医療コンサルタントの高野昌則です。
教育基本法の改正が国会を通過し、いじめ問題が叫ばれ、教育問題がクローズアップされています。
教育制度とは直接的に関係があるわけではないのですが、昨今の若者についての書籍がベストセラーになっています。
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
という本です。
企業社会の中では、就業３年以内での離職率がアップしています。
この理由を論じているのが、この書籍です。
日本の伝統的制度である年功序列制度が、若者に負担をかけるだけの制度であるということ、そして、年金問題も含め、日本を支えてきた人々を若者が支えろという日本社会の概念を分かりやすく書いている本です。
私もまだ若者の部類に入るとは思うのですが、年功序列の社会からは、逸脱しています。勤務年数が高いからといって、給与を高くしている会社ではないので、ちょっと環境が違います。そのような企業で働こうと考えたのも、年功序列制度が納得いかなかったせいかもしれないと、自分の新入社員時代を思い返しました。
前の会社を辞めた理由として、上司から
「あと、２年くらいしたら希望する部署にいけるよ」
という一言がありました。
しかし、希望する部署に行けても、最下層の身分です。また下積みの生活を余儀なくされます。給与も一気に上がらず、業務量は増加、すぐ行う仕事の内容にも魅力がないとなると、その環境に居続けていいのかという疑問を持ったのです。
それまで、そのような迷いを持たないように、常に仕事に集中してきた若者にとって突きつけられる現実は厳しかったようです。（あんまり、覚えていないのですが）
レールは見える。しかし、魅力は薄い。もっと自分はできるのではないだろうか？という自問自答を繰り返し、転職を決めたのです。
正直、正解だったかどうかはわかりませんが、今の仕事は責任もあり、楽しい仕事です。激務である事は変わりません。収入に関しては、まだ納得できないですので、もっと稼いで、もっと収入をアップさせようという意欲も高くなります。
このような考え方の若者が多いということを教えてくれる本です。医療機関の方には、すぐには納得できる内容ではないかもしれませんが、企業体というものがこのような世界であると感じることができると思います。
若者が分からないという方は、一度お読みいただければと思います。