医療コンサルタントの高野聖義(昌則)です。
今回の政権の目玉である事業仕分けが実施されております。11月11日に開催された事業仕分け委員会では、開業医と勤務医の給与を適正にし、病院の勤務医を確保しなくてはならないという話が出ております。
これは、開業医を経営者とは見ていない見解であるといえます。勤務医を確保するために給与水準を適正化するという話ですが、勤務医は債務保証があるわけでもなく、医療スタッフに給与を支払う必要もないのです。
お付き合い先の先生も、医業収入が低下することにより、自分の役員報酬を減らし、従業員の給与に振り分けた経験をお持ちの方も多くおられます。また、開業当初はほぼ無給の状態で経営を行い、患者満足度を上げて患者数を確保し、今の状態を維持しているという多くの努力を行っています。
単に給与水準を同一にするという方向性は、聞こえはいいのですが、医院経営的な観念は見られない見解です。今後、この事業仕分けで行った見解が次の診療報酬にどのように反映するのか、じっくり様子を見る必要があります。さらに、来年以降の医療収入の減少という予測に対していかに対応していくのかということが重要になってきます。