たまたま、Jetroのセミナーを聞く機会がありました。(昨日。)
お題は、中国に関する事です。Jetro社員の中でもベテラン中のベテランの方のお話です。どんなお話をするのか楽しみにしていました。
+++++++++++++ 少し話しが長くなります。
<Jetroという組織。>
①このクラスの幹部職になると実は現場の事は知らない。(現地に10年以上いても。)
②実際にJetroサイトの情報収集、分析を行っているのは若手社員である。
③こういったセミナーを各地で開いていますが、Jetroは仲人役に徹しています。
④対象は中小企業です。Jetro主催の催し物は中小企業をターゲットにしているという事が判りました。
⑤講演の最後は名刺交換です。中小企業の社長さんに取ってはとても重要なミッションです。
⑥質問コーナーで質問をしたのは私を含め3人だけ。。?えっ。。セミナー聞いて質問無しですか?欧米ではあり得ない光景です。(多くは会社の幹部の方が見えているはずです。)
⑦Jetroのセミナーはどなたでも参加できます。とてもフレンドリーです。
⑧法律的なアドバス。コンサル的なアドバイスを無料でされています。中小企業に取っては神様のような存在です。
詳細は余り触れませんが、、資料はパワーポイントものです。資料の内容はほとんど知っている事ばかり。(大変はJetroサイトに載ってます。事前学習ぐらいはしてあります。)部屋も暖かかので(熱いぐらいでした。)とちゅうからウトウト。。してしまいました。あっしまった。。資料が手元にありません。(職場に置いてきてしまいました。)
<判った事>
①中国でのサプライチェーン(原料~製品までの一貫生産)は魅力である。(一から作るよりは格安で安定した環境が約束されています。新たな販路開拓は困難です。)
②中国は自国製品質が劇的に向上した。よって、化粧品でも一昔は資生堂という日本ブランドで売れたものも、現在ではそれ+付加価値や特価した製品(尖った)の売り方をしないと買ってもらえない。(以前望遠鏡については、ブログで書いています。中国製品は世界でも国際ブランド品の地位を確立しています。)
③中国国内における日本製品の購買意欲が下がっている。②と同じです。中国製品同士で高品質のレベルで競い合っています。出来上がってしまって安パイな日本の大企業さんとは大違いの過当競争が起きています。よほどの覚悟がないと中国投資は失敗する恐れがあります。
④ビックリしたのが、、相変わらず、現地での裁量権が弱い日本企業の脆弱な体制です。本社に伺わないと判りません。では、商談チャンスの逃します。中小企業さんは社長さん自ら参加する事が多く。即決が多い。その意味では中小企業の方にチャンスがあります。昨今では「課題解決型」の企業紹介が多くなり成功する事例が多いようです。
⑤今時の若者は3Kが大嫌い。
ロボット化が益々加速されているようです。(実際は韓国が世界一とか。。)日本は上位から滑り落ちています。(相変わらず人力。。限界超えています。)
<中国の自国生産方針>
勉強になったのは、中国が法律を固めて、多くの製造業の製品を自国製の物を使うように方針転換したという話です。即ち、中国に進出した海外メーカーは自社の部品が納入できません。現地調達を強要されます。果たして、それが自社の利益に繋がるか?よ~く検討する必要があります。
↓
↓
昨今、中国では外資系が排除される傾向が強い。上記の東洋経済の記事はとても為になります。日本国政府が、この件に関して本気で取り組んでいるとは到底思えません。質問した事は山ほどありましたが。。ぐっと我慢して一点だけにしました。
<ドイツVWの中国投資。>
①ドイツVWの中国投資は今に始まった事ではありません。
継続的に中国に投資してます。
↓ 記事は2018年のもの。
②VWは中国に工場を作って投資して、多くの技術を中国に吸収されています。そのノウハウは、中国のEV車の車体構造や、足回り、といった部分的な所だけでなく、デザイン、車の設計の基本をVWから学んでいます。現在の中国EV車が良くなったのもVWのおかげでしょう。
<私の質問。>
今回は、技術を盗まれてまでVWが投資する理由は何か?という質問をしました。ドイツ経済は行き詰まっており、現在でもルフトハンザ航空のストライキ、その後における公共交通機関のストライキなど、労働者の不満はたまっているのが現状です。ドイツ人は安くて80点が付けば東南アジア(中国・韓国)の車を積極的に購買します。基準は金額です。ヨーロパ圏は既に、中国市場に取られたといって良いでしょう。そういう懐事情もあるのかな?と思っての質問でしたが、、残念ながらドイツの現状には詳しく無いという事で質問に対する回答ははぐらかされました。残念。という訳でで、、ドイツの現状をサクッと見てみます。
<ドイツの現状その1 自動車産業>
ドイツ本国はVWに対して注意は行っていますが。。
ロイター
↓
ロイター
↓ 実際は、、
WSJ
↓ずぶずぶの関係です。
東洋経済
↓
目的は、中国のAI技術です。自動運転については、中国が世界で一番進んでいます。(何せ人権無視の国です。)自由な実験が出来ます。ある意味自動車会社に取っては理想郷でしょう。昨今では、VWのEV車も中国では著しくシェアを落としています。(中国EV車一強時代です。)つまり、、これは、VWが中国に支援するのではなく、中国の先端AI技術をVWが導入するという事を意味します。その車をドイツに逆輸入して市場を拡大する(中国と一緒になって)事が目的でしょう。
↓ なんでもありでしょう。
東洋経済
↓
ずばり、この記事がその事を物語っています。
+++++++++++++ 抜粋します。
VW中国法人によれば、小鵬汽車は自動運転補助システムと音声識別能力が業界内で抜きんでている一方、VWはエンジニアリング、品質、製造面が強く、双方の提携は「強強連合」になるという。
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ドイツがエンジニアリング、品質管理をするとなると「SAP」導入は必至です。エンジニアリング手法。昨今流行のプロセスマイニングも含め多くのエンジニアリング手法が中国に渡る事になります。。この事を心配しての、Jetroの上海の所長さんへの質問だったのですが。。ご理解されなかったようです。
資源から製造は中国はお手の物です。車の設計ノウハウ。エンジニアリング手法を習得した後は、ドイツは用済みになります。長期的投資としてはいかがなものか?という観点からの質問でした。(短期的には潤うでしょう。=それぐらい現在のドイツは追い込まれている?)いずれ中国に「SAP」と同じようなコンサル会社が出来上がるでしょう。(事実、中国人の技術者は多く、彼らがいないとSAPも仕事を回せません。)
日経
↓
既に、ドイツ本国へ参入が始まっています。
中国の競争は日本のその比ではありません。
東洋経済
↓
新興EVがどんどん淘汰されています。日本のようなゆる~い環境では想像も付かないでしょう。(中国ではブラックが当たり前。先進国でのホワイト化も相まって、中国の競争力は以前より断然強化されています。)
どうやら、VWだけではないようです。
Xtech
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Audiもその流れに乗っています。(VWグループ配下の企業です。)
一方で、BMW
Jetro
↓
東欧を拠点として、IT部門を強化しようとしています。東欧の方がドイツからも距離的に近い。文化的にも近い。ドイツの車産業も一枚岩では無いようです。EVに舵を切ってエンジンを捨てようとした段階で、ドイツの産業界にも誤算があったのかもしれません。
<ドイツの現状その2 経済編>
ブルームバーグ
↓
実は、経済指標の訂正が行われいます。予想以上にドイツの経済状況は悪化しているようです。(産業の空洞化。製造業は2割越えと言われています。。それも自動車産業が多い。組合員がトップ(社長)をクビに出来るお国柄です。)この状況は深刻でしょう。EV化の負の遺産がドイツ経済に重くのしかかっています。(エネルギー問題も然り。)
ロイタ
↓
産業の空洞化は深刻な社会問題を引き起こします。
製造業 20%越え
サービス業 70%
高度な技術が海外に流出して国内がスカスカになります。(かつ移民の国です。技術の伝承が出来るとも思えない。)メルケル政権下では軍事費を最低限にして、正面装備が不足する事態になっても経済編重主義を貫き通しました。(ロシアとは蜜月協定。エネルギーロシア全面依存)ここに来ての軍事費増額はボディーブローの用に効いてきています。
従って、海外投資を控えていると言っています。その中でのVWの中国への大型投資の意味はよーく考える必要があると思います。VW大丈夫でしょうか?
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外務省
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https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_shinchaku190224.html
ブルームバーグ
↓
↓
ドイツのショルツ政権、支持率低迷 ウクライナ支援に影響も - 日本経済新聞 (nikkei.com)
ショルツ政権も厳しい状況です。EUにおけるドイツの発言力は落ちたと考えます。(フランスも。。)
↓
なかなか厳しい記事の内容になっています。日本ではドイツにGDPで抜かれたとか騒いでいますが。。実態は違うと考えます。
↓ なんとまあ。。開いた口が塞がりません。
VW
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BMW
↓
ポルシェ
↓
メルセデス・ベンツ
↓
株価見てびっくり。。ここまで悲惨だとは、、なりふり構わない訳です。。日本人はVWが好きですが。。VWにとっては良いお客さんでしょう。いや~厳しいな。。生き残れるのかな。。?(強みが無くなってしまっています。EV車に完全に舵を切るのは諸刃の剣でしょう。)
VW グループ
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ヨーロッパで最大シェアを誇る自動車製造企業です。
アウディ、ベントレー、ブガッティ、Jetta、Cupra、ランボルギーニ、RUF、ポルシェ、セアト、シュコダ、フォルクスワーゲン そうそうたる面々です。
※:アベーマブログは文字数制限があります。(半角英数字で60,000文字)今回はギリギリです。