高山本線は岐阜〜高山間225.8kmの単線非電化路線です。岐阜側から高山線、富山側からは飛越線として建設を開始、1934(昭和9)年に全通し高山線が飛越線を吸収する形で高山本線となり、現在に至っています。

 開業以来非電化でしたが、経済成長による観光需要の高まりから全線の電化計画が持ち上がり、実際に工事に入りました。しかし、後に観光需要の低下や国鉄の経営悪化により電化工事は中止になりました。

 国鉄の分割民営化後に一部区間の軌道改良と、高出力エンジンを搭載したキハ85系の導入により、キハ82系時代よりも大幅にスピードアップしました。電化工事の際は中央西線・篠ノ井線の特急〔しなの〕に準じた車両を想定していた様です。ただ、岐阜側で接続する東海道本線は直流電化、富山側で接続する北陸本線は交流電化の為、仮に全線電化が完成した場合、どんな車両になっていたのかや電化方式の扱い(交流か直流か・デッドセクションの設置位置)がどうなっていたのか、興味は尽きないですね。

 そして、キハ85系の後継車両のHC85系の導入が発表され、現在試運転中です。HC85系はハイブリッド車両ですが、車両の記号は「クハ」や「クモハ」です。つまり電車と同じ扱いと言う事です。営業運転に入ったら、列車番号の末尾は気動車を表す「D」ではなく電車を表す「M」になると思います。換言すれば、HC85系の導入により、高山本線の電化は完成した事になります。

 まだまだ書きたい事がありますが、今回はここまでにしたいと思います。次回は高山本線を走っている列車について書きたいと思います。