静かで軽いスーツケース。見た目もシンプルで洗練されたデザインなので出張以外にも使える。



なぜ?こんないい会社を辞めるの?




大手コンサルティングファームで活躍していた知人が、会社を辞めると聞き、ビックリしました。



人もうらやむ外資系一流企業に入社し、

花形の部署を渡り歩き、将来も安泰だったのに、です。


「きっと何かあったに違いない」


と、その時は思いました。



会社の待遇や給料への不満はなく、周りともうまくいっており、人間関係の悩みでもないとのこと。もっと大事な理由を語ってくれました。



「この会社で働くこと自体にマンネリを感じてしまい、新しいことにチャレンジしたくなった」


と言いました。


早い話、仕事に飽きて、手ごたえを感じなくなってきたのです。



仕事を覚え始めの頃は、すべてのことがチャレンジです。緊張や失敗もしますが、一つひとつこなしていく喜びが味わえます。ようやく一人前にできたときのうれしい気持ちは、いつまでも心に残っているものです。やればやるほど熟練度が上がり、日々成長が感じられます。



ところが、ある程度熟練してくると、それも頭打ちになります。労せずにできるようになる反面、手応えや緊張感がなくなってきます。創意工夫にも限界があり、マンネリに陥ってしまいます。




何かリフレッシュできることがあれば不満が解消できるのですが、いつも都合よく見つかるとも限りません。そうすると、あえてリスクを冒してでも、新しいやりがいを目指す人が出てくるわけです。





2杯目のビールはおいしくない




これが経済学者H・ゴッセンが最初に提唱したとされている「限界効用逓減の法則」(ゴッセンの第一法則)

です。「財の消費量が増えるにつれて、財の追加消費分から得られる効用は段々小さくなる」(wikipedia)ことで、分かりやすくいえば、「同じことをやればやるほど、追加で感じる満足度は減っていく」という話です。



たとえば、最初の1杯のビールはあれほどおいしいのに、2杯目や3杯目となると、それほどではありませんよね。それでもジョッキを傾けていると、ほとんど効用が感じられなくなり、惰性で飲んでいるだけになります。



効用が頭打ちになったら、人はどうするでしょうか。今度は限界効用均等の法則(ゴッセンの第二法則)が働いて、同じコストでより満足感の高い活動にシフトするようになります。



たとえば、ハイボールや焼酎に切り替え、「うまい!」と新たな効用を味わいます。そして、また満足度が下がってきたら次は日本酒に。そうやって、際限なく効用を最大化しようとするため、悪酔いをしてしまうわけです。



限界効用逓減の法則は、飲食に限らず、ビジネス、人間関係、夫婦関係、学習、遊び、恋愛、金銭、健康など、生活のすべての分野に当てはまります。極端にいえば、ヒット商品がいつか売れなくなるのも、無駄遣いが止められないのも、不倫に走ってしまうのも、みな同じ。根っこのところでゴッセンの法則が働いているのです。





旬を逃さず変化を与える




限界効用逓減の法則に打ち勝つための最善の方法は

「変化」です。新しいことにチャレンジして、マンネリを打破するしかありません。



知人の例でいえば、彼の気持ちに会社側が気づいて、新しい仕事を任せたり、人事ローテーションすれば、辞めずに済んだかもしれません。新たな研修を受けさせたり、社外の勉強会に参加することを勧めるなど、業務以外で変化を生み出すこともできたはずです。




このときに難しいのは、変化を促すタイミングです。あまり早すぎると、せっかく調子が出てきたのにもったいなく、遅すぎると関心がうせてしまいます。手遅れにならないよう、少し早めに手を打つのが望ましい頃合いです。



とはいえ、効用が頭打ちになるスピードは人それぞれ。ビールの話ならまだしも、仕事や趣味となると個人差が大きく、一律で考えることはできません。



世の中には、好奇心旺盛で新しいモノにどんどん手を出す多芸多才(浮気性?)な人もいれば、完璧さや熟達を求めて一つのことを追究する職人気質の人もいます。上司の大切な仕事の一つは、一人ひとりの効用曲線を把握し、今どのあたりにいるのかを常にウォッチしておくことです。



旬な時期を見逃さず、次の一手を繰り出せば、必ず相手は乗ってきます。そうやって持続的に人を成長させることが、上司の重要な役目となります。





飽きないことも一つの才能になる




限界効用逓減の法則の呪縛から抜け出すのは容易ではありません。一言でいえば、人は「飽きる動物」だからです。



飽きること自体は、決して悪いことではありません。飽きるからこそ、少しでも新鮮さを求めて、改善をしたり工夫を施したりします。私たちが向上や進歩を目指すのは、飽きるという感情があるからだともいえます。



しかも、飽きることから脱却しようとみんなが努力すれば、多様なやり方やあり方が生まれます。結果的に、環境の変化に強くなります。飽きるということは、進化の上で有利な性質になるわけです。人類の繁栄は飽きることの上にある。そう言っても、言い過ぎではないのかもしれません。



反面、飽きることを避けるエネルギーが悪い方向に向かう場合もあります。退屈を紛らわせるために、ロクでもないことをしでかしてしまうのです。いじめをしたり、無用に競い合ったり、戦争を仕掛けたり……。

それほど、飽きることは苦痛なのです。



地球規模の「持続可能な開発」を考えれば、飽きずに続けることが見直されるべきなのかもしれません。

飽きないこと、すなわちどんなに慣れ親しんだことでも、いつも新鮮な気持ちで味わえる、というのはある意味、素晴らしい才能です。



次から次へと新しい刺激を追い求めるのではなく、今ここに集中してじっくりと味わう。

そこから得られた新たな発見や変化を大切にしていく。



変化の激しい時代だからこそ、そんなマインドフルな境地が求められているのかもしれません。






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