4月11日(月)大学院部会(第105回)が開催されます。

 

昨今、芸能人やプロスポーツ選手の大学院入学が流行っています。社会人が大学院に入って勉強する事は良い事です。仕事で成功してしっかりとお金を持って行くのですから、大学としても嬉しいでしょう。大学側としても宣伝になるので願ったり叶ったりです。

 

一方で、理数系の大学院は、本当に苦戦しています。多額のお金がかかるからです。特に設備が特殊なのと高価過ぎて、国立の日本の大学ですら、その工面に四苦八苦しています。(昨今はMATLAB/SIMLINKが使える事が当たり前なので、ソフトウェアにお金がかかります。本体だけでなく、ライブラリーを全部そろえると大変な額になります。)ハードにいたっては低温電子顕微鏡など億単位の設備が必要とされています。

 

日本電子のサイトより

  ↓

 

5億円します。 10台/年 の生産とか。。恐らくですが、、日本の大学には行き渡らないように思います。たぶん、中国がごっそり購入しそうです。(中国は、自国の国立大学一つで、日本全国の大学が所有する総数より多い低温電子顕微鏡を所有してます。)バイオロジーにおいて中国が研究成果を独占するのは必然です。最近の生物分子科学は中国が最先端でしょう。

 

最近の日本政府は、実用研究の方を重視しており、基礎研究をおろそかにしつつある傾向が益々加速されています。実用化も大切ですが、基礎研究を地道にやってきたからこそ、今日の日本があると考えます。(これからは企業の研究所に期待した方がいいのかな?)論文も目的が短期で達成できるような、結果が見えるような研究でないとお金がでません。(基礎研究は却下されやすい傾向にあります。。残念ながら、日本には大規模な研究開発を続ける余裕がありません。国としての体力が残っていません。(人財は別。))

 

さて?どんな議論がされるのやら?

 

会議資料は文部科学省のサイトから見ることができます。

   ↓

 

「新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について」。。いかにも省庁が好みそうな文句です。

 

(1)大学設置基準・設置認可審査

(2)認証評価制度

(3)情報公開

 

文部科学省サイドとしては、大学を管理したいという思惑が見え見えです。誰がどう評価するというのでしょうか?国際的な指標があるわけでもありません。

 

・超スマート社会(Society5.0)

・ウェルビーイング

 

Society5.0。。この言葉いつまで続けるのやら?元々は経団連会長さんだった日立の故中西会長さんの肝いりで進められた、「日本を何とかしたい」と思いがこもっての提言です。(長期戦略で事に当たっています。)文部科学省がいたずらに改変してもらっても困ります。国家戦略として運用してもらいたい。ウェルビーイングも聞こえは良いのですが、デジタルデバイドが進みつつある現状では格差に拍車を掛ける事は間違いありません。(それくらい、日々テクノロジーの進化は加速されています。)

 

日立評論より

  ↓文が洗練されています。(企業文化を感じさせます。)

 国際的な枠組みの中、世界の有識者と対話をしながら社内にフィードバックできる。継続的な努力の積み重ねが今日の日立を作り上げています。

 

文部科学省さん。言葉選びはいいんですが実現不可能な事ばかりです。過去にも同じような試みを連発して不発に終わっています。いつまで失敗を繰り返すのやら?大学は生き残りをかけて戦略を練りつつあります。言うことを聞かないと、お金あげません。と言われても大学も困るでしょう。

 

・国際卓越研究大学

出ました、、これ、大学側が相当困っていると思われます。それだけの人財をどうやってそろえるというのか?構想だけ作って現実を見ていません。教授陣も自らの論文作りの時間を割いてまでやるとなると、、大変です。負担が大きすぎます。

 

文科省の予算は約4~5兆円に上ります。管理する範囲が広すぎるからです。一度解体した方が良いと思われます。文部省と科学技術庁が一緒になったのが文部科学省です。さらに、昔は郵政省がありました。郵政省(主に通信目的)と文科省(宇宙開発)が競ってロケット開発も行っていた時代もあります。今の日本はH3ロケット開発ですら遅延しています。国家規模の事業が破綻しつつあります。大丈夫ではないぞっと個人的には思いますが、何ともなりません。大学の資金確保は急務です。クラウドファンディングの活用も多くなされています。最終的には、国民の理解が必要でしょう。(この国なかなか啓蒙がうまくいきません。)

 

基本、日本は民主国家であり、情報は開示されます。大学院部会も公開されます。Zoomで実施されます。youTube 文部科学省会議専用チャネルでライブ配信されます。どんな議論が交わされるのか興味深い。特に、大学の資金運用。日本人科学者の海外流出について、文部科学省はどんな見解をお持ちか?改革は待ったなしです。