医療コンサルタントの高野聖義(昌則)です。
2008年ももう終わりですが、今年一年はいかがでしたでしょうか?
昨今の景気減速に関する報道は、来院する患者さんたちのマインドに大きな影響を与えています。
即医院の経営を圧迫するような事態にはなりにくいのですが、既に診療控えの動きがいくつかの医院で見られています。
2008年の10月、11月、12月前半までの期間での新規患者数の伸びは如何でしょうか?
決算書しか興味のない院長先生ですと、分からないのですが、12月のレセプトが少ないという状態が見られるのが大きな傾向です。
診療控えは、重度の疾病患者の比率を増加させる結果となります。
予防としての通院動機が薄れ、自覚症状を持つ段階で初めて来院する事になります。
これは医療という観点からは厳しい状況です。
単に経営的な数字が厳しくなるというわけではありません。患者さんの症状が悪化し、取り返しのつかない状態での来院となるわけですから、好ましい状態とはいえません。
医療費の削減という大きな命題を政府は抱えています。そのため、当然、来院する患者数が減少し、レセプト点数総額が減少することはいいのでしょうが、初期段階であれば手術のレベルまで達していなかったのに、来院した時には即手術というような状態になり、患者さんの健康を阻害する結果となるとも言えます。
日本という医療先進国では考えられない状態が訪れようとしています。
2009年という新しい年を迎えようとしています。
しかし、2009年は今までの10年間とは全く違う社会となります。これは医療業界においても同じであります。
2009年の初頭は少し落ち着いていると思いますが、2009年という年は社会の変化にいかに対応していくか、そして、その後の数年間を乗り切るための準備を行なう必要があります。
厳しい年となるとは思いますが、是非乗りきりたいと思います。
それでは、良いお年を!