スルーしようかとも思いましたが、、やはり触れないといけないでしょう。

 

<イプシロンロケット実験場での爆発事故。>

  ↓

 

固体燃料ロケットのイプシロンロケットの第2段ロケット燃焼試験中に爆発事故がありました。今回のTVの解説は判りやすいと思います。

 

この事故の一週間ぐらい前にイプシロンSロケットについてJAXAがプレスへの説明会を開催していました。

 

JAXA

  ↓ 7月7日(金)

 

<参考>

イプシロンロケット 6 号機打上げ失敗の原因究明に係る報告書

  ↓ 2023年5月19日

https://www.jaxa.jp/hq-disclosure/epsilon-6/files/Epsilon-6_report_01.pdf

 

 

この記者会見は見ていました。担当者がとても丁重に説明をされてみえます。順調に進んでいるように見えたのですが、第1段、第3段ロケットの燃焼実験は終わっています。今回は、第2段ロケットの燃焼実験の試験で事故がおきました。(担当者も最後の山場と言っていた箇所での事故です。)

 

能代ロケット実験場

  ↓

 

-------------------- 抜粋します。

能代ロケット実験場は、秋田県能代市南部の日本海に面した南北に細長い敷地にある、JAXAの付属研究施設の一つです。内之浦 宇宙空間観測所から打ち上げられる観測ロケット、科学衛星および探査機打ち上げ用M(ミュー)ロケットの研究開発に必要な各種固体ロケットモータの地上燃焼試験を行うため、1962年に開設されました。
1975年からは液体酸素・液体水素ロケットエンジンの研究開発が開始され、その基礎実験を行うための施設設備が増設されました。
大型ロケットM-V開発計画の開始に伴い、1990年度から関連施設設備の拡充・更新が進められ、1992年度までに大気燃焼試験棟、上段モータ高空性能試験設備が竣工されました。

 

能代ロケット実験場は、最大で1kmの保安距離を確保できることから、わが国の宇宙推進エンジンの研究開発にとって、重要な役割を果たしています。2005年にはペンシルロケットの再現実験が行われたほか、現在は、イプシロンロケットの技術要素試験や、液体水素を燃料とするエアーターボラムジェットエンジンの燃焼試験や小型の液体水素/液体酸素ロケットエンジンを搭載した再使用ロケット実験機の離着陸試験、N2O/エタノール推進系燃焼試験、ジェットエンジン屋外運転試験など、各種の野外実験にも利用されています。

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JAXAの実験場の一つです。固体ロケットモーター開発においてとても重要な施設です。大学との連携も行われています。(JAXAでは固体燃料を使用する場合は、固体ロケットモーターと呼んでいます。液体燃料ロケットエンジンはそのままロケットエンジンと呼びます。)

 

もう少し詳しい説明が載っています。

  ↓

 

NHK

  ↓

 

消火された建物が今回の爆発のあった場所だと思います。

 

  ↓

Googleearth で見てみてみました。緑の丸い色の所で爆発が発生したのだと思います。

 

 

それぞれの建物の役割です。

  ↓

 

 

⑤真空燃焼試験棟で爆発が起きたと思われます。周りの施設への被害も出ているでしょう。

 

第2段ロケット、ほぼ真空状態に近い高高度で稼働します。そのために真空チャンバーを使った燃焼実験が必要になります。

 

思ったより深刻な事故です。これでは、固体ロケットモータの燃焼実験が行えません。見通しが立たなくなりました。

 

3段目の燃焼実験の映像です。

  ↓ この時は問題はありませんでした。6月6日の試験です。事故の一ヶ月前。

 

<液体燃料ロケットの燃焼実験>

HⅡAメインロケットの燃焼試験

  ↓ 2022年4月4日

 

秋田県大館市、田代試験場

  ↓ HⅢロケット開発でも活躍した設備です。

 

HⅢのロケットのタンクステージの燃焼実験は種子島で行われています。

  ↓ 2022年11月7日 この時も打ち上げまで余裕がなかった気がします。

 

ロケットエンジンの燃焼実験設備は秋田県に集中しているようです。

 

来月にはHーⅡA打ち上げが決まっているし、、ちょっと不運では済まされないレベルの事故が続いています。お祓いしてもらった方が良いレベルです。

 

-------------------- 来月には、、とても大切な衛星の打ち上げが待っています。

 

H-ⅡAロケット47号機打ち上げの記事

  ↓ 8月26日 打ち上げ予定。

 

X線分光撮影衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)を打ち上げる予定です。

 

このXRISMも曰く付きです。2016年に、X線衛星(ひとみ衛星)は正常に打ち上げに成功しました。正常に軌道に乗っていました。何も問題がないように見えましたが。。ひとみ衛星のカルマンフィルターのパラメータ値が間違って入力された事により、衛星が自分が回転していると判断。正しい姿勢制御をしようと衛星が勝手に回転し始めて自己破壊された経緯があります。

 

X線天文衛星ASTRO‐H「ひとみ」異常事象調査報告書

  ↓

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/084/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/01/1371443_1.pdf

 

日経新聞。

  ↓ けっこう厳しめな目線が入っています。

 

  ↓

 

このひとみ衛星は日本、欧米共同で開発されたX線検出装置/望遠鏡が搭載されており、X線天文学にとってとても重要なミッションでした。(ハッブル宇宙望遠鏡/ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 並に重要です。)その後継機がXRISMです。絶対に打ち上げないといけない衛星です。何度でもいいます。失敗は絶対に許されません。

 

XRISMの研究紹介。

  ↓

https://www.jahep.org/hepnews/2022/41-4-1-xrim.pdf

 

JAXAいよいよ追い詰められています。お金の問題ではありません。日本の科学技術力が試されています。

 

以前のひとみ衛星ミッションは裁判にもなったぐらいもめました。

  ↓

 

 

半導体開発投資もいいですが、ロケット開発にもっと税金を投入してください。関係者の心労を考えると胃が痛くなりそうです。

 

  ↓

 

う~ん。もっと胃が痛くなってきました。

 

<一部誤記がありました。修正しました。>