JAXA
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有田 誠氏(早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻)
とても温和な印象を与える方です。こういった解説には適任でしょう。以前は岡田氏におんぶにだっこ状態でした。(有田氏は岡田氏(東京大学大学院 工学研究科 航空学専攻 修士課程修了)と一緒に開発に携わった中心的な役割を果たしています。ロケット打ち上げ成功時に抱き合って喜んでいた様子から、この二人がいなかったらH3ロケットの打ち上げ自体危うかったと思います。岡田氏とほぼ同世代でしょう。)
①8号機の失敗原因
②6号機の開発状況
とてもわかりやすい。この資料は手作りでしょう。ここまで丁寧な資料はあまり見た事がありません。H2ロケットの開発を多く手がけてきた生粋の技術者なので、H3ロケットは自分の子供のようなものでしょう。
改めて、日本のロケット開発について振りかえる貴重なプレゼンテーションになっています。やはり、現場を知っている人の声は強い。数々の困難を乗り越えてきた人のみ説明の出来る語り口です。とてもプロフェッショナル意識の高さを感じさせます。
実はタービンの振動問題は、解決がとても困難です。実機で実際に打ち上げてみないと判らない事が多いのです。おまけに、日本は開発費がとても少ない。政府の支援も少ない。打ち上げ場も種子島だけです。アメリカのように何機も連続で、あるいは同時に打ち上げるなどいう体制は望み得ないのです。
29:10秒辺りから、8号機の打ち上げ失敗の原因が語られています。衛星搭載アダプタ、特にPSS周辺の構造問題が有力視されているようです。宇宙は真空状態に近い環境です。ロケット用大型真空チャンバーが欲しい所ですが、
能代ロケット実験場の真空燃焼試験棟
↓ (2023年のイプシロンS第2段モータ燃焼試験事故以来使えていません。)
ある意味、地上でのロケット用大型真空チャンバーがない状況で良くこれまでやってきたと思います。ロケット用大型真空チャンバーでの試験が出来れば、地上で検証できる項目なのです。それぐらい、ないない状態での開発です。関係者の努力は日々、血みどろの戦いなのです。
56分辺りで説明が終わります。その後プレス記者の質問は、聞くかきかないかはお任せします。私は素人なので、これ以降の内容は一切見ていません。(=役にも立たない。)
<コスト削減と言いますが。。>
実際は、信頼性の方が重要です。コスト優先は宇宙開発では命取りになりかねません。イーロン・マスク氏はロケットの開発コストを半額に下げた実績がありますが、多くの失敗も数多くしています。ある意味博打的な試みもなんども行っています。スペースXも最後の最後で成功して首の皮一枚で残っての、現在の世界最強ロケット企業になっています。
つまりは、常人には達成不可能なのです。ハードワーク。ハードシンキング。高リスク。(チャレンジャー)とても野心的で、他者から批判されてもめげない強いハートの持ち主でないと務まりません。
日本では、チャレンジャーは嫌われます。ほら吹きと言われます。いい加減変えませんか?夢を追って何が悪いのでしょうか?日々、つまらない仕事ばかりしている人程他者を批判します。(おそらくは嫉妬でしょう。)大新聞記者や国営と言って良いような報道機関の質問者のレベルが低すぎます。聞くに堪えません。
NASAが、頑なに同じ部品の納入(既存品で実績のあるもの)にこだわるのも、信頼性を最重要視しているからです。一つでも違った事をするとロケットの打ち上げは簡単に失敗するものなのです。これは経験則です。机上の空論ではなし得ないのです。
<私達国民ができる事。>
邪魔しない事。面白おかしく取り上げるニュース記事を黙殺する事。黙って耐えるしかありません。金銭的な支援をする事。応援する事。それだけです。知らない事は学ぶべし。知ったかぶりが一番困ります。エンジニアは報われるより、期待を裏切られるような案件の方が多いのです。現場を知る者だけに語る資格があります。
