Jetroサイトから
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イスラエルとエジプトがEUと天然ガス供給の覚書に署名(EU、イスラエル、エジプト) | ビジネス短信 - ジェトロ (jetro.go.jp)
EUはイスラエル、エジプトからの天然ガス供給の覚書に署名しました。EUは必死です。イスラエル、エジプトのガス田からの天然ガスの供給量はそんなに多くはありません。逆に言えば、EUは脱ロシア化の為に必死にエネルギー確保の活動を積極的に続けているという事です。
東地中海ガス田とは
↓JOCMECのサイト ちょっと資料が古いです。
イスラエル・キプロス・エジプトを中心とする東地中海の天然ガス事情 ―Leviathanガス田生産開始―|JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト
海外ではガス田開発が積極的に行われています。かって戦争をしたエジプトとイスラエルも現在ではパイプラインを利用する間柄です。有名なキャンプ・デービッド合意にもとづいて1979年にエジプト・イスラエル平和条約(エジプトはイスラエルを正式に承認した最初のアラブ国家です。)が締結されています。その後1994年にはイスラエル・ヨルダン平和条約が締結される事になります。
上記の記述にはwikiから得ています。
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国家間の平和による安定はとても大切です。大国に限らず、軽々に戦争など仕掛けては行けないし、応じてもいけません。歴史に学べばもっと賢い選択ができます。デタント(緊張緩和)はいつの時代も有効です。出口の見えない泥沼の戦場など愚の骨頂です。国家のトップは常に民の事を案じるようでなければいけません。
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エジプト・イスラエルというと遠い国のように感じるかもしれませんが、この周辺国は「スエズ運河を擁しています。」輸送するにも都合が良い。
JOCMEOサイトの抜粋
赤く囲った所が各国のEEZです。赤色の玉がガス田です。キプロス共和国・イスラエル・エジプトが関係してきます。年々新たなガス田が発見され開発されています。
<パイプライン>
AGP:アラブガスパイプライン 周辺諸国が利用しています。(皆さん仲良し。運命共同体です。)
EMG Pipeline:東地中海ガスパイプライン(エジプトとイスラエルを海底で結んでいます。)
<LNG液化基地>
lduK:エジプトにおけるLNG液化基地
DamiettaエジプトにおけるLNG液化基地
この記事の当時はLNG液化基地も操業停止していたようですが、現在は増産しているはずです。
<日揮>
リビアも天然ガス産出国です。
↓日揮のサイト リビアの天然ガス開発に携わっています。
↓日揮のサイト プラント事業継続に必要なサービスをセットで提供しています。
日揮のプラント事業ソリューションは一流です。お陰で日本は安泰なのです。遠く異国の地で頑張る社員さんには頭が下がります。石油製品やガス代が上昇するのは当たり前の事です。彼らがいなかったら日本は干上がります。
<千代田化工建設>
ついでに、千代田化工建設さんのサイトより
↓全世界でプラント設備のソリューションを展開しています。
一番上にあるのが、ロシアのヤマルLNGプロジェクト。日本国内では太陽光発電にも携わっています。
LNGプラントバリューチェンの図がわかりやすです。
<訴訟による特損>
千代田化工建設は豪州での裁判費用などとして203億円特損を出しています。
↓日経より
↓千代田化工建設は豪州での特損は去年から本業の足を引っ張っているようです。
https://www.chiyodacorp.com/ir/20210730_1_J.pdf
これがあるから、海外ビジネスは難しいです。利益と損失は表裏一体。
<日揮>
投資家も日揮には注目しています。
↓j-castより
当然といえば当然ですが。。開発規模が大きく損失時も金額も莫大なので、難しい局面はあります。ただし、現状では中東での火種は一時より起こりづらく、むしろトルコがアメリカの軍隊の肩代わりになっています。(難民の抑え込み。=防波堤)ロシアとアメリカの思惑の中間点を探りながらの政策を実行しています。
ちょっと古いですが、
↓Bloomgergより 2月時点の話です。
松野博(官房長官)も本音は言えないでしょう。(水面下で、物事は進みます。)今となっては各国がエネルギー確保で競争合戦になっています。日本も乗り遅れて欲しくないと考えます。
------------------- 東地中海ガス田はここで終わり -------------
-------------- 中東情勢 ------------
JETROサイトより
↓
イスラエルとトルコが急速に接近しています。 ← とても意味のある事です。
↓ NEWSWEEKより
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/07/post-96776.php
トルコも海洋のガス油田に参加したいはずです。イスラエルとの国交正常化は念願でしょう。(トルコのエネルギーは大変輸入に頼っています。)
中東の国々が仲良くし始めました。エネルギーという点では運命共同体です。さらには、トルコも含めて団結し始めました。新しい地政学が誕生しそうです。
<トルコ>
トルコは中東とヨーロッパの中間に位置します。ロシアとも接します(ジョージアの隣はロシア)トルコの役割は大きいと思います。トルコは長年EUに入るために、国策まで変えて努力していきましたが、EUはその都度冷たくあしらってきました。この機を捉えて、トルコの世界的な戦略的地位を上げる事が可能です。エルドアン大統領の手腕が問われています。個人的には少しはトルコも評価してあげて欲しいと思います。移民もトルコが抑えているからEU圏も助かってます。汚れ仕事をトルコだけに押し付けすぎ!!EUのエゴです。フィンランドのNATO加盟などはトルコからしたら怒り心頭でしょう。(調子が良すぎる。トルコ国民の理解も得られません。)
アメリカに取っても戦略的に重要な拠点です。
「政治の流動化」今年のトレンドでしょう。いつまでも、自国内だけの政策にこだわっていると世界から週遅れの周回遅れになります。(日本の金融政策がその典型)
---------------------- ここまで ---------------------------------
----------------- ここからは日本のお話です。 ------------------
経済産業省のサイトより
↓
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/sekiyu_gas/pdf/018_03_00.pdf
日本は以外とロシアへの依存度は少ないようです。アメリカ・カナダがロシアに強硬なのはその依存度の低さでしょう。ドイツに至ってはどっぷり浸かっています。石油・LNGだけでなく石炭依存度も高い。
日本はLNGへの輸入依存度が異常に高いことが問題。欧州はパイプラインの元がロシアである事が問題。(九州電力も千葉のLNG火力発電から撤退したし。。電力会社は軒並み赤字です。頑張れ!!インフラは大事。私は応援します。クーラーも使いたいし。電子レンジも使います。)
※:PL:パイプラインの事です。
後半は、中国のLNG取り扱いが世界1位になった事を上げています。去年の時点で日本は中国に抜かされました。(中国の爆買いには勝てません。)
<日本周辺のガス田開発>
ちょっと古いですが、、
↓日本もガス田開発はやってますが、、いかんせん数規模とも少ない。
<中国のガス田開発の実態>
中国は一方的にガス田の開発を勧めています。
外務省サイト
↓
もう止めようが無いでしょう。やったもの勝ちです。日本国政府はどうするんでしょうね。。やる気なさそう。
心配なのは、ロシアから一方的に協定を破棄される自体になった時でしょう。日本国政府は慌てる。外務省さんちゃんと仕事してるのかな?外交チャネル開けてますか?
----------------------- おまけ --------------------------------------
ちなみに、LNGを運ぶ船舶も日本の企業が作っています。
商船三井さんも投資は行っています。
↓
先行投資の桁が違うだけに読みを間違えると大損害を被ります。どうするんでしょうか。
日本郵船のサイト
↓
儲かるわけです。海運業以外にも洋上発電など攻めの事業を展開しています。船賃ぼったくってますから。。日本国内の大企業からはヒンシュクを買っています。(トヨタなど自動車メーカーは車の船便に膨大なコストをかけています。そりゃ怒りますよ。)
↓日経より
どんどん投資しちゃって下さい。ちょっと危険な感じがするけど、、
どんどん散財して下さい。儲けを吐き出すくらい。
ただ、日本国内の大企業を敵に回したのはまずかったと思います。日本国内の企業さんとは仲良くする。。当たり前ができないかな。。。儲かったら利益は還元しないと。。。
<追加>
ノールウェーのLNG生産量
↓
↓JAEAサイト パイプライン(2014年の資料です。)
↓ロイター
ノールウェイは圧倒的な資源輸出国です。北海は化石燃料の宝庫です。更には、海洋資源が豊かな国です。この国EUに加盟していません。賢いと思います。(加盟した方が損。)
今日はここまで。