大手テレビ局、大手新聞会社が不勉強な状況で、不確実な情報を流しているような気がするので、再度取り上げます。(前回で終わらせるつもりでしたが。。履歴は残したい。)国土交通省さんも、情報開示の仕方がおかしい。youtuberさん達も、静かになりつつあるので、多くの人の関心事から忘れ去られようとしています。多分これが最後かな。。

 

<過去の事案から学ぶ。管制官とパイロット。>

2011年の重大インシデント例。(探せば山のように出来ます。)

  ↓

 

この場合は、アメリカの航空管制と日本の航空管制との違いが出ていますが、英語の内容が異なる意味になる事を説明しています。

 

この場合は、用語の相互認識の乖離が問題で、12:17の動画にもあるように、滑走路への侵入についての用語が、コロコロ変わっている事が問題でしょう。英語でもちょっとした表現で勘違いが普通に発生します。羽田における海保機の誤進入(恐らく)を強く攻める人もいますが、攻められるものでもありません。(管制用語がコロコロ変わるのは好ましくないと考えます。)

 

「管制官とパイロットの交信に認識の乖離は常に存在します。」ここで重要なのは、管制官とパイロットが、口論している事です。→重要です。(日本では暗黙の了解が常に存在します。XXXだろう。XXXと配慮してくれるだろ。=安全においては命取りです。繰り返します。復唱・確認が最後の砦です。違和感を持つ事はとても重要です。)

 

暗黙の了解など、管制官とパイロットの間に存在してはいけません。確認・復唱はどれだけでも繰り返す必要があります。おかしいと思ったらハッキリと主張すべきです。そうすれば、何が問題であったか理解出来るし、事故に至る前に回避可能です。

 

①国土交通省は、管制官と機長との更新記録は英語で開示すべきでした。日本語に訳すのはダメです。航空管制は基本英語です。日本語に訳しては全く意味が無い。これは理解出来てますか?国土交通省さん。(日本人の英語能力を馬鹿にしていませんか?)

 

上記の例は、ほんの一例です。日本上空ではこういったゴーアラウンドが毎日行われています。高い認識能力と、瞬時で異なる情報を処理能力を有するパイロットと管制官がセットで初めて、空の安全が確保されます。(=ベテランの経験則が重要です。日常において違和感を感じる能力は飛行経験が多いパイロットや管制官程多く持っています。)

 

<今回の報道で、理解出来ない事。>

①海保機のパイロットの実名報道。何故ですか?本来必要が無いはず。(少なくとも事故調査委員会の結果を待ってからにすべきでしょう。)元日から、休みなしで公僕として、懸命に被災者の為に仕事をしていた方々を叱責できますか?死者に鞭を打つような報道の仕方に疑問を感じます。(当日は、多数のヘリコプターが能登半島に集中しています。ヘリコプターは不安定な乗り物です。墜落の危険と常に隣り合わせです。皆さん命がけで仕事されています。)命令する人は安全な所で楽しています。命令が出れば、命がけで現場は仕事してます。上司の方々大丈夫ですか?人ごとですか?部下の命など無視ですか?組織のトップ全員に「喝!!」緩みすぎです。

 

②何故、警視庁が捜査しますか?その能力ありますか?

  ↓ この案件で誰かに責任を取らせたいですか?何が目的ですか?

 

責任を問うのが、事故調査委員会では無いはずです。事故が起きた原因を突き止め、今後二度と起きないような方策を立案し、提案する事が仕事ではありませんか?「業務上過失致死罪」って意味が判りません。個人の責任にして、問題の本質を避けていませんか?(警視庁にその能力が無いから、事故調査委員会が存在するのでは?)そもそも警視庁に裁く権利(訴追する能力)があるのか?素人目線から見ても疑問です。(日本あるあるで、誰かに責任を取らせたいのでしょう。)

 

運輸安全委員会。

  ↓

 

毎日どこかの空港でヒヤリハットが起きています。最後は、パイロットの視認に頼るしかないのが現状です。(機長の判断が重要。)

 

関西国際空港

 ↓

https://www.mlit.go.jp/jtsb/bunseki-kankoubutu/jtsbdigests/jtsbdigests_No18/No18_pdf/jtsbdi-No18_03-3.pdf

 

ANA

  ↓

 

 

JAL

 ↓

https://www.jal.com/ja/flight/trouble/2007.html

 

 

+++++++++++++ 貼り付けます。

502便の管制指示違反

概要

2008年2月16日、日本航空502便(新千歳空港発/羽田空港行き)は、管制より「直ちに離陸をしなくてはならないことを予期すること。」との指示に対して適切な復唱を行わず離陸許可が出されたものと認識して離陸滑走を開始しました。その直後、管制より離陸中止を指示され、離陸を中止しました。スポットに引き返した後、当該便は離陸許可を受けずに離陸滑走を開始したこと、およびその時点ではまだ着陸機が滑走路上にいたことを知らされました。なお、お客さまおよび乗員に怪我はございませんでした。本件は国土交通省により「重大インシデント」に認定されました。

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※:管制指示違反

 

+++++++++++++ 貼り付けます。

1280便の滑走路進入について

概要

2008年3月4日、日本航空1280便(小松空港発羽田空港行き)は、管制より滑走路手前で停止する指示を受けこれを復唱しましたが、誘導路近くは夜間で暗く遠方から停止位置標識を確認しにくい状況の中、これを越えて滑走路に進入しました。当該便は直ちに管制に状況を報告するとともに、進入機のライトを視認していたので、管制に進入機の着陸復行を依頼。進入機の着陸復行後、当該便は、管制の指示に従って離陸しました。

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誤進入 事案です。 大なり小なり、飛行場では常に起きています。

 

※:ここでも日本語表記です。実際の管制は英語です。(時々日本語でのやりとりはあります。)

 

航空管制において、管制官の指示は、強い権限を持ちます。それでも人ですから間違える事があります。パイロットは、管制官の指示の元行動します。基本は、管制官を全面的に信頼しているのです。

 

ただ従っていれば安全かと言えば、、羽田の事故を見ると、自分で判断する道具を持っていた方が安全である事は明白です。(飛行機はスマホ禁止でしょうが、、フライトレーダー24の画面を見る事できれば、滑走路待機中に、後ろからJAL機が迫ってくる事は、確認可能だったでしょう。個人のスマホでも確認できる事が、海保機では出出来なかった事が残念です。)

 

 → 管制官にミスがあると、全てが崩壊する管制システムになっています。(それをケアする手段があるのですが。。後述します。)だから、管制官とパイロットは時に激しく言い合いを行っています。(ある意味喧嘩:命預かっているパイロットからすれば当然でしょう。)それにしても、あの混雑で15人で管制って、、正気とは思えない。(ムリ。破綻しています。)

 

++++++++++++ 事例解説動画。

 

<管制官が逆の指示を出した事例を追記しました。>

  ↓

 

千歳空港は自衛隊機と民間機が相互乗り入れする混合的な滑走路です。羽田は更に、横田空域(米軍の空域が、航路を日常的に制限しています。)を有しています。積極的に、機械やシステムの力を借りた方が良い事が判ります。

 

<徳島空港> 目視でゴーアラウンド

  ↓

 

<羽田>

  ↓

 

<駿河湾上空>

  ↓

 

最終的に管制官に有罪判決が下されています。個人的には、航空機の事故は故意でない限り、個人のミスにして責任を押しつけるものではないと考えます。

 

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飛行機に乗るのが怖くなります。確認・復唱・相互確認が大切です。非人間的なメッセージが多い事に違和感を感じます。(人間は機械ではありません。=沈黙が一番危険だと思います。英語による交信の限界も感じます。)

 

<2007年頃から、滑走路への誤進入が無視できなくなっています。>

◎現在では、大きな空港では広域マルチラテレーションシステムが導入されています。

 

三菱製 広域マルチラテレーションシステム

 ↓

https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2017/1709112.pdf

 

東芝製 広域マルチラテレーションシステム

 ↓

https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/techReviewAssets/tech/review/2019/02/74_02pdf/3-3.pdf

 

広域マルチラテレーションシステム

  ↓

※:ベトナムにも納入されています。

 

国土交通省は、相次ぐ滑走路への誤進入対策のため、大きい空港には広域マルチラテレーションシステムを導入して(既に稼働中)安全対策を実施しています。

  ↓ 従来型マルチラレレーション → 広域マルチレテレション

https://www.soumu.go.jp/main_content/000225277.pdf

 

広域マルチラテレーションシステム:

空港にファイバー引いて、LANを構成しています。送信ステーションを増やして、従来型のトランスポンダーと細かいエリアでやりとりして、受診レーダーとのやりとり(得られる情報量)を増やしています。

 

その結果、滑走路にいる全ての航空機の位置情報を、管制官のレーダー上に表示する事が現在では可能になっています。ASDEレーダーでカバー出来ない範囲も、しっかりとカバー出来ています。

 

つまり、滑走路に誤進入した海保機を見逃したなどいう事案は合ってはいけないのです。(あり得ない。)

 

せっかく、誤進入対策にハードウェアを巨額な投資して付けたのに、うまく運営できていなかった結果が今回の事案でしょう。(とても悔やまれます。高度な開発能力を持った日本です。事故防止策を立てていたにもかかわらず、今回の事故が起きた事は、運営上の問題、システム上の問題となります。)

 

by wiki

  ↓

 

ADS-B(衛星測位システム)はアメリカでは2020年1月までに義務化とされています。妥当な判断ですが、すんなりと変更できる国は限られています。(アメリカの飛行機の離発着数は日本の比ではありません。装着は必須でしょう。)

 

ただ、日本の管制も手をこまねいていた訳ではなく、広域マルチラテレーションシステムの導入によって、少なくとも、空港内では全ての飛行機が可視化できるシステムを導入しています。旧型と言われるトランスポンダー方式をカバーするシステムは大規模空港では導入済です。(日本独自ではありますが。。)

 

何故、滑走路内に侵入した海保機を見逃しのか?とても不思議です。認識の問題ではありません。ハードウェアの導入によって、誤進入対策の機能は正常に機能していたのです。

 

近年、続々と導入されています。日本発の官制補助システムです。

  ↓ 本当は最後の砦でしょう。

 

  ↓

 

WAMとも言います。16型が最新の設備のようです。

 

<最後に>

情報はネット上で、コツコツ拾う事が可能です。正しい情報を得ることはたやすい事です。起きた事に対しては、見ざる聞かざる言わざる。では、この時代詰みます。今後の事故調査委員会の報告には余り期待はしていません。(訴追が目的だから。)返す返すも日本が誇る、天下の三菱電機が開発した、「広域マルチラテレーションシステム」を持ってしても今回の事故が防げなかったという事実は重い。日本人には、システムを使いこなす訓練が必要でしょう。せっかくのハードが宝の持ち腐れになってはいけません。