アクセンチュアが、今年の5月に以下の報告書を出しています。
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諸外国における共通番号制度を活用した行政手続のワンスオンリーに関する取組等
の調査研究。
総数231ページ(含む 引用索引)もあります。力作です。各国の、日本で言う所のマイナンバー制度への取り組みについて詳細な分析がなされています。
とりあえず、P195当たりから読むと、諸外国の事情が良くわかると思います。
★いくつか抜粋します。(なるべく原文のまま。)
<背景>
①デンマーク、スウェーデン、シンガポール、アメリカ、韓国、台湾のように、コンピュータが台頭する(1960年代)までに共通番号制度を導入した国が多い。
②エストニアやオーストリアのように、2000年代に入ってから共通番号制度を導入した国では、コンピュータやインターネットの活用を前提として、当初より共通番号を使った情報連携による行政事務の効率化、セキュリティー等を考慮した設計がおこなわれていると考えられる。
③一方で、分野をまたいで利用可能な共通番号が無い国では、ドイツやフランスのように、1970年代から1980年代に共通番号の導入や利用範囲の拡大を検討したものの、プライバシーに対する懸念や司法判決等を踏まえて導入しなかった国んが多い。
まとめ、近年デジタルガバメントの実現を目指す中で、諸外国の共通番号制度も、特に行政分野内での利用に関して、個人情報保護に配慮しつつ、共通番号の利用促進を図るという方向性を目指していると考えられる。ドイツにおける「ワンスオンリー原理の提言(2017年)」や登録現代化法(2021年)の成立はその一例であり、汎用的な個人認識番号の意見性を示唆する連邦裁判所判決(1983年)を踏まえながら、税務識別番号の利用範囲を広げて情報連携等を可能とする事で、行政事務の効率化や申請等における国民利便性の向上を目ざしている。
各国の第一世界大戦から現代に至るまでの、事情と国民の個人番号の変遷がとても良くかかれています。是非、一読下さい。(拡大するか印刷すると見やすいです。)
デンマークは、1924年に国民登録制度を開始しています。今からおよそ100年も前の事です。すなわち、その国作りの過程によって、国民の個人番号の考え方、コンセンサスが大きく異る事を意味します。
<共通番号の利用範囲>
◎識別としての利用範囲
※:識別 行政事務等において個人を識別するもの
識別としての利用範囲です。
①今回の調査対象では、通信を案が暗号化するなどのセキュリティ対策を取った上で、共通番号に紐づいた個人情報が期間間で連携されている国が多い。特に先進的な例としては、デンマークやシンガポールが挙げられます。(詳しくは本文を参照して下さい。)
②法体系について
③情報連携に関する法規定
赤字は規定無しです。
<認証としての利用>
※:認証 本人確認
諸外国における個人認証(本人認証)における共通番号の利用を見ると、共通番号(又は分野別の番号)事態が主な認証手段に用いられているものとして、インドにおけるAadhaar認証等があるものの、多くの国では、共通番号事態を主な認証手段として利用せず、IDカードやモバイルアプリ等の媒体を利用した認証がおこなわれている。
また、電子的な個人認証手段としては、IDカード(国民番号、eIDカード)に格納された電子証明を用いた所持認証と知識認証(パスワードの入力等)の組み合わせや、モバイルアプリによる所持認証と知識認証の組み合わせが主であったが、いずれの手段でも電子証明書に共通番号が格納されている等、認証に利用されるIDと共通番号が紐づいている例が多かったが、マイナンバーカードに格納されている電子認証書にはマイナンバー(共通番号)が利用される事がないという点で、日本の公的個人認証は諸外国に比較して特殊であると考えられる。また、諸外国における共通番号制度と連携した個人認証は、国民にとって身近で、利便性がかんじられるような行政鉄続きにおける電子申請等に利用されているケースが多く、例えば、税や社会保証の分野に加え、奨学金の申請を含む教育分野、運転免許証の申請や車両登録、警察への届け出等が共通して利用されている分野と考えられる。
民間分野では、銀行における口座開設やローン申請等、比較的厳密な本人確認が求められる手段で利用されているケースが多かった。
認証(本人確認)としての利用範囲です。
<とどめ>
認証に利用されるIDの普及率
デンマーク エストニア インド 90%以上
シンガポール スウェーデン 80%以上
導入経過年数8年から10年程の群れでは、取得必須の国を除いて、ドイツの50%が最も高い普及率となっている。
日本は、45.3%です。 普及率としては断然高い方に属します。(記事では、40%となっていますが、直近で45.3%)
アメリカ オーストラリア オーストリア イギリス に至っては20%以下です。
(10%に近い)
各国の認証IDの普及率です。 正直驚きます。
<最後に>
COVID-19に対する取り組みは世界各国が行いました。給付金等支給における共通番号の利活用有無が確認できた、オーストラリア・ドイツ・イギリス・インド・オーストリア・シンガポール・スウェーデン・デンマーク・アメリカについて調べた所、
オーストラリア・イギリス・シンガポールでは、本人確認のために共通番号と連携するIDが利用された。インド、スウェーデン、デンマーク、アメリカでは、給付金の支給にあたって、共通番号に紐付けられている口座情報が利用され、特にアメリカ、インドでは、給付金等の支給に当たり申請を必要としない方法を採用したことにより、制作決定から振込完了までのリードタイム短縮や対応コストの削減等実現している。スェーデン、デンマークでは、共通番号に紐づいた口座情報等は把握しているものの、あくまで本人の申請にもとづき給付が行われた。一方で、認証IDを用いた申請ができなかった事に起因してドイツでは1万件以上の詐欺が発生する事態が発生した。
COVID-19における各国の給付実施状況
ということで、、
<結論>
日本におけるマイナンバーの普及率45.3%は決して低いわけでは無く、世界的にみれば、十分優等生である。いたずらに、数値目標だけ達成させたい政府の理由が理解できない。
日本全国民にマイナンバーの登録の封筒を発送した際に、上記のような深掘りしたような資料を添付すべきであったと思います。
国民はそこまで賢くはありません。もっと言えば、首相が先頭に立って、理念、目標を強く掲げるべきです。河野太郎に任せておけばやってくれるだろうでは困ります。首相自らがやる気を見せない状態では、国民の支持も得られません。
政治家は国民が分かりやすく理解し易い言葉で話す義務があります。啓蒙するという事を学んでもらいたい。説得は大切です。欧米は長い歴史の中で様々な取り組みをしてきています。
この国の政治家はまだまだ未熟です。目的を果たす為には手段を考える必要があります。俺の言う事を聞けでは、誰も動きません。返って反発を買うだけです。もっと言えば、この国の多くは高齢者です。残りの50%はその高齢者である事を河野太郎大臣は理解しておられるのだろうか?
アクセンチュアの資料にもありますが、イギリスなどは、第二次世界大戦中(1939 年)に「非常時下」であったことを理由として、国民登録法に基づき、身分証明書と
して利用できる ID カードが導入されたが、1951 年の Willcock v. Huckle 事件(運転中に警官に止められ、理由も無く身分証明書の提示を求められて、その提示を拒んだ Willcock v. Huckle が訴追され有罪判決を受けた)を契機とした、個人の身
元を証明する行為は強制されるべきではないといった世論の高まりを受け、1953 年に国民登録法及び ID カードは廃止された。というような背景もあります。
各国には各国の事情があります。日本国民を良く観察して良く勉強していただきたいと考えます。
長くなりました。終わりたいと思います。
<追加>
↓ アクセンチュアの資料の概略板がありました。








