大は小を兼ねるとは言うが・・・ | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

その日は、近所の人気洋食屋の予約の日だった。

予約なしでは滅多に入れないので、行くと帰りに必ず次回の予約を入れてくることにしている。

通常仕事を終えると、そのままどこかに飲みに行き、帰りは夜中の11時前後になるのだが、この日はまっすぐ家に帰った。

いつもより早い時間に帰宅すると、俺の顔を見た妻が、あれ、今日帰り早いね、と言いたげな不思議そうな顔をしたと思ったら、いきなり

「しまった!」

と、叫んだ。

「今日、予約してきた日だったね。私ったら、もうご飯食べちゃったよ!」

「まったく、そういう大切な事忘れるなよ。昨日も明日予約の日だからね、って確認したじゃないか。」

そう言ったものの、だからといって、今更キャンセルするわけにはいかなかった。

取り敢えず、妻は何も食べられないけど、飲むだけ付き合うという事で、一緒に来てくれた。

店に到着すると、店の若女将が、

「ごめんなさいね。」

と我々が店に足を踏み入れるや否や駆け寄ってきて、謝ってきた。

何かと思えば、我々を通すはずだったテーブル席に、この日が誕生日だから、どうしてもそのテーブル席がいい、というカップルがいて、そちらにそこを譲ってしまったのだという。空いているのは相席の大テーブル席か、カウンター席のどちらか。

別に席なんてどこでも構わない。

それに俺はどちらかというとカウンター好きだ。

「全然、カウンターでいいっすよ。」

俺はそういうと、カウンター席に腰を下ろした。

カウンター席は厨房のシェフの様子を丸見えで伺うことができる。

言い方を変えれば、シェフには我々の様子が丸見えだ。

この日、妻はすでに食事を済ませてしまっていたので、俺は通常頼めない、牡蠣料理ばかりを注文した。

妻は牡蠣アレルギーで牡蠣が食べられないのだ。

だから、いつも妻と一緒の時はシェアして食べるものでは牡蠣を避けていたのだが、この日は食事は要らないと言っているのだから、遠慮はいらなかった。

妻は最初から最後まで、ハイボールやら、白ワインやらをちびちび飲んでいた。

俺は生牡蠣を食べ、牡蠣グラタンを食べ、カキフライを食べ、白ワインを飲んだ。

そして、最後会計して店を出た。

妻から、

「私が、今日が予約の日だって忘れていたのは、もうあのお店に興味が無いからなの。次回の分は予約しなくていいよ!行くなら、オマイさん一人で行って!」

と半ば逆切れ的に言われていたので、俺は次回の分を予約しないで出てきてしまった。

店の人が、席をテーブル席からカウンター席に移してしまったから、妻が気分を害して、何も料理を食べず、いつもして来るはずの次回の予約も入れずに帰ってしまったのだと誤解されていなければいいのだが、と今、思っている。

 

話変わって、10月の半ばごろ名古屋に行った。

久しぶりに、以前伺ってよかった居酒屋を訪れ、飲んだ。

カウンター席は満席で、一人テーブル席で飲むことになった。

しかし、一人テーブル席って、広さを持て余してしまうんだよな。

やっぱり俺はカウンター席、肩幅だけの世界が好きだなあ。

 

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