせてからパンチして追い出すとか、ジョージ・ワシントン大統領が月の初めに先住民に会う時にフルーツパンチに塩をひとつまみ入れたからだとか、どっちにしてもまったく意味がわかりません。

 

語呂がいいだけで初めから大した意味は無かったのではないかとも思いますが。

 

 

ちなみに「危機」という意味でpinchという言葉を使うときは、「in a pinch」や「at a pinch」という表現を使うそうです。

 

実際に聞いたことはないですけど。