こみ上げる想いを 上手にまとめられるか不安ですが、今書けることを綴ってみます。




3/17 、わたしの初舞台 「The Great Gatsby in Tokyo」が無事 千穐楽を迎えました。

昨年の年末にオーディション情報を見つけて応募して、なんとか合格しビジュアル撮影、そして顔合わせ、本読み、稽古、稽古、稽古、、小屋入り、ゲネプロ、本番(打ち上げ)



夢見ていた生活は、
まさに 夢のようで。



小学生の頃、初めて見た舞台が蜷川幸雄監督の弱法師という演目でした。藤原竜也さんが主演で、その内容は、幼いわたしには とうてい むずかしく、ただ、客席から登場する盲目の俊徳丸の空気に圧倒されたのを 鮮烈に思い出します。
そこから、母におねだりをして、舞台をたくさん見に行きました。いつも調べて高いチケットを取っては、場合によってはわたしひとりで観に行かせてくれた母には 感謝しかありません。
宝塚との出会いも、今の私を作り上げた大事な大事な出来事です。






ライブとおなじように、舞台もナマモノです。アクシデントは珍しくない中で、袖に待機する 役者さんたちの横顔には、ものすごい緊張感があります。

人生と同じで、舞台も、ステージ上の役者さんと、気持ちのキャッチボールをして ストーリーは進みます。そこでは、わたしはMARISAではなく レイラという ひとりの人生を背負っていて、レイラが関わる ギャツビー様やニック、他の使用人とか 全ての人の人生を背負っていて、もう、ただ事ではありません。テンションが上がっていつもと違う動きをしちゃった☆とか、それによって相手がボールを受け取れなかったとか、受け取るのが1秒遅れたとか、そんな ちいさく見える "ボタンのかけ違い"で、人生って大きく変わるじゃないですか。あそこで もう一言 声をかけていたら、もう1秒 引き止めていたら、、そんな差異の世界である "日常"を、伝えたいことを伝えるために、的確に 再現し表現していく行為。それがわたしが今回受け取った芝居というものでした。(3/18現在)



ベテランの役者さんから、たくさん 知らなかったことを学びました。声の出し方、目線の位置、行動の理由。ベテランだからってそこに胡座をかかないで、率先して お掃除をしたり 誰よりも早く来たり 自分が出てない場面を見て 新人にアドバイスをくれたり、直接ご指導いただいた部分だけでなく、背中でも見せてくれるようなキャストさんに囲まれて、本当に恵まれていました。ゲネプロから 千穐楽までの間にも 色々アドバイスをいただいて、使用人たちの間でも切磋琢磨したので、千穐楽が1番良かった。
今後の舞台活動、幸先が良い予感しかしません。








香盤の1番最後に書かれた名前に、最初は 悔しいって思ったりもしたけど、結果的には、いまのわたしにとって、使用人レイラができたことは 最善の結果をもたらしてくれたなと 思っています。




本番が終わり、ダブルカーテンコールでお客様にご挨拶をして楽屋に戻ったら、自然に涙がでました。全てが終わり、2ヶ月間向き合ったレイラが煙のように自分の中からするすると抜けていってしまったようで。

成仏ってあんなかんじなのかな。と、ふと思う。

さみしく、でももう跡形もなく、記憶の中にしか居ない存在になってゆく レイラ。でも彼女と生きた期間で、わたしの中に今までなかった部分が築き上げられました。そうして、レイラが教えてくれました。写真や記憶、思い出だけじゃない、ヒールの痛みや悔しさ、喜び、人が人に与えた影響のすべてが、その人が生きた証なのだと。





打ち上げをして 明け方 家に帰ってから、寝てしまったら ほんとうに すべてが 終わってしまう という名残惜しさで覚醒してしまい、いただいた たくさんのお花を生けたり、お菓子を開封したり、洗濯をしたりお風呂に入ったりして 時間に抗いました、が、こうしてブログを書いたらすこし 落ち着きました。そろそろ49日だ、いい加減、レイラを成仏させよう。

最後になりましたが、ご来場いただいた全てのお客様、お世話になったキャストの皆様、スタッフの皆様、そして、わたしをレイラ役に起用してくださった 演出家野口さん。
本当にありがとうございました。


毎日早く起きるために、カーテンを開けて寝ていたんですが、数ヶ月ぶりに締めて眠ります。










おやすみ、友よ。






摩吏紗