理化学研究所。

  ↓ 2024年2月28日

 

++++++++ 抜粋します。

組織をモジュール化して体外で再構築
-ヒト細胞由来の血液脳関門モデルで創薬に貢献-

 

血中の薬剤を脳内移行させる機構を再現した血液脳関門(BBB)モジュールと、脳腫瘍モジュールを組み合わせたモデルを構築したところ、血液脳関門を透過して脳腫瘍に作用する薬剤のスクリーニングに使えることが実証できました。

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薬効を確認するための動物実験代わりになります。(近年動物実験も難しくなってきています。)

 

<用語について。>

+++++++++++++ 貼り付けます。

1.薬剤スクリーニング
薬の候補物質について、それぞれの効果や副作用を確認し、有望なものを絞り込むこと。
2.動物代替モデル
マウスなどの実験動物の代わりに、生命科学研究や非臨床研究に利用できる実験モデル。
3.臓器チップ、流体チップ
臓器チップは、複数の細胞種を入れ込み、臓器機能を模倣したチップ。臓器チップには、手に持てる程度の樹脂やガラス基盤に流路を形成し、流体制御を行うデバイス(流体チップ)を基盤として用いる。
4.血液脳関門(BBB)、アストロサイト、ペリサイト
血液脳関門は、脳と血管との間の物質の行き来を制限する、脳周囲の血管(脳血管)が持つ関門。アストロサイトは中枢神経系に存在するグリア細胞。ペリサイトは血管の外側を覆う細胞。BBBはBlood Brain Barrierの略。

5.オルガノイド培養技術
ES細胞やiPS細胞、組織幹細胞などの幹細胞を特定の組織の細胞に分化させ、体外でミニ臓器を作製する技術。

6.マトリゲル
コーニング社(Corning Incorporated)販売の細胞外マトリックス。
7.タイトジャンクション
細胞間結合の一種。隣接する細胞が隙間無く結合し、物質が通り抜けるのを防ぐ。
8.トランスポーター、PGP、GLUT1
体内の物質の組織分布や異物の排せつにおいて重要な役割を果たすタンパク質をトランスポーターと呼ぶ。代表的なトランスポーターとしてPGP(P糖タンパク質)、GLUT1(グルコーストランスポーター1)などがあり、いずれも脳への薬物移行を制限している。
9.ビンクリスチン
微小管の重合反応を阻害することで細胞分裂を抑制する抗がん剤。白血病治療などに用いられるが、血液脳関門により脳内移行は妨げられる。

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今回の成果は「オルガノイド培養技術」を使って血液脳関門を透過して、脳腫瘍に作用する薬剤の実現手法を実証した事にあります。

 

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判りやすい解説です。

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近年は国内の大学でも盛んに研究が進められています。基本は幹細胞技術です。

 

<日本の大学におけるオルガノイドの研究。>

【東京大学】

  ↓

 

+++++++++ 抜粋します。

肝臓オルガノイドは他の臓器オルガノイドと同様に、従来モデルよりも高い生理機能を示すことが予想されます。特にヒトにおける肝臓の代謝機能はマウスやラットといった実験動物とは異なる点が様々報告されており、ヒト肝臓オルガノイドを用いることで、これまでには解明できなかったヒト固有の肝生理機能の解明に繋がることが考えられます。

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【東京医科歯科大学】

  ↓

 

++++++++++++ 貼り付けます。

そこで研究グループでは粘膜上皮再生の起点となる腸上皮幹細胞を含むオルガノイド (=ミニ臓器) ※2を潰瘍性大腸炎の患者さん自身から採取した少量の組織から樹立し、大量のオルガノイドに増やした上で内視鏡を使って移植する技術を開発しました。同技術を使い、潰瘍性大腸炎の患者さんの難治性潰瘍に対し自家腸上皮オルガノイドを移植する臨床研究を開始しました。

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○患者さんご自身の細胞をオルガノイド培養して、再度患者さんへ移植しています。

 

【慶応義塾大学】

  ↓

 

+++++++++ 抜粋します。

本研究グループは、従来のオルガノイド培養技術に改変を加えることで正常大腸オルガノイドの短期間での大量培養を実現し、患者由来大腸がんオルガノイドの大規模薬剤スクリーニングに正常組織を組み込むことに成功しました。この創薬プラットフォームを用いることで、個々のがんに効果を示す抗がん剤だけでなく、正常組織に対する副作用が少なく、がんに対して特異的に効果を示すような薬剤を探索することが可能になりました。

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○創薬に役立てた例です。

 

実用化までもう一歩の所まで来ています。

 

幹細胞と言えば。。この方を忘れてはいけません。(第一人者でした。。残念ながらSTAP細胞騒動に巻き込まれて。。悔やまれます。)

 

2011年

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発生・再生科学総合研究センター 器官発生研究グループ グループディレクター 笹井 芳樹(ささい よしき)氏の功績はとても大きかったと思います。

 

羊土社

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その意思は、受け継がれ多くの研究者が育っています。

 

  ↓

   

培養肉もオルガノイド培養技術が使われています。

 

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  ↓

 

近年では、脳オルガノイドについても論議されているようです。万能細胞であるES細胞からあらゆる臓器を作り出す事が可能でしょう。

 

 ↓

 

2020年

  ↓

 

どこまで許されるか。。早急な法整備が必要でしょう。ES細胞、IPS細胞による再生医療は難病に対して行われる事が多い。

 

日経

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安部首相の時代に再生医療は大幅に改革されました。ご自身の難病の事もあり、再生医療についても力を入れていました。その意味では現在の取り組みは後退していると言っても良いと思います。

 

再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則

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平成26年(2014年)施行の法律です。近年では再生医療に対しの厚生労働省の考え方が変わったのか、ミューズ細胞への対応が記憶に新しいです。

 

東北大学

  ↓ 2023年10月10日

 

  ↓ 2023年12月27日

 

昨年12月に三菱ケミカルからようやく、出澤教授の元に返還されました。(三菱ケミカルが、使用権を所有したまま一方的に開発を中止していました。この辺りの裏には厚生労働省の闇がありそうですが。。以前ブログで触れています。)

 

再生医療.net

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一方で中国では。。

  ↓ 2023年11月10日

 

この分野中国が先行しています。再生医療についての実験は中国では盛んに行われています。(法的な縛りが無い。)