どういう調査をしているのかわかりませんが、介護への外国人の登用についてはほぼ絶望的な状況が続いております。今のままでは雀の涙程度の人員の確保がやっと。このまま何の手も打たなければ、介護の人材確保は全くできないと思った方が良いと思います。
私たち外国人材を送り出す業界としては、介護の実習生もしくは特定技能の人たちを集めることができません。理由は簡単です。
1. 給料が安い。
2. 日本人の爺、婆を相手に仕事をするのが嫌だ。
3. 同じ給料なら、工場などの仕事をした方が良い。
4. 外国人老人の下の世話をするのは嫌だ。
5. 勉強した分のメリットがない。
6. 実習生として来る人たちが、貧困層よりも若干上の層なので、そもそも年寄りの相手をしたことがない。
これはベトナム側ですが、日本側として
1. 日本人が定着しない職場に外国人が本当に定着できるのか。
2. 日本人の給料自体が安いので、外国人にそれだけの給料が払えない。
3. 職場にいじめなどの問題があるところが多い。
ということが上げられます。
ちなみに先日介護ができる送出し機関を訪問しましたが、2019年1月〜6月までの介護で行きたいと登録した実習生候補者は、38名。ベトナム側も介護ができる送出し機関の認定数を増やす方向で動いているようですが、正直そんな問題ではありません。
「いくら日本で仕事ができると言っても、日本人の爺や婆の相手をしてまで仕事はしたくない。工場などの残業がある仕事の方が良い」
これが少なからずベトナム人若者の本音です。ですから、技能実習や特定技能で介護ができるようになっても、ベトナム人は選択しません。今はネット社会で彼らも日本での仕事の情報共有をしており、日本の介護現場がどういうものかよくわかっております。日本だから、給料が高いのだから、介護でもなんでも日本に入れるようになれば、いくらでも外国人が来ると思ったら大間違い。いつになったら気がつくのでしょうか?
ベトナム人にも職業選択の自由があるのです。今、彼らがやりたい仕事は製造系で比較的楽な仕事。惣菜製造業などの食品関係は残業が多いので、人気があります。建設、農業、縫製は人気がありません。ですから、何度も言っておりますが、人材的にランクが落ちる人たちを採用するしかありません。介護は技能実習の中でも人へのサービス業となるため、製造系よりも高い日本語能力が求められます。でも給料は製造系よりも低い。そうなれば彼らの選択肢の中から外れるのは当たり前です。
介護の人材不足は日本人で解消するしかありません。そのためには大至急介護人材の待遇改善が必須です。日本人の給料が上がれば、その分外国人の給料も上げられます。
はっきり言いますが、この介護人材の不足は行政の不作為によるもので、もっと言うのならば、財務省の緊縮財政によるものです。そもそも低賃金の外国人労働者を介護で使うことにより、社会保障費の削減を目的としているから、いつになっても介護の人手不足が解消しません。これは介護だけではなく、他の分野でもそうですが、日本人の中で給料さえ人並みにもらえれば、この介護の仕事をやりたいと思っている人たちがたくさんいるはずなのです。いつになったら気づくのですか。
「日本人よ、私たちが少し貧しいからと言って、都合良く使うのはやめてもらえませんか。あなた方がやりたくない仕事は私たちもやりたくありません。もしどうしてもやってくれと言うのなら、それなりの対価をください」
これが今の日本のおかれている現状です。