『Feathers』 Jeanette Lindstrom, Steve Dobrogosz 2000年
寒くなってくると北欧の音楽を聴きたくなります。
北欧の音楽を求めてさまよっていたところ、ジャケット写真のシンプルさになんとなく惹かれて、珍しくジャケ買いした一枚。
ジャンルとしてはジャズなのですが、最初から最後まで女性ボーカルとピアノのみというシンプル極まりない構成はジャンルの垣根を軽々と飛び越えて、ジャズにそれほど興味がないという人の心にもきっと届くことでしょう。
Jeanette Lindstromさんの表現力に富んだボーカル、そしてそれを決して邪魔することなくサポートするSteve Dobrogoszさんの繊細なピアノ。
このお二人はスウェーデンのアーティストのようですが、やはり北欧独特の透き通った空気感が素晴らしい。
ジャケット写真の純白なイメージと実際のサウンドがまったくブレていないというか、ひょっとしたらジャケ買いで大当たりした初めてのCDかもしれないね(笑)
派手さはありませんが、夜中に一人でじっくり聴きたくなる作品です。
静かな音楽を求めている人には本当におすすめ。
私が知らないだけで、北欧の音楽シーンにはきっとこういう宝物がゴロゴロ埋もれているのだろうなぁ・・・。
特筆すべきは、この作品は録音が非常に、異常に良いのです。
まるでジャズバーでライブ演奏を間近で聴いているような臨場感を感じます。
アマゾンのレビューを見たら音響さんがリファレンスCDとして使ったりもしているみたいですね。
ここ数年新しく曲を作ろうと思うとどうもいろんな音を足していく方向に考えがいきがちだったのですが、ライブ会場などで「フルートだけのCDはないんですか?」と聞かれることも少なくないので、自分のやりたいことと自分が求められていることのギャップが意外と大きいのではないかと感じているこの頃です。
音の多い曲をすでに何曲か作ってしまったのでそれも早く発表したいところではありますが、こういう徹頭徹尾シンプルで静かな作品も確かにいいですね。うん。