最近どうも物事の本質を見ずに、ただ現場だけを批判する記事を数多く見かけます。技能実習制度を廃止せよとは言っても、どうして企業が技能実習生を使わざるを得ないのか、そのことに関しての問題提起がマスコミ側から全くされていません。実習生を支援している団体からも出ていません。ただ、この制度は問題があるから廃止せよと一点張り。野党や左翼新聞が安倍政権反対と、なんでも反対するのと同じように、ただひたすら反対するのみ。その背景にあることをきちんと理解していないため、はっきり言えばろくでもない特定技能という中途半端な入管法改正を通してしまう。
人が足りないからと言って、あれほど労働力の需給の調整に使ってはいけないと大義名分を掲げた技能実習生を、母国に戻すことなく、国内労働力不足を補う目的の特定技能に変更ができるようにした、その矛盾を一体どう説明するのか、私はこの矛盾に関して行政からきちんとした説明を受けたことがありません。最近、こういう矛盾に満ちたことがまかり通る時代となってしまったようです。この外国人労働者問題だけではなく、今政府が行っていることは、昔なら政権が吹っ飛ぶような統計偽装も含めて、おかしなことばかりです。まあ、外国も韓国のような、国と国同士が決めた約束事を平気でちゃぶ台返しするような国もありますから、もしかすると世界全体でおかしくなっているのではないかという気がしております。
日本はいつからお金持ちを優遇するような国になってしまったのでしょうか。10月に消費税が上がりますが、その陰で法人税が下がっていることに皆さん気づいていますか?そもそもある一定の収入以上を取っている方は、消費税があがったところでさほど気になりません。消費税が上がることで生活全体に影響が出るのは、低所得者の皆さんなのです。だいたい東日本大震災で、復興と称して被災者からも復興税を取る国です。ほんとに弱者に冷たい国になってしまいました。消費に税金を課すということは、政府は国民にモノを買うな、消費をするなということと同じことです。これでどうして国民が豊かになるのでしょうか?税金を使うことを言えば、二言目には「財政赤字が増え、このままでは将来の世代に負担をかけてしまう」ということで、ずっと緊縮財政を日本はしてきました。その結果、日本は貧困への道をまっしぐらに突き進んでいます。デフレは全く脱却しておりません。政府はデフレから脱却したといっていますが、していないことは数字を見れば明白です。
私は今、外国人労働者を扱いながら、日本のおかれている状況を見ると、大きなため息をつかざるを得ません。どこの会社も、人手不足であえいでいます。すでにベトナムを始め、フィリピンやインドネシアの人たちも仕事を選び始めています。日本人の若者が嫌がる仕事は、外国人でも嫌なのです。それでもその仕事をやってもらうのに、給料をそれなりに出さなければやらせることができません。もう外国人労働者を低コストで使うこと自体、難しくなってきています。日本人を雇うのも外国人を雇うのも、大してコストが変わるわけではありません。ならば日本人の給料を上げ、まずは日本人労働者の待遇改善から行うべきではないでしょうか。
私は常々本当に人手不足なのか、疑問を感じております。ひきこもりの人数が約54万人いるようです。この人達の社会復帰を目指すのはどうなのでしょうか。5年間で34万5千人の特定技能の外国人を入れ込むよりも、ひきこもりの半分でも労働者として復帰できるなら、私はその方が良いと思っています。そのための社会復帰プログラムを国は真剣に考えたことがあるのでしょうか。今回の法案を通す過程を見ても、できるだけ日本人の雇用を活性化させ、その上でやむなく外国人労働者を受け入れるというよりも、安易に外国人労働者の受入を検討されていると思われます。
そして、中小零細企業の方々との話を聞くと、いったいどこが儲けているのかと言えば、元請け会社、大企業です。毎年単価の値下げを言われ、利益を削りながら経営を行っている会社が大半です。賃金値上げをするためには、まず下請け企業への支払単価を上げることが先ではないかといつも私は思っています。技能実習制度を深掘りして、その先に見えてくるのは、下請け企業の苦しみです。安い単価で経営をしていくためには、少しでも安い労働力として技能実習生を使うという構造が見え隠れしてきます。
確かに劣悪な環境で技能実習生を使うのはダメですが、そういう環境にせざるを得なかった企業を私たちは単純に責めることはできるのでしょうか。制度を反対する人たちは、実際にこの制度を使い、精一杯頑張っている下請け会社の現状を知っているのでしょうか。私ははっきり言います。責める相手を間違っていますし、そういう反対派が戦う相手は大企業ですよ。いつまでも弱い者いじめをせずに、本丸へ攻撃しなさい。
最近の技能実習制度絡みの記事は、どこかポイントがずれているように気がしてなりません。