夏休み日記(3) | Wind Walker

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ネイティブアメリカンフルート奏者、Mark Akixaの日常と非日常

8月8日は10年前から毎年行っているという平和イベントに参加。以前リングリンクホールで行った際にイネ・セイミさんや生徒たちと参加したことがありましたが、原村の公民館で行われた今年はオープニングでアメイジンググレイスを独奏。

今年は戦後70年ということで、70本のロウソクを参加者が1本ずつ灯します。

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下から順に火を点けたので、その熱で上のロウソクが溶け出すというハプニングもありハラハラしましたが、最後はなんとか70本すべての点灯に成功。

平和とはかくも脆いもの、しかし努力によってなんとか保つことができるもの、ということを体現していたのかもしれません(笑)


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今回の信州は今までで一番ゆっくり滞在したおかげで今まで行ったことがない場所にたくさん行けましたが、その一つが富士見のアルパカ牧場。

モフモフしたアルパカたちと触れ合うことが出来ます。

本来はアンデスの標高4000メートルの高原にいる動物とのことで、1000メートル程度の富士見で、特に暑かった今夏は厳しかったのではないでしょうか。

日陰で休む彼らの姿は、まるで瞑想に耽っているようでした。


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瞑想といえば、以前訪れた瑞雲寺さんで朝4時からの坐禅に参加させていただきました。

本当は信州にいる間は毎朝参加したかったのですが、主宰している副住職の根田泰聖さんが8月5日まで他のお寺にいらっしゃるとのことで、結局3回だけ参加。

実際に体験するまでは、じっと座ってることが何になるの?という疑問がなきにしもあらずでしたが、何も考えない時間を作ることで、かえって新しいアイデアが生まれやすい状況を作ることが出来るのではないかという感想を持ちました。


なぜ朝の4時からやるかというと、夜が明けるこの時間が一番神聖な時間なのだと泰聖さんは熱く語ります。

アリゾナにいた頃、後に長老となるインディアンの男性が同じことを言っていて、夜明けは一番空気が澄んでいるから祈りが遠くまで飛んでいくのに一番良い時間なのだと聞きました。

よくお酒を飲む人から「飲まないなんて人生の半分損してる」と言われても何とも思いませんが、「夜明けに寝ているなんて一日の半分損してる」と言われると、ちょっとソワソワしちゃうのはなぜでしょう。



ところで私が瑞雲寺さんを訪れたこの日、今年初めて境内の蓮の花が咲いたのだそうです。

「きっとマークさんを待っていたのでしょうね」と泰聖さんが仰って、てっきり冗談かと思っていたら「植物にはそういう意思があると思います」と真面目な顔で話すので、なんて素敵なお坊さんなのだろうとちょっと感動しました。

10月10日に山梨の安達原玄仏画美術館で泰聖さんの読経とのコラボをする予定です。

以前リングリンクホールで一度だけ合わせたことがあるのですが、読経(素晴らしい声です)とフルートのお互いの響きの相乗効果に自分たちで驚きました。どうぞお楽しみに。


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蓮といえば、以前に『蓮 Lotus』というDVDを原村と富士見で撮影したことがあるのですが、その撮影地の一つ、井戸尻遺跡の古代蓮を久しぶりに見に行きました。

井戸尻遺跡は縄文時代の遺跡ですが、古代蓮は遺跡から発掘された蓮の実を発芽させたもの。

彼らはどのような意思で2000年以上もの間泥土で眠り、現代に花開いたのでしょうか。


でもそんなことを尋ねたら、逆に蓮に質問されてしまうことでしょう。

「君たちはどんな意思があってそこにいるの?」って。