歯科技工所業界の現状 2010年 | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルタントが語るビジネス情報。医療機関の医療コンサルティングにまつわる「ここだけの話」や、最新ビジネス事例について解説。

眼科医院、歯科医院、整形外科の診療所経営コンサルタント 高野聖義(昌則)です。


歯科技工業界のコンサルティングを行っています。
その中で業界内での大きな問題は、若手技工士の離職率の高さです。


若い技工士の方が20代で約7割離職していきます。
技工業界以外の仕事を始めるのです。


長時間勤務の中で、あまり高くない給与で働き続けています。


私はこのような現状があるから、歯科技工所の社長が悪いというわけではありません。
歯科医師の責任だという訳でもありません。


私は患者層の認識レベルだと思います。


歯の中に入れる、入れ歯、歯科補綴物、歯科矯正技工物は、歯科技工士の方が作ります。


どんなものでも、本当の職人が作ったようなものは高いのです。


自分の健康のためには費用がかかります。
保険制度の中だけでは、本当にいいものを作る時間と費用が足りないのです。


保険技工物は、低コストで患者さんに提供できるいいものです。
しかし、ある程度いいものなのです。本当に職人が作った最高水準の技工物には、お金がかかるのです。経済活動では当たり前です。


車を購入する場合、グレードを意識します。
しかし、自分の体に入れるもの、自分の子供の体に入れるもの、自分の親の体に入れるもののグレードを考えたことはあるのでしょうか?


繰り返します。
歯科技工物は、歯科技工士が作っています。
患者さんであれば、どこの技工所を使っているかを聞いてみてください。
素晴らしい技工所から提供したものばかりです。


その技術に見合うだけの対価を払っているかを是非考えていただきたいのです。