人のせい?自分は悪くない!      「他責思考」とは 


「自分が失敗したのは〇〇さんのせいだ!」

皆さんはそう思ったことはないでしょうか。

環境のせい、上司のせい、こんな現代日本のせい……。

失敗にはさまざまな要因が重なっているケースがほとんどであり、その要因を外側に向けることは簡単です。


しかし、いつまでも外側に失敗要因を向けている人を周りはどう思うでしょうか。

普段周りのせいにしている人は、他責思考に陥っている可能性が高いです。事実、職場のなかでも子どものように自分は悪くないと思っている人がいるのは恐怖でしょう。


今回はこういった人達の心理・性格、直し方について解説していきます。


他責思考の特徴 


➀プライドが高い

一つ目は、プライドが異常に高いということです。

皆様も生きている上である程度のプライドを持っているものですが、このタイプの人のプライドは突出しています。


まるで自分のことを王様か女王様かとでも思っているかのようです。

こういう人は他人には辛辣で、自分に甘い場合が多いのです。

自分のミスだとわかっていても、周りのせいにしアドバイスに耳を傾けない。


人から自分を低く見られたりすることを極端に嫌いますので、ミスを指摘されるなどとんでもないことです。自分のミスを認め、相手の言う通りに直したら、自分が相手より下だと思われると考えてしまうのです。


そして、多くの場合自分のミスだとわかってはいるが、認めたくない為に原因を外側に向けるのです。


➁自己愛が高い

自分を認めてほしいという欲求が高く、他人より優位に立ちたい!という欲求が強いので、自分の価値観や正しさを押しつけるのも、特徴の一つです。


自分の能力や経験を自慢したり、必要以上に周りにアピールしたりするのはもちろん、相手を貶めることで自分の優位性を示そうとするケースも少なくありません。


こういった人の特徴は、相手に勝つことであり、支配すること。

なので、相手が自分の価値観や要求を受け入れるまで、強引に主張を押しつけてきます。

また、前述した通りプライドが高いため、自分を軽んじられるのも否定されるのも許せないのです。


例えば自分の知識不足を指摘されたら、「知識よりも経験が大切」と、自分が正しいと主張するでしょう。

他にも相手の話を最後まで聞かずに自分の話にすり替えたりする人も、他責思考の特徴です。


➂自分を過大評価する

他責思考の人は自己評価が高いこともあり、下記のような傾向があります。

「人よりも常識がある」

「人よりも頭が良い」

「人よりも出来が良い」

「人よりも人気者だ」

上記のようなことを信じている人も特徴的です。

この手のタイプは非常識人なことが多いのですが、周囲と相違があっても、指摘を嫌う為に修正されず、相手は非常識だと決めつけ馬鹿にするところも見受けられます。


また、特徴として小器用でさして努力しなくとも色々なことが出来、人に褒められる人生を送っている人が、この症候群に陥りやすいのです。


勉強だけでなくスポーツ、芸術的センス、容姿も優れている場合、己の過信から「自分は正しい」で押し通すのです。


➃謝らない

特徴4つ目は、自分のミスを認めないので謝らないということです。


わかっていても自分の非を認めると自分の立場が下に見られる気がして、人に謝るのが苦手です。


ミスを正当化しようとすることです。確かに自分がミスを犯したのに、高いプライドが邪魔をし、言い訳をしてそのミスを正当化します。


ミスを犯したのには正当な理由がある、つまり、自分のせいではないと言いたいのです。

ミスは認めるのに、プライドの高さから、自分の非を認めないのです。


ミスを認めて、自分の非を認めない・・・。一見矛盾しているようにも思えますが

「間違った指示をされた!」

「ミスを犯したが、理由は別にある」

という理屈は、矛盾ではありません。ただの言い訳ですが、プライドのため、言い訳だとは認めないのです


自分のミスや間違いを認めない上に責任転嫁し、そして謝らない。

特に男性の場合、年を取ると余計にひどくなる傾向があります。


上記の特徴が複数当てはまる人は、

他責思考=「自分は悪くない症候群」にかかっている可能性が高いです。


では、このような人は周りからどう見られるのでしょうか。


まず、周囲の人の本音は、「腹が立つ」ということです。シンプルですが、こういうタイプの男女に対して腹が立つというのは当たり前でしょう。


言い訳したり責任転嫁して「自分は悪くない」と言われたら、腹が立つのも当たり前です。自分のミスを認めないで「自分は悪くない」と逃げる人間に対し、腹が立たない人は少ないでしょう。


そして次第に周りは呆れるようになります。

腹を立てることすらしなくなり、いくら言っても間違いを認めない人には「かわいそう」とまで思えるようになり、ただただ呆れられるでしょう。


周りをイラつかせ、呆れられる人は次第に孤立していくでしょう。周りから孤立している人には仕事も任せられなければ、プライベートで付き合いたいと思うこともなくなります。


では次に、直し方について説明していきます。


他責思考をなおす           「他責思考」から「自責思考へ」 


➀自分を完璧だと思わない

方法・直し方は完璧な自分を求めないことです。

非を認められない人の多くは完璧な自分でいたいために、自分は悪くないと責任転嫁する癖があるのです。


過大評価をしてしまうことが原因で、自分の首を自分で締めているならば、完璧な自分を求めることをやめれば、おのずと失敗を認められるようになります。


➁理論的に物事を考える

理論的に考えることも、非を認めない直し方の1つです。こういう人は大体、「自分は正しい」と思い込んでいますが、まずは「自分は本当に正しいのか」を理論的に考えることが大切です。


自分の知識が正しい、自分の常識は世界の常識など、必ず自分は正しくて、相手が間違っていると思うから、周囲とうまくやっていけず、揉めてしまうのです。

なので、何か一つでも周囲から「それは間違っている」と指摘されたことを、検索して調べてみましょう。


答えはひとつしかないと思われる問題について調べてみましょう。

いくつか検索してみて、ひとつでも自分が間違っていたとわかればそれで良いのです。

どれだけ小さなことでもいいので、それで自分にも間違いはあると素直に認めましょう。


➂きちんと謝罪する

どんな人間でも失敗するものです。

ただ、失敗したからといって全てを否定しているわけではありません。失敗したことに対して指摘を受けたり、注意を受けたりします。大切なことは失敗してしまったら、きちんと謝罪するクセをつけて下さい。

逃げていてはいけません。

謝罪することは、次に成功することにも繋がりますし、周りとも上手く付き合うことができるはずです。



まとめ 


「他責思考」にならないためには、何かミスやトラブルが発生したとき、何でもすぐに反応するのではなく、まずは一呼吸置いて自分自身を客観視してみる事が大切です。冷静になれば何が問題点なのか、どうすれば解決できるのかが明確になります。そういった積み重ねこそが、他責思考から自責思考【自分ごとのように考える】訓練になるのです。