外の匂いが、むず痒くなるようなウズウズした春の匂いから、むせかえるような緑と土の色にかわったのを感じました。夜、0時過ぎ。終電に向かう若いカップルの痴話喧嘩を聞きながら、緑の中に座る。







夜の公園で、1人の時間を過ごすようになったのは いつからだろう。
家が大好きなわたしが、静かな夜に 散歩をするようになった。あてもなく歩いて、気に入ったベンチに座る。ひとはこれを徘徊と呼ぶのだろうか。だとしたら、わたしはこの徘徊で、季節の移ろいを この身体に感じさせてきたようにおもう。



春はひそひそ話だった。これから芽吹く葉っぱたちもまだ、胎児のように身を潜めていた。


それが、だんだんと 声を出すようになっているのを感じる。ジーというこの ありふれた音が、ミミズの声だと知ったときは驚いた。彼らにこんな 自己主張が あったなんて。



すわっていると、後ろから、横から、前から、むっとした湿気が、土と緑の匂いを運んでくる。昼間よりずっと強い この匂いが、わたしをなによりワクワクさせるのだ。来る。これから来るんだ。あの季節が。



わたしには、生活する上でのルーティンというものはほぼない。毎日同じ時間に起きて、まず歯磨きをしてシャワーを浴びて掃除機をかけ、朝ごはんを作って食べてコーヒーを飲んで一服して身支度をして出かける、みたいな。すごく憧れる。
わたしは、決めたことを毎日遂行する、とか、コツコツと毎日続ける、といったことが小さい頃から本当に苦手なのだ。結構器用なので、試験も前日にグッと集中して暗記すればなんとなくいい点が取れちゃうし上手いことやれちゃう。やれてきちゃったのだ。

だからわたしは、ステージでどんなに踊るよりも、決めたルーティンを毎日ちゃんとこなせる人、本当にすごいとおもう。何時までに寝ると決めてるとか、そういう、「丁寧さ」の全てが繋がって、やっとのルーティンだ。



そのわたしが、ダイエットを始めたのはツアーの大阪ライブの日の夜だった。ホテルの大きな鏡で見た自分の、見たことないところにお肉がついてるのを発見した。あの衝撃はしばらくは忘れられないだろうな。家に帰ったら知らないおっさんがシチューを煮込んでいたような気持ち。「おっ、おまえ誰だ…!?!」ってなった。



それ以来、食事に気をつけるようになった。
ジョギングは、歳をとってから膝にくると聞いてやめて、ウォーキングに変えていたんだけど、ええい、背に腹は代えられぬ、てやんでぇ!ともう一度始めた。朝のジョギングからの筋トレという流れをクリアすると、自分が一段階上にレベルアップした気持ちになる。
長い距離を走ることを目的とするのではなく、ゆっくりでもいいから20分は走る。無理はしない。動いていくうちにじんわりと滲み、止まったら吹き出てくるような汗が有酸素運動の証だ。張ったふくらはぎと 汗を 冷やしながらストレッチをして、帰宅したらそのまま筋トレをする。腹筋、背筋、大臀筋、胸筋、スクワット。何種類かのワークアウトを組み合わせて、キツイところまでやったら、プロテインを飲んで熱めのシャワーを浴びる。なんとか続けているルーティンだ。


ちなみにプロテインはザバスのホエイプロテイン、ココア味。美味しくてゴクゴク飲めちゃうので500ミリシェイカーにいっぱいに作って飲んでいたら、155センチの女性が一回のトレーニング後に飲む量じゃないと怒られた。
だからか。だからなのか。





腹筋が、エライことになっているのは。


ダイエットを決意して三週間だ。だったの三週間。お腹周りはだいぶ攻略チョロかった。あとは難攻不落の太ももだけ。。。
お友達に 何目指してんの?といわれたし、そろそろやめないと、インスタグラマーとして、ボディビルダーにスカウトされてしまう。










季節の変わり目で意外と寒いと感じる晴れの日が続いている。群れで咲くツツジは、そろそろ見頃ですよ。大群で押し寄せてやっとふわっと香るくらいの、ツツジの控えめな香りが好き。ギャップ萌え。この香りを感じながら、毎朝走っている。








摩吏紗