JAXAから、補助ブースターが着火しなかった原因につい一次資料が開示されています。
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https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/230222-mxt_uchukai01-000027752_1.pdf
① よく見る資料です。
➁ 電気系システム。
全てはLANを介したネットワーク構成になっています。オール電気で制御する場合は、通信系(プロトコル通信が正常である事は稀なので、何らか異常が発生する事による遅延は避けられません。)の遅延、ハード系の異常、様々な異常が考えられます。センサーからのデータ不達もあり得ます。
制御系と動力系が同じ電源供給で動いていれば、矛盾なく操作できます。(リレー制御などがそうです。昔?のメタリック電話も同じです。)今日では全ての制御はMPUを介して(それも絶えず通信処理をこなしてています。センサーからの割り込みがあるので、割り込みのネスト構造になります。)制御されるので、実際のハード的状況と、CPUが受け取った情報に乖離が発生します。
そういった、情報が収集できない状況を排除するようなシステム構成を作りこむよう技術者は努力しますが、不具合は必ず発生します。そのためのフェールセーフ機構があります。
アクチュエーター系の制御は流体です。それを電気で制御する事自体無理があると考えます。流体の慣性系を利用して制御した方が安全です。(同じ慣性系なので、同じ方向ベクトルに作用します。)
③ ソフトウェアの実行には時間がかかります。割り込み処理には限界があります。
リアルタイムOSを使用しても制御には限界があります。今回の動作にかかった時間はミリ秒かそれ以下の単位での制御でしょう。ソフトウェアへの負担は半端ではありません。実際に動作させた事もないので、例外処理も洗いきれていいないでしょう。FPGAを使用しています。JAXAオリジナルの回路設計がなされています。現状では、原因の特定が困難である事は理解できます。そもそも再現性のある故障なのかも疑問ですし、上位のFPGAの結合試験がどれくらい行われているかも不明。
④
FPGAは書き換え可能(設計変更)な論理回路(集積回路)とでも書いた方が判りやすいと思います。(ソフトウェアでハードウェアを設計します。(Verilog/VHDL))
JAXAの衛星には昔から搭載されています。日本未来科学に実物が置いてあるのを見た事があります。
大規模システムは構造が簡素なほど故障も少ないは事実だと考えます。コストダウンのために部品点数が多くなって故障要因を増やすのは得策ではありません。思ったより厄介です。次の打ち上げまで間に合うのかな。。今まで実績の無い技術を駆使しての打ち上げです。リスクは高い。
<個人的提言>
①打ち上げは3月以降(半年くらい)に延期する。
➁回路系の総点検を実施、例外処理も含め結合試験まで再度シミュレーションしなおす。
③少数精鋭で良いので、同業他社からの応援を頼む。(これが日本は出来ないんだな。。残念ながら企業文化が異なると協力ができなくなります。)したがって、社の利害関係の無い所で、JAXAの内規に則て行動できる人材が欲しいところです。見方を変えれば以外な発見が出てきます。
④もはや、三菱とJAXAだけの能力を超えた段階での問題であると考えます。開発体制の見直しも含め見直しを考える段階です。
⑤岡田マネージャーからすれば、専門のロケットエンジン以外の故障なので、なんとも判断が付かないと思います。(記者会会見でもそう言っておられます。)
⑥問題の本質が見えていないと思われます。単純な装置故障ではありません。
一次資料だけなので、詳細まで判りませんが、一度開発体制を見直す必要があるように考えます。再三の打ち上げ延期が偶然の事故によるものでは無いように感じています。そもそもこの計画に無理があるのでは?と疑問を持っている立場からすると、早期打ち上げ再開は待った方が得策だと考えます。(もっと重大な事故要因が隠れている可能性もある。)
ロケットの打ち上げの成功を願うと同時に、「ひとみ」衛星の打ち上げの失敗だけは繰り返してもらいたくありません。
↓ 2016年2月18日
各国の高価で開発に何カ月もかかったX線観測機器が一瞬で破壊されました。原因はカルマンフィルターのパラメータの入力ミス。(正常なのにシステムが異常と判定して自転して分解しました。)なんともお粗末な結果でした。(この衛星の失敗によってその後のX線天文学史は50年~100年後退と言ってよいでしょう。)
問題は2点
①ロケットの打ち上げの担保が取れるか。
➁衛星の制御が上手くできるという業績があるかどうか。(こちらは大丈夫かな?)
上記の担保が取れて初めて打ち上げゴーサインが出すのが正しいと考えます。
だいち3衛星の後には、『ひとみ』衛星の後継機、XRISM(X線分光撮像衛星)の打ち上げもH3による打ち上げとして控えています。
万全の開発体制を敷いて、人事を尽くして天命を待つのが本来ですが、現状は、少額の予算で限られたプロジェクト人員で見切り発車しなければいけないほど、日本の宇宙開発事業は追い込まれています。
政治家や官僚には判らないでしょう。最悪H2ロケットの継続使用が考えられます。それぐらい新型のロケットの打ち上げの実績を上げる事は難事業なのです。




