北海道で生まれ育って今年で60年…

大学は兄と同じに都会に進学したい思いを、親の説得で諦めた…

兄と3歳違いで大学が1年重なり、家計の負担を考えたら難しかった。

今と違い、奨学金は本当に生活に困窮している家庭しか申請できなかった時代…

高校教師だった父の収入では、当然ながら奨学金は無理な話…

 

結局地元の国立大学に入学したけど、興味がない大学だったので3年で中退…

卒業して企業に就職していたら、どんな人生だったんだろう…

そんなことを考えたこともあるけど、多分病気で死んでいただろう…

そう考えたら、オヤジの人生も中々悪くないよね。

 

都会暮らしにあこがれた10代~20代…

30歳を過ぎた時、出張で新橋の駅前を歩いていた時…

丁度電車が着き、降りてきたサラリーマンの足の速さに思わず横に避けてしまった。

田舎者の私は歩くのが遅い…

都会に住む人は毎日これの繰り返しなんだろうと思うと、私にはムリだと悟った。

 

娘が就職して5年…

都会にすっかり溶け込んだ感のある娘…

難しい電車の乗り継ぎも把握をして、私には到底できない業だと思う。

田舎暮らしがイヤで北海道を出た娘…

私は今も都会暮らしにあこがれるけど、決して田舎が嫌いなわけではない。

60年間住んできたのだから、これからも住めると思うが…

 

ただ1つ…

難病を抱える身としては、病気を診てもらえる大きな病院がなければ生きていくことも出来なくなる。

今住む街は、大学病院まで車で約1時間…

これ以上離れるのは、正直厳しいと思っている。

数年前、腹痛が酷く休日当番医だった市立病院に行ったら、問診で「診察拒否」に…

理由は心臓病で大学病院に罹っているから…

 

当番医:「大学病院に行ってください」

 私 :「腹痛で大学病院に行けるわけないでしょ」

当番医:「ここで診ることは出来ません」

 私 :「お腹が痛くて行けません」

当番医:「では、主治医から診察の許可を取ってください」

 私 :「もし腸捻転とかだったらどうするんですか!」

当番医:「…分かりました。こちらで大学病院に連絡をします」

 

笑えるやり取りでしょ!

これが田舎の病院の現実です。

15分程放置されて、「大学病院の主治医の許可が取れました」とやっと診てくれたけど、本当に悪い病気だったら手遅れだったかもしれません。

 

まぁ予想はしていたけど、原因は「便秘」…

3日間ほど出ていなかったので、そのことも最初に告げていたんだけど…

 

今の時代、軽い病気はかかりつけで診てもらい悪くなったら大きな病院で診察…

安定したら、また地元のかかりつけに戻るのが一般的…

でも、私の場合かかりつけ医はいない。

複合的に症状が出るので、1か所のかかりつけでは対処が出来ない。

 

診察拒否は、「呼吸器科」でもされたことがある。

だから、今の体では田舎には住めないということになる。

嫌いではないけど、田舎には住めない。

都会暮らしで「田舎暮らしにあこがれる」という人は、「健康である」ことが絶対条件になるだろう。