おなかが空いた時に 「おなか空いた」といって すぐに 何かをつくってくれる その人には、もう めちゃくちゃな とてつもない 愛があったってことが ひとりになって、よくわかります。




「子供の服が小さくなってしみだらけになって穴があいてカビも生えて、それを無造作に捨てることができることはすばらしいことだ。思春期になって少し心閉ざした子供を憎たらしく思い、小さい頃を懐かしめるのはこの世でいちばん嬉しいことだ、そういうことを。」


これは、よしもとばななさんのまぼろしハワイという小説に出てくる言葉です。








それぞれの家庭にストーリーがあって、愛情の形があるから、どれも否定できない尊いものです。



いまこの歳になって、思い返すのは
当時は早起きも辛そうでめんどくさがりの母が優しく何度も起こしてくれて、私はまだ小学校にあがったばかりで、朝ごはんは赤いきつねじゃなきゃ食べないと言いはって 、母は困り果てながらいつも赤いきつねにお湯を注いでくれて、でも私はお揚げと麺少ししか食べなくて、集団登校の待ち合わせが6:50で、道草しながら1時間くらい歩いて登校した、夏はカエルをさがしながら、冬は霜ばしらを踏みながら歩いた道。


全国のお母さんたちに告げたい。
ブームが来るとそれしか食べない性質から、朝ごはんが毎日赤いきつねでも、アレルギーも大きな病気もなく25までは育ちます。責任は取れないけど。






そして、もう一つは、

来るはずのなかった人生折り返してからの二度目の子育てを、時々文句を言いながら10年もやってくれた、祖母。
友達のお弁当のように赤いウィンナーとかくるくる綺麗に巻かれただし巻き卵なんかは入ってなかったけど、煮物とおひたしと、煮たお肉やまぐろに炊きたてのご飯で作った のり弁 で 茶色かったお弁当、「冷凍食品とかいれてよ」と言ったら次の日、冷凍でお弁当用のきんぴらごぼうが入ってたこと、これならばあばが作ったやつの方が美味しいよ、と言ったら、せっかく入れたのに!と言いながらはにかんでいたこと。そんなお弁当を5年間、毎日早起きして作ってくれたこと。





一人で暮らすようになって、お弁当を自分のためにつくることもしばしばありますが、
これが意外と手間がかかるんですよ。何品も作ってそれを少しずつ入れるっていうのが本当に 面倒で、私はいつしか自分のお弁当は、昨日つくった煮物とご飯に梅干し、とかで済ましてしまうわけです。それをさ、。



ご飯を常に炊いておくことや、いつでも料理をし始められるようにキッチンを片付けておくこと、調味料を切らさず いつも 食べたいと思ったものを 作れる環境にしておくこと、季節によって 値段の高い 野菜があること、炊いたご飯を 忘れずに 冷凍しておくこと、肉や野菜を買いに行くのも、袋をくれない スーパーが あること、



こういう、あたりまえにやってもらってたことも、自分でやると気付くんです。
意外にも ものすごく面倒なことを、いつも やってもらってたんだなと。






まったく、



ものすごい愛情を多方面からかけられているじゃないの、わたし。







こうなってくると、「親孝行したい」が、十分なモチベーションに なる。

ボケーっと 生きてきてしまった分、
1日でも早く、一人前になりたいのさ!




ヤァッ!