小籠包の店で飲んだ後は、折角ここまで来たんだし、と、そのお二階へ。
お二階にあるのは、そう、目下こちらに移転中だが、もともとは目黒川をわたった対岸にあった、老舗酒場。
階段をのぼって扉を開ければ、下のお店とは対照的に、全席ほぼ満席。
なんとか相席でテーブル席に座ることができた。
しかしあれだな。
カウンター席ってのは、謂わば横並びの相席なわけだけど、カウンターだと隣に知らない人に座られても変に構えたり、緊張したりしないものが、向かいかったテーブル席だと、妙に相手を意識しちゃうから不思議だよね。
顔を見合わせなきゃいけないシチュエーションがそうさせるのかな?
それからたいていに置いて、男女が向かい合って座るテーブル席に相席する男女は、男が男の隣、女が女の隣に座るね。まあ、十中八九。
なんでかな?
御多分に漏れず、俺も先客の男性の隣に、マリイが女性の隣に座ったのだった。
それからしばらくして隣の先客カップルは帰っていったのだけれど、その後に入ってきたカップルもやはり、男のほうが俺の隣に、女のほうがマリイの隣に座ったのだった。
知らない異性の顔を観察したいっていう深層心理がそうさせるのかな?
なんだろな。